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ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が開発した「リチウムイオン電池」と「次代を担う二次電池」

2019/12/14 更新 2020/06/29
2019年12月10日夜(日本時間)からスウェーデンのストックホルムでノーベル賞の授賞式が行われました。日本から旭化成名誉フェローの吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞しています。その要因となった「リチウムイオン電池」は、現在スマートフォンから宇宙開発まで、様々な機器に使用されています。

今回は、私たちの生活に欠かすことのできないリチウムイオン電池についてご紹介します。




リチウムイオン電池


正式名称は「リチウムイオン二次電池」と呼ばれており、放充電可能な蓄電池の通称が「リチウムイオン電池」です。ちなみに二次電池は蓄電可能な電池を指します。現在、普及している二次電池としてはニッケル水素充電池と住み分けされるほどに、利用率が高い電池です。

この電池の特徴として
  • 高電圧、高出力
  • 継ぎ足し充電が可能(メモリー効果がない)
  • 長寿命(繰り返しの使用に耐えうる)
などが挙げられます。リチウムイオン電池は、過去に開発されてきた二次電池と比べても高いポテンシャルを誇り、スマートフォンやパソコンのみならず、自動車、軍艦、宇宙開発に至るまで現代のテクノロジーを支える根幹を担っています。先日、帰還を開始した「はやぶさ2」にもこの電池が搭載されています。

※メモリー効果とは、電池内の電力を使い切らずに充電(継ぎ足し充電)することで、電圧が弱まる現象。




他の二次電池


非常に高いポテンシャルを有するリチウムイオン電池ですが、それ以外にも現在使用されてる二次電池があります。こちらでは、その他の二次電池をご紹介いたします。

鉛蓄電池

フランスのガストン・プランテが1859年に発明した、世界で最初の二次電池です。現在、自動車のバッテリーに使われているものが鉛蓄電池になります。

高電圧で継ぎ足し充電が可能なのが特徴で、鉛という安価な素材を使うことから、世界中で使用されています。ただし、鉛と硫酸といった有害な素材を使うので、処分方法に厳格なルールが設けられています。




ニッケルカドニウム蓄電池

ニカド電池、またはニッカド電池と呼ばれている二次電池です。電解液にアルカリを使うことから、アルカリ蓄電池とも呼ばれています。1899年にスウェーデンのユングナーによって発明されました。

構造上、非常に丈夫に作られており、大きな電流を放出する特徴があります。ですが、継ぎ足し充電ができない欠点を抱えている上、有害なカドニウムを使用することから、容易に処分ができないことが難点です。

100年以上の歴史のある二次電池ですが、取り回しのいいニッケル水素充電池やリチウムイオン電池が登場すると数を減らしていき、現在では電動工具や玩具に使われる程度となりました。




ニッケル水素充電池

現在、リチウムイオン電池と住み分けされ流通している二次電池です。ニッケルカドニウム蓄電池の上位互換といえる電池で、継ぎ足し充電の影響が比較的小さいという特徴を持っています。1989年に開発され歴史はまだ浅いですが、リチウムイオン電池が市場に出てくるまでは主力の電池で、自動車や宇宙開発にも使われていました。




リチウムイオン二次電池の問題点


発熱・発火

リチウムイオン電池は、高電圧と高出力を誇っているが、同時にそれが問題点にもなっています。より高いポテンシャルがあるということは、電池内部の化学反応が極めて強力に発生してしまいます。過放電、あるいは過充電が発生すると電池が発熱し、発火や破裂が起こる可能性があります。

TVの報道で、バッテリーの異常発熱や発火事件の原因は、大抵がこの理由で起こっています。そのためリチウムイオン電池は、充電器や電池側に制御回路や保護回路を安全装置として組み込んでいます。それでも完璧とはいえないので、取り扱い時には注意が必要です。

リチウムの希少性

使用されているリチウムはレアメタルで、現在ではほぼ南米に依存しています。アンデス山脈の塩原に多く埋蔵されており、ボリビア、チリ、アルゼンチンの3カ国に全世界の2/3が埋蔵されていて、これを「リチウムトライアングル」と呼んでいます。

実は、リチウムは海にも存在しています。その量は約2300億トンといわれており、抽出できれば無尽蔵といわれています。しかし、問題となるのが濃度で、海中の含有率は0.17ppmに対して、ボリビアにあるウユニ塩原の含有率2830ppmと比べても非常に希薄です。この海から、効率的にリチウムを抽出できるようになるまでは、この問題の改善は難しいといえるでしょう。

JAEAが考える海からリチウムを回収するシステムとリサイクルに転用する技術の解説



次代の二次電池


長期的に見て、安定した資源の供給に不安が残るリチウムイオン電池ですが、それに変わる素材として、ナトリウムとカリウムに注目して研究が進められています。東京理科大学の駒場慎一氏は、2011年にナトリウムイオン二次電池を、2016年にカリウムイオン二次電池の論文を発表しています。

ナトリウムとカリウムは共に、地球上に豊富に存在する物質で、実用化できるようになると、リチウムへの依存が軽減できます。資源の乏しい日本にとっては、とても期待の高まる研究といえます。


まとめ


今回はノーベル賞の話題に絡めて、二次電池の話題を取り上げてみました。リチウムイオン電池の発展は、スマートフォンやパソコンの普及だけではなく、エコの部分でも大きな役割を持っています。

ナトリウムイオン二次電池などは、東日本大震災でも注目をされ、今後のエネルギー問題に大きく寄与すると思われます。特にCOP25では、石炭の火力発電を使用する日本が非難されているので、二次電池への期待は高まっていくかもしれません。

今後、日本がエネルギー問題に向き合う際には、次代の二次電池が大きな役割を担ってくれることでしょう。





#リチウムイオン電池, #鉛蓄電池, #ニッケルニカド蓄電池, #ニッケル水素充電池, #ノーベル賞, #吉野彰
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