忘年会や新年会、飲み会なのでよく利用される飲食店。多くの人が利用する都合上、事前に予約をして準備を進めていく必要があるでしょう。お客さんとしては楽しみな飲みの席でも、店側としては心中穏やかではいられない事情があります。 予約したのにお客さんが来ない無断キャンセルは、もはや世間が周知する社会問題となっています。お客さんが来るまではまったく安心できない、店側としては頭の痛い悩みです。 今回は、経済産業省とTable Checkの資料を交えながら、店側の悩みの種である無断キャンセルついてご紹介します。 無断キャンセルの定義 予約をしても、その当日に来店がなく、店側の連絡も受け付けず、最終的に予約そのものを反故にしてしまうことを「無断キャンセル」といいます。別名「No show」とも呼ばれており、経済産業省では年間2000億円の損害あるとしています。 この損害は、飲食店側だけではなく消費者側にも発生しているとし、無断キャンセルの問題解決は、店側と消費者側の双方で利益向上につながると考えられています。 飲食店側の損害経済産業省が発表した「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」では、飲食業界の市場規模を25兆円とし、平均人件費率を37%とした場合、無断キャンセルの損害額2000億円は、飲食業従事者全体の賃金の2%強に相当するとしています。 さらに、飲食事業の平均的な営業利益率は2.3%で、この2000億円が計上できれば、営業利益率は0.8%ほどの回復が見込めると報告しています。 予約内容にもよりますが、店側に見込まれる損害として、 原材料費 人件費 食材廃棄費 逸失利益(キャンセル手続きが行われた場合に見込める利益など) などが考えられます。 消費者側の損害無断キャンセルの弊害は店側だけではなく、消費者側にも降りかかってきます。 具体的な例としては、 無断キャンセルにより空席が発生しても、お客さんを案内できない。その後、キャンセルの連絡があったとしても、お客さんは別の店で食事を済ませてしまっていることがある。 無断キャンセルの対策として、席のみの予約ができず、コース料理のみでの受付になってしまう。(予約方法に制約が生まれる) 無断キャンセルの損失を、メニュー料金に転嫁しなくてはいけなくなる。 などの弊害が起こると考えられます。 メディアでは店側の損失を報じることが多いですが、…