以前にマレーシアの航空会社の搭乗体験について記事にしたことがありましたが、今回はそのマレーシアに実際に行ってみることにしました!(なお、マレーシア航空について気になるという方はこちら(成田→クアラルンプール)とこちら(クアラルンプール→ジャカルタ)を併せてごらんください) 本題に戻りますがまず最初に訪れたのは首都のクアラルンプールで、そこにはかつて中央駅として機能していたとても美しい駅がありました。最初見たときはてっきりモスクではないかと思ってしまったその駅とはいったい何者なのでしょう? ムーア様式を取り入れた白亜のクアラルンプール駅 クアラルンプール駅が中央駅でなくなってしまった理由については後ほど解説することとして、まずはこの駅の見所について紹介していきます。まずは何と言ってもモスクと錯覚してしまうような美しい外観でしょう。 クアラルンプール駅自体は1910年にイギリス統治下に開業した駅ではありますが設計を担当したA.B.ヒューバックは駅に本来ならモスクにあるミナレットやドーム状構造を積極的に取り入れていき、最終的に多くのモスクで採用されてきたムーア様式を取り入れてこのような姿になりました。 これはインドのタージマハルの影響も受けていると言われており、実際にクアラルンプール駅以外でも北部のイポー駅もまたタージマハルのような外観から人気を集めています。 当時は現在のクアラルンプール駅周辺に中心街(今ではオールドタウンと呼ばれている)が形成されており、今ムルデカ(独立)広場となっている旧総督府もほど近いところにあります。今は中心部がうつったので利用者もまばらになっていますが駅舎の美しさから観光名所のひとつになっています。 中央駅になれなかった事情 実際のところ2001年までは中央駅として機能していましたが同年4月にクアラルンプール・セントラル駅(以後KLセントラルとする)が開業するとその役目を終えることになりました。日本で例えるなら鹿児島駅と鹿児島中央駅(旧西鹿児島駅)の関係が近いかも知れませんね。 クアラルンプール駅は3面4線の構造で、中央駅にしては線路が少ない印象です。市内交通については川の反対側のPasar seni(パサールスニ)まで連絡橋はつながっていますがあまり便利とは言いにくいでしょう。その状態で路線網を拡大しようとするとこれはさすがに難しいです。 …
突然ですが皆さん、深夜特急という本は読まれたことがありますか?巷の旅好きの間では有名な本で、そのシリーズの中に今回乗り鉄するマレー鉄道も漏れなく入ってるとのことなのですが筆者はまだ読んだことも手にしたこともありません(笑)。 それはさておき、今回はそんな深夜特急にも登場するマレー鉄道(KTM)に乗ってクアラルンプールからマレーシア第2の都市にしてシンガポールに向かい合うジョホールバルまで南下します。今回はその途中のグマス(Gemas)駅で乗り継ぐまでの話です。(切符ですが窓口で買いました!) マレー鉄道の主力電車特急ETS 上の写真が今回クアラルンプール(KLセントラル駅)から途中グマス駅まで乗ったマレー鉄道のETSと呼ばれる特急電車です。ETSとはElectric Train Serviceの略称で、厳密にはAntarabandar(都市間特急、インターシティ)の1種です。 このETSはマレー半島の電化部分を走っており、主な区間はバターワース(Butterworth)~イポー(Ipoh)~クアラルンプール~グマスです。それ以外の区間は依然として電化されていないままなのでまだ走ることができません。今回の最終目的地であるジョホールバルも実はそんな非電化区間に入っているので乗り入れることができないのです。 いやぁしかしかっこいい車体ですね(笑)。 車内 車内はどうなっているだろうということですが座席の座り心地はなかなか良かったです。 クッションがほどよく柔らかく、成田エクスプレスなどのように汎発性が強いのではなく、旧国鉄特急のような深みを感じるような座り心地ですね。(果たして伝わっているか分からないですが在りし日の特急雷鳥や北越などに乗られた方なら分かると思います) シートテーブルとシートポケットも無論ついていますがなかなか賑やかですね(笑)。 黄色と赤の眩しい広告付きシートと、旅情が半減しても仕方がないような感じの見栄えで落ち着かないですね(笑)。 ちなみに固定クロスシートです。 写真にはとっていませんが実は車両両端にテレビ画面が付いており、常に何かしら映画が流れています。筆者が乗ったときはマカオのコメディーアクション映画で、車内で必死に笑いをこらえていましたが結局終わるころには腹筋が痛くてつらかったです(笑)。 <重要>車内は寒い(笑)マジで 常夏のマレーシアに来たからと言って上着を持っていか…
