「田舎暮らし」と聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか。
「暮らしづらい」?「のどかで自由」?
色々あるかもしれません。
私は高校卒業まで、「秘境」と言われるド田舎に住んでいました。
世界遺産「熊野古道」のど真ん中。
どれくらいド田舎かというと、テレビ東京系で放送されている、「ナゼそこ?」という番組に取り上げられたことがあるほど。
以下、「ナゼそこ?」の番組概要です。
世の中の「ナゼそこ?」と思える場所に急行し、日本の不思議を新発見!山奥の秘境を突撃取材…ナゼこんなところに住んでいるの?と思う人物の意外な人生ドラマから、都会の見落としがちな身近な謎まで、スタッフが地道に大調査します!
その他、テレビ朝日系の「ポツンと一軒家」にも近くの地域が取り上げられていました。
こんなレベルの秘境に住んでいた私が、「秘境暮らしあるある」を10個、ご紹介します!
田舎暮らしにあこがれている方、検討されている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
「近所迷惑」の「近所」がいない
秘境には「ご近所さん」や「お隣さん」はいません。
山の上にポツンと家が建っていたり、ながーい階段を下りたら、やっと別のお家に出会えます。
なので、夜遅くに楽器の練習をしようが、どたどた走り回ろうが、近所迷惑なんて気にしないでいいんです!
(人によっては、家族には気を遣わないといけないですが)
公共交通機関が少なすぎる(バスは1日4本程度)
秘境は、公共交通機関の選択肢がとても狭いです。
うちの場合、主な公共交通機関はバスでしたが、それでも1日4本程度。
始発は7時半、最終は17時ごろ。その間に2本くらいあるだけ。
私は高校への通学に始発バスを利用していたのですが、それを逃すと遅刻決定なので必死でした。
(乗り過ごした場合は、親に頼んで車を出してもらい、バスを追い抜かしてもらい、先回りして別のバス停からバスに乗っていました。)
ちなみに、部活の朝練には対応してないので、その場合は車で送り迎えしてもらっていました。
何にしろ、車必須の世界ですね。
最寄りの駅まで30分以上(車で)
秘境に電車はありません。
電車が通っていればそれはもう秘境ではないですね。
線路も踏切も、普通に暮らしていたらまずお目にかかれません。
私の住んでいた地域は、車で30分以上走って初めて、「最寄りの駅」に出会えます。
確かに「最も近くに寄っている」駅ではありますが、決して近くにあるわけではないという。
やっぱり車必須ですね。
コンビニが便利な距離に存在しない
「コンビニエンスストア」って、「便利な店」なんですよね。
確かにいろんなものが安く売っていて、荷物の配送や公共料金の支払いなどもできて便利ですよね。
でもそれも、「便利な立地」にあってこそのこと。
秘境にコンビニはありません。
コンビニに行くにしても、やっぱり 車で30分以上走って初めて、「コンビニ」というものに出会えます。
そんな生活をしていると、たまにコンビニへ行くのが楽しくて仕方なかったんです。
「コンビニの肉まん」、「コンビニの鮭おにぎり」が超ごちそうでした。
(今もですが)
猿・鹿・猪・狸は当たり前
秘境では、あまり「野良犬」や「野良猫」を見かけません。
それよりも、 猿・鹿・猪・狸 の方がよく見ます。
「わんわん」、「にゃーにゃー」よりも、「キー!!(猿)」、「キャーン(鹿)」といった鳴き声や、「パン!」という鉄砲の音(鹿や猪がよく)を聞きます。
狸は悲しいことに、車に轢かれてるのをよく見かけました。
「買い食い」って何?状態
「買い食い」とは、「帰り道に何かを買って食べて帰ること(徒歩)」と理解しています。
秘境の中で、歩いて家に帰るとなっても、途中で食べ物を買えるようなお店はありません。
それこそ、コンビニなどで「買い食い」するんだと思いますが、そんなお店がなければ買い食いしようがありません。
1学年の人数は1桁
秘境にも子供がいる場合には、一応学校もあります。保育園も。
しかしその人数は少なく、1学年1桁がほとんどです。
10人を超えたら「多いね」という部類です。
ちなみに私の場合は、全員で4人。1人とか2人の学年もいました。
みんなで仲が良ければ幸せですが、仲が悪いととことん地獄ですよ。
他に友達の選択肢がないですからね。
別の学年の子と仲良くしてても、結局は学年ごとの活動が多くなっちゃいますし。
「クラス替え」という概念がない
学校を舞台にした連載漫画とか読んでると、4月の季節ネタとして「クラス替え」っていうイベントが出てくるかと思います。
秘境の子供にとっては、そんなもんファンタジーです。
1学年1桁人数のクラスは、変わりようがありません。
むしろ、人数が少なすぎて、「単式学級」、「複式学級」という仕組みがあるほどです。
(複式学級・・・2学年以上をまとめて1つの学級にすること)
私も、小学3年生の時は4年生と、4年生の時は3年生と、複式学級をした経験があります。
そういう意味では、「クラスのメンバーは変わった」と言えますが・・・。
大人数の同学年の中で、
「今年は誰と同じクラスになるかな~、ドキドキ」
みたいな感じのクラス替えは、まずないです。
「先輩」・「後輩」という概念もない
秘境の学校では、「先輩」・「後輩」という概念なんてありません。
保育園から一緒のメンバーで、人数もこれだけ少ないとそうなっちゃうもので。
中学校まで「先輩への敬語」なんてない生活でしたから、高校進学で大人数の学校に進学してから、かなりカルチャーショックでした。
「漫画で観た通り、ほんとに敬語使ってるわ~」
という感じ。
保育園の運動会も中学校の運動会もすべて一緒くた
「運動会」って、保育園は保育園の、小学校は小学校の、中学校は中学校のものがありますよね。
秘境の運動会はそんな種類はありません。
1つの会場(うちの場合は小学校のグラウンド)で、保育園児も小学生も中学生も、何なら町民も集まって、全部まとめての運動会を1日で開催します。
1回の運動会の中に、保育園児による「かけっこ」、小学生による「徒競走」、中学生による「短距離走」、町民の中で走りの早い人たちによる「短距離走②」が混在します。
そして、「町民」の中には子供たちも含まれているので、「参加対象:町民」の競技に関しては、小学生も中学生も参加可能です。
なので、1回のレースにおじさんと小学生(ここが親子なことも)が一緒に出たりすることも。
「参加対象:町民」の競技は、景品をもらえるので、スポーツ自慢の家族がかっぱらっていくこともありました(笑)
まとめ
秘境暮らしあるあるを10個ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
「不便だな」ということもあれば、「ユニークで面白いな」ということもあったかと思います。
私が暮らしていたのは1995年~2013年のことで、ネット通販などがそこまで発達していませんでした。
今はもっとその辺が発達しているので、暮らしやすさは上がっていると思います。
しかし一方で、少子高齢化もどんどん進んでいるため、人口はどんどん減っています。
「リアル」な人間関係の狭さも加速していっていると言えるんです。
(保育園が小学校の中に移転したり)
私が暮らしていた地域の「あるある」でしたが、田舎暮らしが気になっている方の参考になれば幸いです。