「家でピアノを弾きたいけれど、大きなグランドピアノは置けない……」 「グランドやアップライトのピアノを置けても、近隣の迷惑になるので夜遅くまで弾けない……」 という人におすすめしたいのが、コンパクトな電子ピアノ。そこで今回は、電子ピアノの気になる選び方を見て行きましょう。 電子ピアノのメリット まず、電子ピアノとは何か、しっかり確認しておきましょう。 電子ピアノとは、その名の通りピアノを電子化したものです。エレクトーンやシンセサイザーは電子ピアノとは似て非なる楽器なので気をつけておきましょう。 さて、そんな電子ピアノを使用する主なメリットは、 ヘッドフォンを装着することで夜間でも演奏可能 グランドピアノはもちろん、アップライトピアノよりさらにコンパクトで置きやすい 物によっては簡単な編集機能がついている といった点が挙げられます。 特に電子ピアノのメリットとして注目したいのが、①「夜間でも演奏ができる」という点。 これは実体験ですが、筆者はマンション住まいだったため、アップライトか電子ピアノの二択に。 悩んだ末に、いつでもほぼ周囲を気にすることなく演奏できるというメリットに惹かれて、知人から中古のヤマハ製電子ピアノを譲り受けました。いまでも、その電子ピアノは大活躍してくれています。 電子ピアノの選び方で気をつけたい点 現在、電子ピアノを販売しているメーカーはヤマハ、カシオ、ローランドなど多岐に渡ります。 数ある電子ピアノの中から「これ!」というものを選びたいなら、実際にお店に行って試奏するのがベスト。電子とはいえ楽器は楽器。自分の用途にあうかどうか、口コミや動画だけで判断するのは、なかなか難しいものです。 そこで、ここからは実際に電子ピアノを弾き比べして選ぶ上で、気をつけておきたいポイントを挙げていきます。 電子ピアノの選び方① 値段 まずはコスパが気になるところ。安ければ5万円以下ですが、高いものでは何十万円とつく電子ピアノもあります。 ただ、後述する音色やタッチは、やはり電子ピアノの値段に比例します。優良な電子ピアノを安く手に入れたい人は、中古での購入や知人友人から引き取る手段も考慮しましょう。 ネットでのやりとりに慣れているのであれば、ジモティーやメルカリといったフリマアプリを当たってみるのもよいかもしれません。ただ、ネット上だと試奏できない点がネックですね。もし同じモデルが店頭に置いてあるよ…
ヴィオラは、人によって、とりわけ音色や役割などのイメージが異なる楽器。ある意味、明確な基準が存在しない弦楽器ともいえるでしょう。 今回は、そのヴィオラを購入する際の選び方を、紹介していきます。 ヴィオラの選び方を考える前に ── ヴィオラはどんな楽器? ヴァイオリンからヴィオラに乗り換える、そんな人も多いでしょう。そのため、「ヴィオラの選び方」というとピンとこないかもしれません。「ヴァイオリンの選び方と何が違うの?」という人もいるでしょう。 実は、ヴィオラにはヴィオラならではの選び方、そして、楽器の個性があります。まずは、ヴィオラが作曲家や演奏家たちからどんな評価・扱いをされてきたか、ざっと流れを辿ってみましょう。 「ヴィオラは大きなヴァイオリンではない」 「ヴィオラは大きなヴァイオリンではない」 そう主張したのは、20世紀を代表するヴィオリスト、ウィリアム・プリムローズでした。同じく20世紀を代表するヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインとの共著『ヴァイオリンを語る』(シンフォニア出版)で、プリムローズは「ヴィオラは17世紀にはそれ以降よりもずっと高い地位を保っていた」という旨を、テレマンのヴィオラ・コンチェルトの編集序文から紹介しています。 また、その17世紀から少し下った18世紀中頃には、あの、西洋史に残る大天才・W.A.モーツァルトがいます。今更何を言うまでもない著名な作曲家である彼も、自ら室内楽を演奏するとなると、好んでヴィオラを演奏していました。モーツァルトや、その少し年上になるヨーゼフ・ハイドンの弦楽四重奏曲は、ヴィオラが重要な働きを持つようになった初めての楽曲群とも言えます。 そうして時代が下り、現代に近づけば近づくほど、ヴィオラの重要性は認識され、レパートリーもどんどん増えていきました。ブラームスのヴィオラ・ソナタ、ドヴォルザークの三重奏曲、そして20世紀ドイツに現れる、パウル・ヒンデミット。 作曲だけでなくヴィオラ演奏なども行なったヒンデミット。彼の無伴奏ヴィオラのためのソナタや、ヴィオラ協奏曲「白鳥を焼く男」といった楽曲は、今や、ヴィオラ弾きには欠かせないレパートリーになっています。ヒンデミットの作品を聴くと、ヴィオラへのイメージがかなり変化すると思いますよ。 オーケストラや室内楽。アンサンブルにおける様々な局面で、重要な働きを持つヴィオラ。そして、アンサンブ…