※重要※2020年3月7日現在、新型コロナウィルスの影響によりマレーシアは14日以内に北海道に滞在していた場合は入国拒否の対象としています。今後何らかの追加措置が加わる可能性があるので渡航の際には改めて情報等確認をお願いします。 グマスから先は非電化 前回はクアラルンプールからグマスまで電車特急で2時間ほどの旅でした。 これでクアラルンプールと目的地ジョホールバルとの中間点についたわけですがここから先は非電化区間ということでディーゼル機関車に牽引された客車特急の登場です。それにしても写真の青い機関車、なかなかのビンテージものです。実はこの1機以外同一の機関車に遭遇したことがないのです。 そしてこの機関車、実は日本社製です。 写真の右下を見ると見覚えのある文字が見えませんか、そう、HITACHIです。それにしても本当に走れるのか心配になるくらい古い外観ですがこの後所々猛疾走するので心配無用です(笑)。 マレー鉄道の客車です。号車表示が1,2,3ではなくR1,R2,R3....となっています。仕組みはよく分からないのですがグマス以南の列車はどうもそのように表示されるようです。続いて車内の様子を見てみましょう。 シートピッチがやや気になりますが座席自体は特急踊り子で使われている旧国鉄185系のようなフカフカな座り心地です。 乗り心地としては総じて日本の旧国鉄特急に近いかも知れません。フカフカな座り心地はいいものの、足を思い切り伸ばせるかというとそうでもないのが難点です。シートテーブルについては上にスライドして取り出す仕組みになっています。 前回乗った電車特急(ETS)ではTV画面と自動音声による案内がありましたが今回は比較的古い車両なので電光掲示板もなければ自動音声による案内もありません。 ですので車掌の車内放送を聞き逃すとどこにいるのか全くNo ideaな状態になってしまいます(笑)。とは言っても今回は終点まで乗りとおすので耳をふさいでも問題はないのですが...。それにしても内部も内部で年季がしっかり入ってます。 グマスは何もない(笑) グマス駅では乗り継ぎが1時間ほどありましたが駅構内はこ
海外旅行に行ったことがあるという人は多くいるかもしれない。しかし、陸路で国境を渡ったことがある人はどれだけいるだろうか? 今回は、シンガポールからタイまでの国際列車を使った旅を紹介したい。 (実際に乗車した列車、シンガポール駅構内で(著者撮影)) マレー鉄道・タイ国鉄での旅への準備 単に鉄道旅をするにしても、往復の航空券、乗車する鉄道の切符を用意する必要がある。なお、航空券については、日本→シンガポール、タイ・バンコク→日本の片道航空券をLCC(格安航空会社)で予約するのが最も安上がりだと思われる。 一方、切符の購入については、現在ではマレー鉄道・タイ国鉄ともに、オンラインでの予約が可能となっている(私は、現地窓口で購入した)。なお、シンガポール発バンコク行の列車の運行というのはなく、当時の旅行ではマレーシア・クアラルンプールセントラル駅とタイ・ハジャイ駅で乗り換えが必要であった。 いざ出発、鉄道で国境を越える楽しみ マレー半島を縦断する鉄道では、2回の国境越えがある。シンガポールといえば、“マリーナベイサンズ”をはじめとした近代的な建物が多い街である。 (シンガポール・マリーナベイサンズ(著者撮影)) 一方、シンガポールの対岸の街、マレーシア・ジョホールバル(人口50万人、マレーシア第二の都市といわれる)に入ると、シンガポールほど高層ビルは目立たない。また、イスラム教のモスクが目立つようになる。 (路地裏はまだ発展途上の色を残す、マレーシア・クアラルンプール(著者撮影)) さらに、鉄道がタイに入ると、仏教寺院が目立つようになるわけである。このように、肌をもって、国の違いや宗教の違いを感じることができる。 (タイ仏教寺院、タイ北部(著者撮影)) 日本は陸地を接する国境が存在しないため、国境というイメージをあまり持たないかもしれないが、国が変われば、宗教も違い、街並みも変わってくる。このようなことを楽しみながら移動できるのも、国際列車の良さだろう。 列車が国境を越えるとき、乗客は全員一度下車! 空港と同様に、鉄道にも出入国審査がある。このため、列車が国境を越えるとき、一度全員が下車し、パスポートのチェックを受け、再度乗車する必要がある。 国境を越えるのに1~2時間要するのは、よくあることだ。 タイ国鉄3等車の車内販売?! 実は、タイを訪れたとき、ソンクラーンに伴う連休(タイにおける旧正…