突然ですが皆さん、深夜特急という本は読まれたことがありますか?巷の旅好きの間では有名な本で、そのシリーズの中に今回乗り鉄するマレー鉄道も漏れなく入ってるとのことなのですが筆者はまだ読んだことも手にしたこともありません(笑)。
それはさておき、今回はそんな深夜特急にも登場するマレー鉄道(KTM)に乗ってクアラルンプールからマレーシア第2の都市にしてシンガポールに向かい合うジョホールバルまで南下します。今回はその途中のグマス(Gemas)駅で乗り継ぐまでの話です。(切符ですが窓口で買いました!)
マレー鉄道の主力電車特急ETS
上の写真が今回クアラルンプール(KLセントラル駅)から途中グマス駅まで乗ったマレー鉄道のETSと呼ばれる特急電車です。ETSとはElectric Train Serviceの略称で、厳密にはAntarabandar(都市間特急、インターシティ)の1種です。
このETSはマレー半島の電化部分を走っており、主な区間はバターワース(Butterworth)~イポー(Ipoh)~クアラルンプール~グマスです。それ以外の区間は依然として電化されていないままなのでまだ走ることができません。今回の最終目的地であるジョホールバルも実はそんな非電化区間に入っているので乗り入れることができないのです。
いやぁしかしかっこいい車体ですね(笑)。
車内
車内はどうなっているだろうということですが座席の座り心地はなかなか良かったです。
クッションがほどよく柔らかく、成田エクスプレスなどのように汎発性が強いのではなく、旧国鉄特急のような深みを感じるような座り心地ですね。(果たして伝わっているか分からないですが在りし日の特急雷鳥や北越などに乗られた方なら分かると思います)
シートテーブルとシートポケットも無論ついていますがなかなか賑やかですね(笑)。
黄色と赤の眩しい広告付きシートと、旅情が半減しても仕方がないような感じの見栄えで落ち着かないですね(笑)。
ちなみに固定クロスシートです。
写真にはとっていませんが実は車両両端にテレビ画面が付いており、常に何かしら映画が流れています。筆者が乗ったときはマカオのコメディーアクション映画で、車内で必死に笑いをこらえていましたが結局終わるころには腹筋が痛くてつらかったです(笑)。
<重要>車内は寒い(笑)マジで
常夏のマレーシアに来たからと言って上着を持っていかないようでは大惨事になります(笑)。何故かというとこれでもかというくらいクーラーをガンガンかけるからです。中でもとりわけ上着がないと悪夢になるのがこともあろうに電車内です。
今回はKLセントラル駅からグマス駅までの約2時間少々でしたが1時間経つまでにはパーカーを羽織るだけにとどまらずスカーフを2枚二重巻きにしてさらにニット帽というもはや不完全ながらも冬装備になっていましたね(笑)。それでも足が芯から冷えたのでできれば毛布かその代わりの追加の上着があるといいです。
車窓
筆者が長年待ち焦がれた東南アジアでの長距離乗り鉄でしたがどんな車窓だったのでしょう?クアラルンプールを出発すると途中のKajang駅(以前紹介したBuroga Hillのある種最寄です)までは建物が多い車窓でしたがそれより南はというと....
数年後通ればここにまた新たに街ができているのでしょう。
このような「開発中」のところが多く見受けられました。
さらに南下するともはやジャングルのように見えますがそのあいだにマレーシアらしい、でもなかなか考え物な車窓を眼にします。
上の写真、遠目ではジャングルのように見えます。しかし、よく目を凝らすとヤシの木(生物学的には木ではなくて草だそうです)が多く見えますがこれはパーム油の原料となっているアブラヤシ農園です。マレーシアはパーム油の最大生産国のひとつで、このような車窓を頻繁に目にします。
これは別のアブラヤシ農園を映したものです。斜面一面アブラヤシ農園になっていますが、栽培面積拡張による森林破壊と土壌流失などが問題視されている現状があります。
クアラルンプール(KLセントラル)から2時間少々でグマスに到着です。
グマスはクアラルンプールとジョホールバルのちょうど中間点にあり、クアラルンプールを含むマレー半島西側を走る路線と東側を走る路線の合流点でもあります。ちょうど中間点とは言ってもここから先がそれを疑わせるほど長いのです(笑)。それは次回のお楽しみです。
※クアラルンプールからシンガポールへの直通運転は無い
ひと昔前であればクアラルンプール発シンガポール行きの夜行列車があったようなのですが現在はグマス駅を境に系統分割されたのに伴ってクアラルンプールからグマス駅以南への直通運転がなくなっています。
また、シンガポール行きの列車はジョホールバルとの区間運行に限定されているので注意が必要です。