こんにちは、RedZingerColor(紅生姜)です。 私は2017年秋にADHDと診断されました。 その時の検査結果で初めて自分の特性を知り、その後向いている仕事を選んだことで快適に日々を過ごせるようになりました。自分の特性を知る以前に不向きな仕事に就いた時は、最後には心身不調によって退職せざるを得なくなりました。その当時と比べると今は天地の違いです。 この記事では『発達障害は能力の凹凸』で向き不向きがある事、そして自分の特性を知ることで救われた私の経験を紹介します。 ●ADHDの検査は臨床心理士の管理のもと行われる 私は当時の主治医に発達障害の疑いありとされてから、はっきりさせるために臨床心理士のもとで検査を受けました。WAIS-Ⅲという検査でした(現在はバージョンアップ版のWAIS-Ⅳが主流です)。 これは一種のIQテストで、 全検査IQ(総合的なIQ) 言語性IQ(言葉に関わる分野のIQ) 動作性IQ(体や物を動かすことに関わるIQ) の3つのIQと、 「言語理解(VC)」 「知覚統合(PO)」 「作動記憶(WM)」 「処理速度(PS)」の4つのIQがわかります。特に生活に影響してくるのが最後4つのIQです。 言語理解:読み・聞き・書き・話す力について 知覚統合:非言語情報から全体を類推する力。状況を見て行動する力 作動記憶:暗算など、一瞬で覚えたことを使ってなにかやる、または短期記憶 処理速度:頭と体の情報処理の素早さとなります。 ●検査内容と私の検査結果 検査の内容について詳しくは書けません。 これから検査を受ける人の検査結果に影響してしまうかもしれないからです。単なる筆記テストというわけではなく、ものすごく難しいわけでもないとだけ言っておきます。 私の検査結果は 言語理解: 114(平均よりやや高め) 知覚統合: 93(平均範囲内) 作動記憶: 94(平均範囲内) 処理速度: 63(知的障害を疑うレベル) でした。処理速度が凹、言語理解が凸で、この凹凸っぷりは典型的な発達障害だと当時の主治医に言われました。 ●不向きな仕事と分からず、心身不調になるまで困っていた当時 当時、私は品質管理の仕事に携わっていましたが、仕事(特に手作業)に非常にスピードが求められ、そのスピードについていけずに本当に困っていました。説明されればやることはわかるのに、手がついていかない、他の人と同じ手作業を…
自閉症スペクトラム障害はAutism Spectrum DisorderでASDと略されます。 「症」と「障害」が一つの単語に出てきますので、日本語に敏感な人は違和感を感じるでしょう。 自閉スペクトラム障害が正しい日本語と思いますが、日本精神神経学会が出しているDSM-5病名・用語翻訳ガイドラインではどちらでもいいことになっています。本文では著者の好みで自閉症スペクトラム障害を用います。 自閉症スペクトラム障害という名前ができたのは、比較的新しいものです。それまでは症状に応じて、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害に分類していましたが、それを一つの自閉症スペクトラム障害にまとめたというアメリカ精神科学会の決定に日本の学会が決めたものです。 自閉症スペクトラム障害は病気と見なすよりは人の特性と判断することが大勢を占めていますが、世の中では認知されているとはいえません。 今回は自閉症スペクトラム障害について原因、診断法、治療法を、近年の研究成果を交えて自閉症スペクトラム障害が病気ではなく、特性であることを説明したいと思います。 自閉症スペクトラム障害とは 自閉症スペクトラム障害の疫学 近年は100人に1人という報告があります。診断される人の数は増加しているといわれています。実際には診断方法の進歩により今まで見逃されていた子どもたちが自閉症スペクトラム障害と診断されていることから、見かけ上増えているように見えるのかもしれません。 男女比は男性の発病率が女性の4倍であるといわれています。男性が女性よりも多いと言うことは、比率は多少違いますが、全世界共通です。 性差が本当にあるかどうかに関しては、診断の問題という仮説があります。知的障害が女性に多く見られていることから、女性では知的障害が見られない症例では社会的困難であることが目立たないことが原因となって、自閉症スペクトラム障害との診断がされていないという説です。 自閉症スペクトラム障害の診断 日本でも取り入れられている2013 年に米国精神医学会が発表した精神障害診断・統計マニュアル第 5 版(DSM-5)によると 発達早期より認める①社会的コミュニケーションおよび対人相互反応における持続的な欠陥,および②行動・興味・活動の限定された反復的な様式があり,①,②の結果,臨床的に意味のある支障を引き起こしている場合に診断されます。 ここ…