「歳をとると摂食・嚥下機能にどう影響しますか?」 摂食・嚥下障害を引き起こす原因は大きくわけて3つあります。 疾患・病気が原因 加齢が原因 医療行為が原因 前回に引き続き、今回は2つめの『加齢が原因』による摂食・嚥下障害を解説しましょう。 高齢者特有の摂食・嚥下障害のことです。 写真AC ◆これまでの記事 【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~摂食・嚥下障害の受け止め方~【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~嚥下のしくみ~【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~食べ物が通る段階を知ろう~【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~症状とその影響を知ろう~【シリーズ】摂食・嚥下障害をわかりやすく教えます【解説】~摂食・嚥下障害の原因 その① 疾患編~ ◆摂食・嚥下機能の老化とは? 人は誰もが平等に年齢を重ねていきます。やがて加齢に伴い身体機能は衰えが生じます。こうした退行的な変化≒現象を老化とよびます。老化の定義は難しく定かではありませんが、加齢を広義の老化とすることもあるようです。 さて、この老化に伴う嚥下機能の変化を老嚥(Presbyphagia)と呼びます。老嚥は老化現象の特徴ともいえます。老嚥は、嚥下関連筋群の低下や感覚(味覚嗅覚)の変化、口腔の乾燥や嚥下に関する反射の低下なと様々な問題を生じさせます。