「一体どこに問題があるから食べられないの?」 「食べにくい症状は、実際にどの部分に問題があるから起こるの?」 あなたの大切な人が口から食事が食べられない摂食・嚥下障害だと判明しました。 あなたは、医師から一通り説明を受けたかもしれません。もしくはご自分で調べようと様々なサイトをご覧になったかもしれません。 …しかし、摂食・嚥下障害を理解することは難しい…ですよね? 写真AC 「ご飯が食べにくい事があるけど関係ありますか?」 「先行期の障害ってどんなのがありますか?」 「咽頭期に問題があると食べるときに、どのような影響があるの?」 このような疑問を抱くみなさんに、今回は摂食・嚥下障害の症状とその影響についてわかりやすく解説します。 ◆これまでの記事 【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~摂食・嚥下障害の受け止め方~ 【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~嚥下のしくみ~ 【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~食べ物が通る段階を知ろう~ 【1】 嚥下5期モデルのおさらい 写真AC 前回の記事では、嚥下の5期モデルについて説明しました。「先行期」「準備期」「口腔期」「咽頭期」そして「食道期」です。 前回の内容を踏まえて、嚥下の5期モデルにそって、各期の症状が実際の食事場面でどのような影響を与えてしまうのか解説しましょう。 まずは、前回のおさらいをします。 先行期:食物を目や臭いで“食物”と認識して口に
「どんな病気・疾患で摂食・嚥下障害になるんですか?」 「摂食・嚥下障害に関係する癌(がん)とは?」 今回は、摂食・嚥下に直接影響を与える疾患と、各疾患に対する摂食・嚥下リハビリテーションの基本的な方針について説明したいと思います。 写真AC 摂食・嚥下障害を引き起こす原因は大きくわけて3つになります。 疾患・病気が原因 加齢が原因 医原性が原因 ※医原性とは、医療行為が原因となることです。 今回は1番『疾患・病気が原因』を解説します。 ◆これまでの記事 【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~摂食・嚥下障害の受け止め方~【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~嚥下のしくみ~【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~食べ物が通る段階を知ろう~【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~症状とその影響を知ろう~ 摂食・嚥下障害の原因になる病気・疾患には何がある? 脳梗塞や嚥下に関係する部位の癌、神経疾患など、病気・疾患が直接摂食・嚥下機能に影響を及ぼすケースです。摂食・嚥下障害に直接影響を及ぼす疾患は、 脳血管障害 神経疾患 頭頸部癌(とうけいぶがん) の3つの疾患が代表されます。 その1. 脳血管障害 脳血管障害は、脳梗塞やくも膜下出血、脳内出血などの脳血管のトラブルにより引き起こされます。脳血管障害は別名・脳卒中(stroke)と呼ばれます。 脳血管障害の発症初期は、意識障害や薬剤の副作用による摂食嚥下障害があります。しっかりと栄養管理されたうえで、できるかぎり早期に安全な経口摂取へ移行することが重要