ネットというものが現れてから、僕らは巨大なネット空間を冒険し、膨大な数の情報を評価したりして、プラットフォームに行動データを提供し続けています。 今回はテクノロジーの発展で、広大だったネット世界は閉鎖的で村社会的になっているという考えについて書きます。 〜実は閉鎖的なネットの世界〜 ネットは今まで開放的で、自由で、冒険的で、グローバルで、巨大な空間だったわけです。しかし、その認識はAIが進化し続ける今、間違えなく変化してきていると思う場面が多く見られるようになってきました。 GoogleやYoutubeでは検索履歴からその人の行動データを記録し、その蓄積されたデータから分析して、その人の趣味嗜好に合わせたコンテンツや広告をネットの方から配信するようになっています。 検索バーで文字を打ち込んでネットを徘徊するのも一見すれば冒険的に見えますが、その検索結果に表示されるのは、結局はAIによって選別されたコンテンツ一覧で、とても冒険的とは言えません。 ニュースキュレーションでは好きなジャンルのニュースだけを選べ、SNSでは、自分の友達や興味のある人だけをフォローする。 今やネット世界の情報はその人に合っ…
テクノロジーの進歩が目覚しい昨今ですが、IoTへの期待も非常に高まっています。2020年以降に普及する5Gにより、さらに注目度も増していくでしょう。 IoTとは「Intenet of Things」、モノのインターネットを意味しており、世の中の様々な機器がネットワークに接続され、いろいろなサービスが提供されていきます。日本政府ではIoT、ビッグデータ、AI、ロボットのテクノロジーを用いた「ソサエティ5.0」という新しい社会のあり方について、以下のように言及しています。 「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題を両立する、人間中心の社会(Society)」(内閣府公式ページより抜粋) 今回は、日本が考えるソサエティ5.0と、それを支えるIoTとは何なのか、ご紹介していきます。 IoTとは 様々なモノがネットワークに接続し、互いに情報共有を行い、機器を制御する仕組みをIoTといいます。IoTが行う全体の流れとして、 センサーなどにより情報を収集し発信、ビッグデータとして蓄積する ビッグデータを分析して、効率的な指示を出す…
量子コンピュータと聞くと、SFのようなものをイメージするでしょう。ですが、これは決してフィクションではなく、現実の話なのです。 Googleが先日、量子コンピュータについての論文を発表しました。そこには従来のコンピュータを超える性能を発揮した、「量子超越性」について報告されています。 しかし、量子コンピュータといわれても、よくわからないのが現実でしょう。かくいう筆者自身も謎ばかりでした。今回は、Googleが何を作ったのか、量子コンピュータとは何なのかについてご紹介していきたいと思います。 Googleとその周辺で何が起きたのか Googleが到達した量子超越性2019年10月23日に科学誌「Nature」で、自社開発した量子プロセッサー「Sycamore」が量子超越性を達成したとする論文が発表されました。この量子超越性とは、量子コンピュータが従来のスーパーコンピュータの処理能力を超えたという意味です。 Googleは、Sycamoreが現行の世界最速コンピュータで1万年かかる計算を、200秒で完了させたと説明しています。2020年には、この技術をクラウド上で試せるように計画しています。 量子コン…
唐突ですが、自分の国で紙幣や貨幣が消え、すべての決済がデジタル通貨で行う日が来たとしたらどう思いますか。 フランスの中央銀行では、10月16日に「暗号経済学、ゲーム理論、パブリックもしくはプライベート・ブロックチェーンの知見を有する人材」の募集を始めました。 以前から、ブロックチェーン技術に前向きだったフランスは、デジタル通貨の本格的な研究開発を進めていくでしょう。こういった動きはフランスのみならず、中国でも見られ「近いうちにデジタル通貨が発行されるのでは?」という見方もあります。 では、これらを可能にすると考えられている「ブロックチェーンとは何か?」をご紹介したいと思います。 ブロックチェーンとは ネットワーク上で取引が行われているデータの履歴を、「ブロック」と呼ばれるデータとして整理し、「チェーン(鎖状)」に連結したデータの集合体です。このデータを利用者同士で共有しあう「P2P」により、特定の管理者を持たず、自立的に管理していくシステムをブロックチェーンといいます。 P2Pとクライアント・サーバ方式 P2Pとは「Peer to…
日々の生活の上で、欠かすことのできない交通手段として自動車があります。人やモノを運ぶのにとても便利な道具で、利用する機会も多いことでしょう。ですが、この自動車と決して切り離すことができないのが交通事故です。 年々減少はしているものの、毎年多くの死者を出しています。平成30年の10月末時点で2796人の死者が出ており、その半数が65歳以上の高齢者であると報告されています。(警察庁交通局交通企画課「交通事故統計(平成30年10月末)」より) そのような社会問題を是正するのに期待されているのが、自動運転システムです。このシステムが現実のものになれば、自動車は今より安全で快適な乗り物になります。しかし、この自動運転システムには、あるひとつの大きな課題が存在します。 今回は、自動運転システム開発が抱える倫理的なジレンマについてご紹介していきます 自動運転システムとレベル 自動運転システムとは、全自動で自動車を運転する機能で、IoT、AI、5Gの技術が可能にするシステムです。運転者の負担を軽減し、今まで起こっていた人的事故を減らす効果が期待されています。この自動運転システムにはレベルが存在しており、段階に応…