2019年12月10日夜(日本時間)からスウェーデンのストックホルムでノーベル賞の授賞式が行われました。日本から旭化成名誉フェローの吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞しています。その要因となった「リチウムイオン電池」は、現在スマートフォンから宇宙開発まで、様々な機器に使用されています。 今回は、私たちの生活に欠かすことのできないリチウムイオン電池についてご紹介します。 リチウムイオン電池 正式名称は「リチウムイオン二次電池」と呼ばれており、放充電可能な蓄電池の通称が「リチウムイオン電池」です。ちなみに二次電池は蓄電可能な電池を指します。現在、普及している二次電池としてはニッケル水素充電池と住み分けされるほどに、利用率が高い電池です。 この電池の特徴として 高電圧、高出力 継ぎ足し充電が可能(メモリー効果がない) 長寿命(繰り返しの使用に耐えうる) などが挙げられます。リチウムイオン電池は、過去に開発されてきた二次電池と比べても高いポテンシャルを誇り、スマートフォンやパソコンのみならず、自動車、軍艦、宇宙開発に至るまで現代のテクノロジーを支える根幹を担っています。先日、帰還を開始した「はやぶさ2」にもこの電池が搭載されています。 ※メモリー効果とは、電池内の電力を使い切らずに充電(継ぎ足し充電)することで、電圧が弱まる現象。 他の二次電池 非常に高いポテンシャルを有するリチウムイオン電池ですが、それ以外にも現在使用されてる二次電池があります。こちらでは、その他の二次電池をご紹介いたします。 鉛蓄電池フランスのガストン・プランテが1859年に発明した、世界で最初の二次電池です。現在、自動車のバッテリーに使われているものが鉛蓄電池になります。 高電圧で継ぎ足し充電が可能なのが特徴で、鉛という安価な素材を使うことから、世界中で使用されています。ただし、鉛と硫酸といった有害な素材を使うので、処分方法に厳格なルールが設けられています。 ニッケルカドニウム蓄電池ニカド電池、またはニッカド電池と呼ばれている二次電池です。電解液にアルカリを使うことから、アルカリ蓄電池とも呼ばれています。1899年にスウェーデンのユングナーによって発明されました。 構造上、非常に丈夫に作られており、大きな電流を放出する特徴があります。ですが、継ぎ足し充電ができない欠点を抱えている上、有害なカドニウムを使用することから、容…