(写真ACより) 2018年末、日本海の日本側EEZ上で、韓国海軍の駆逐艦クァンゲト・デワン(広開土大王)が日本の海上自衛隊の哨戒機P-1に火器管制レーダーを照射するという事件が発生しました。 ですがその後の経過で、韓国側はレーダー照射を認められない事態に陥っていることが明らかになり、日本側が最初に求めた再発防止への対策は一向に進んでいません。 一体、日韓秘密軍事情報保護協定は機能していると言えるのでしょうか? 正にこの事件は、今後の極東アジア情勢の変化を象徴する重要な出来事の一つとなるでしょう。 というのは、今回の事件の本質は、韓国が同盟の軸足を米国から中国に移したことの現れだからです。 ほとんどの韓国人、そして在日米軍のトップを含むアメリカ人も、この事件を「日韓の問題」としか捉えていないようです。 韓国が日本への反発をテコに、アメリカを中心とした自由主義陣営から、中華覇権に軸足を移動させてしまったと言うと驚かれる人もいます。 しかし、今回の事件での韓国側の言い分を読み解いていくと、反日感情を共有する中国の経済と軍事的な覇権体制の下に自らの未来を位置づけしていく韓国の姿勢が見えてきます。 韓国海軍による自衛隊哨戒機P-1へのレーダー照射は、2013年1月30日の中国海軍レーダー照射事件(人民解放軍所属のフリゲート艦「連雲港」が、海上自衛隊の「ゆうだち」に向けて火器管制レーダーを照射した事件)の模倣であり、日米と海洋上で対決姿勢を強める中国への韓国からのエールとも言えるものです。 もともと韓国と中国は、過去を持ちだして現在の自分たちの不正を正当化するという、日本に対する負のロジックと恨みの感情を共有しています。恨みの感情は中国も韓国も自らが克服しなければいけないものなのにもかかわらず、それを増幅するような負のロジックを自国の教育にまで浸透させているのには不幸を感じます。 日本はこのような不幸に妥協する必要はありません。むしろ彼らの不正に対して対峙していくのが正しい姿です。 この記事では、今回の事件の経過とともに、日本・韓国それぞれの主張をまとめてみます。 その経緯から、韓国は日本と信頼関係を築こうとは考えていないということが浮かび上がります。 よって、信頼関係に基づく日韓秘密軍事情報保護協定が、正直機能しているとは思えません。 今後、日韓当局の間で協議が続くのでしょうが、日本がいくら事実を突きつ…