ハンガリーと言われると何を想像しますか? ドナウ川の真珠という異名を持つブダペストは欧州で最も名高い目的地の1つではありますがブダペストだけではもったいないのがハンガリーという国です。 そこで今回はハンガリー旅行をより充実させるためにブダペストからハンガリー最大の湖であるバラトン湖(到着都市は今回はケストヘイに設定)までの乗車をモデルにハンガリーでの高速バスの乗り方を紹介していきます。乗り方はおそらく日本以上に単純なので少し慣れればハンガリーでもサクサク国内旅行できますよ! ブダペストのバスターミナルはどこに?ブダペストには主要なバスターミナルが2ケ所ありますがよほどのことがない限りネープリゲット(Népliget)バスターミナルを使うことが殆どです。 ネープリゲットはブダペストの中心部からやや離れていますが地下鉄3号線で直結されているので不便ではありません。また、最近になってブダペスト空港からも200Eバスが停車するようになったのでアクセスはかなり改善されています。 バラトン湖はざっくりこういう場所! シーズン外れの冬に撮影したもので恐縮ですがハンガリー最大の湖であるバラトン湖は夏になると湖水浴客やその他バカンスなどで大いに賑わう避暑地です。かつて火山活動が活発だった地域でもあることから温泉も湧いており、さらに火山活動の名残を今に残す山々が周囲にあることから登山客にも人気です。(水はけもいい土地なのでブドウも美味しいです!) バラトン湖岸の最大都市はケストヘイ(Keszthely)で、他の主要都市としてシオ―フォク(Siófok)、バラトン湖からやや離れますが温泉で有名なへーウィーズ(Héviz)などがあります。 ブダペストからバラトン湖へ!腰が抜けるほど単純に乗れる!?筆者自身、ハンガリーは1年から2年に1回以上の頻度でハンガリーを訪れますが未だかつて高速バスを「予約」したことがありませんし、最近までできることすら知りませんでした(笑)。 これは何故かというとハンガリー国内の長距離バスは座席指定をする義務がないからで、あくまで任意なのです。 つまり、予約のあった座席以外は事実上自由席ということになるのですがここではまだ終わりません。なお、指定のあった座席については座席の上に何かおいてあるか何らかのマーキングのようなものがされていることが多いですがそもそも予約している人が少数なので…
その前にバラトン湖はどこ? 本題に入る前にまずは位置確認を済ませましょう。 バラトン湖のあるハンガリーはオーストリアの東側に隣接しており、そんなハンガリーの北西部のところにバラトン湖(Balatontó)は位置しています。ハンガリーの国内最大の面積を誇る湖であることからトリアノン条約で現在のクロアチア領の北部沿岸の領有権を失ってからは「ハンガリーの海」という異名がついています。 バラトン湖 沿岸の主要都市は南岸にまとまっており、東からシオフォク、ケストヘイ、北岸にバラトンフェレドなどがあり、それぞれ首都ブダペストからバスや列車で概ね2~3時間前後でアクセスできます。 バラトン湖と言えば?大変唐突な質問ではありましたがこの後イメージを一気に覆していきます。それはさておき、この湖は保養地として名高く、とりわけ夏のバカンスシーズンになるとヨーロッパ各国、遠ければはるばるロシアから多くの観光客が訪れ、湖水浴などを楽しみます。 また、バラトン湖のある一帯は別荘も多く、特にドイツなど西ヨーロッパ方面から定年後の居住地としても選ばれるような地域にもなっています。 湖自体は陸封なのでここに生息する生物の多くが固有種であると共に過去の火山活動の名残として温泉が湧いているところが複数個所存在する、極めて独特な自然をもった湖でもあります。しかし、この地域に長いこと住んでいる親戚によると湖から離れたところにもっと面白いものがあるというのです。 岩石で織りなす不思議な地形美バラトン地域は摩訶不思議以外に言葉が見当たらない地域です。閉ざされた巨大な湖と過去の火山活動を今に伝える温泉、そして湖から離れるとそこでさらに不思議なものを見れるというのです。その不思議なものの中に岩石で織りなす地形美がありました。 セントジュルジ山(Szentgyörgyihegyi) まず最初に紹介するのはバラトン湖より西側に少々離れたセントジュルジ山です。ハンガリー国内では知名度の高い山のひとつで、少なくないハイカーが季節を問わず訪れています。写真は道中で撮影したものですが、それにしてもテーブルのような形に見えなくもないですね。 最初はしばらくブドウ畑を眺めながらの登山になりますが標高を上げるにつれて森に入ると突然岩石がなだれ込んだような光景を目にすることになります。 写真の右下に実は小さな穴が開いており、そこから地下から吹き上げる冷気…
以前にもバラトンに関する記事(ハンガリー:バラトン湖の魅力は岩石?)を執筆させていただいことがありますが復習も兼ねて改めて位置確認を行うことにしましょう。 バラトン湖はハンガリーの北西部にある同国最大の淡水湖で、周辺地域を含めてバラトン地域と呼ばれることも多いです。 バラトン地域はハンガリーで最も独特な自然環境をもったところで、陸封型の湖は固有種の宝庫となっていることに加えて過去の火山活動の名残として温泉が湧いている箇所が数か所あり、中でも有名なのが湖から離れたところにあるへーウィーズ温泉です。 また、バラトン地域はヨーロッパ各地から観光客を惹きつける保養地としても名高く、夏のバカンスシーズンになると国内外から湖水浴や温泉などを目当てに多くの観光客が足を運びます。また、周辺の山々への登山を目的に訪れるハイカーも多く、筆者もまたその一人です(笑)。 バラトン湖といえばブドウ?唐突ではありますがバラトン湖とえば知名度が実際にどれほど高いかどうかは別としてとにかく「ブドウ」です。 いきなり何を言ってるんだと思われる方が多いかと思いますが実は冒頭文の中にヒントがひとつ混ざっています。それではどういうことなのか詳しく説明していきます。 ①過去の火山活動冒頭文の中に入っていたヒントとはまさしく過去の火山活動です。以前に「バラトン湖の魅力は岩石?」でも述べたようにこの地域はかつては火山活動が活発な地域でした。 そのため、この地域の土壌は火山灰など、火山由来のものを豊富に含み、このような土壌では水捌けが大変よくなります。ブドウの栽培に適した土地は水捌けのいい土地ですからその意味でここは合格なのです。山梨県でブドウの栽培が盛んなのもこのような土壌であるからなのですね。 ②起伏のある地形 バダチョニ山から撮影した写真ですが写真の下の部分にブドウ畑が映っています。分かりにくいですが写真中央をよく見ると起伏のある地形になっているのがお分かりかと思います。かつて火山活動のあったこの地域は高低差にも富んだ地形をしています。 ブドウの栽培は平地で行われる場合も多く、中にはイランのように水田に近い方法で栽培するところもあります。 しかし、水捌けの良さをしっかり発揮する場合は高低差がある方がいいと言われています。 考えられる要因として高低差があれば水が長時間留まることはないという点が挙げられます。逆に言えば平地の場合は水は…