従業員8000名を超える大きな会社で、その中には、とんでもないほど売れる営業マンもいた。
今でも尊敬しているTさんという人なのだが、Tさんはいつでもランキング1位。
2位の営業マン(その人も凄いのだが)と粗利益1000万円以上の差をつけてランキング1位に毎月君臨していた。
Tさんの手法が知りたい!そう心から願っていた時、なんと某外資系保険会社から引き抜きをされたらしく、会社を辞めることに…
そして、優秀な引き抜き営業マンしか在籍していないその保険会社でも、相変わらずランキング上位。数千人のうち、トップ3に早速ランクインし、年収はドン引きされるほど稼いでいるという。
私はどうしてもその営業手法が気になり、Tさんにコンタクトを取った。そして巧みな保険営業トークを受けようと思ったのだ。
結果、ストンと保険に加入してしまった。私は身をもってその営業術を目の当たりにしたのである。
保険に加入する手続きを取りつつ、色々聞きたいことがあったのでTさんに質問攻めをした。
そしてTさんが日頃からやっていることが、なんとなく分かったのだ。
まず、トークに関しては言うまでもなく秀逸。
もともとイケメン爽やか系なので、何を言っても様になるのだが、全ての発言が堂々としている。
そして営業をかけられている時に思ったのだが、「営業をかけられている」という感じが皆無だった。
「あなたの人生をより良くするために、この商品があった方がいいと思いますよ。別に買わなくてもいいですけど」みたいなスタンスで、ゴリゴリの営業を全くしてこない。
あとは確実に小さなイエスを取ってくるということと、「断る選択肢」をどんどんなくしているように思えた。
また、トーク以外に関しては、
- 日頃から社内・社外問わず「信用」を積み上げていく。「お前のためならこの仕事おれが代わりにやるよ。いつもお世話になってるから」と言ってくれる社員をどれだけ増やせるか。Tさんは「やりたくない仕事」や「面倒なこと」を全てアウトソーシングし、核の仕事だけをやっていたという。
- 残業はほぼしない。残業をすると決めた途端、どんどん時間が膨張していくので、非効率。
- 「商品を売る(売りつける)」というより、「買ってくれるお客様を見つける作業」をしていた。
- 飛び込み営業は非効率なので、電話営業を極め、アポ先にしか訪問しない。
- 買ってくれないお客様には、2回も行かない。
- 営業本を毎日1冊読み、どんどんインプット→アウトプットをしていた。
- 自社商品に絶対的な自信を持つ(=徹底的に勉強をし、魅力を見つける)
・・・
凄い。才能の塊だと思っていたが、かなりの努力をしていた。
毎日1冊、営業本を読んでいたなんて…
残業をする時間があるなら、本を読め、ということだろうか?
また、前職でも保険でも、自社商品に対する絶対的な自信を持っていた。そもそも保険業界に転職を決意したのも、「その人の人生に関わってくる商品を売れるなんて、最高だと思った」と確か言っていた。
Tさんは自分に自信があるだけでなく、商品に対する絶対的な自信まで持っていたのだ。
「売れないのは、商品が悪いのではない。伝え方が悪いのだ」と。
そしてTさんはとにかく効率を求めていた。
キーボードを3種類ぐらい用意し、1分あたりのタイピング数が一番打てるものを選定したり、マウスポインタ―の速度を変えたり、見積書作成は外部にアウトソーシングしたり。
そのくせ、「信用」を積むために、掃除や雑務は笑顔でこなしたりする。それも全部作戦だったのだろうか?
営業力はフリーランスになってもある程度通用すると思う。
「信用」も大事なキーワード。
Tさんまでとはいかないが、なるべく効率化し、結果にコミットしていきたいと思う。