唐突ですが、自分の国で紙幣や貨幣が消え、すべての決済がデジタル通貨で行う日が来たとしたらどう思いますか。 フランスの中央銀行では、10月16日に「暗号経済学、ゲーム理論、パブリックもしくはプライベート・ブロックチェーンの知見を有する人材」の募集を始めました。 以前から、ブロックチェーン技術に前向きだったフランスは、デジタル通貨の本格的な研究開発を進めていくでしょう。こういった動きはフランスのみならず、中国でも見られ「近いうちにデジタル通貨が発行されるのでは?」という見方もあります。 では、これらを可能にすると考えられている「ブロックチェーンとは何か?」をご紹介したいと思います。 ブロックチェーンとは ネットワーク上で取引が行われているデータの履歴を、「ブロック」と呼ばれるデータとして整理し、「チェーン(鎖状)」に連結したデータの集合体です。このデータを利用者同士で共有しあう「P2P」により、特定の管理者を持たず、自立的に管理していくシステムをブロックチェーンといいます。 P2Pとクライアント・サーバ方式 P2Pとは「Peer to Peer」を意味しており、利用者間で対等に通信を行う分散型ネットワークです。これとは対照的に「クライアント・サーバ方式」があり、こちらは中央集権型などと表現される通信システムがあります。ブロックチェーンの説明の前に、この2つについてメリット、デメリットを抑えておく必要があります。 クライアント・サーバ方式メリット、デメリット中央集権型といわれるこの方式は、サービスを提供するサーバがあり、管理者が管理を行っています。利用者はサーバに接続することで、サービスを受けることができます。 クライアント・サーバ方式のメリットは、 サービスが一極集中して管理しやすい サービスを提供される利用者の負担が小さい サービスの出所がはっきりしているので信頼性が高い などがあります。 これに対してデメリットは、 サーバがダウンするとサービスが利用できなくなる サーバに集中アクセスすると回線が込み合う 一極集中で管理する都合上、攻撃を受けた場合の被害が甚大 などが挙げられます。 中央のサーバに利用者がアクセスすることでサービスを受けられる P2Pメリット、デメリットクライアント・サーバ方式に対し、P2Pは中央にサーバがなく、利用者同士の通信でサービスを運営してい…