みなさんは、介護をしていて介護ベッドが必要になった時どうしますか?
迷わず買うと思った方は、是非この続きを読んでください。
私は、介護福祉士と介護支援専門員の資格を保有し、現在は介護施設で管理者兼介護支援専門員として、この業界で13年働いています。
普段の実体験を元に、介護保険を使った介護用品の選び方などを解説していきたいと思います。
介護保険による福祉用具の利用について
介護が必要になると、介護用品も併せて必要になる事が多くあります。
自宅で介護をしている場合、相談する人が誰もいなくて、不自由なことや、大変なことを自分だけで解決する方がたくさんいらっしゃいます。
どんどん状態の落ちていく母親に、歩行器、車いす、介護用ベッドと購入し、仕事を休んで自宅の段差解消のための簡単な工事まで自分でされていた方がいます。
介護用品は高額なものがとても多くあります。
歩行器でも約3〜5万円、車いすだと約5〜10万円、介護用ベッドにもなると10万円を切るものはあまりありません。
それらは、月に数百円〜千円程度でレンタルをする事が出来ます。
保険を利用した福祉用具の購入やレンタルの仕組み、制度について
福祉用具のレンタル
まずはケアマネージャーと契約をされていない方は、契約をしていただき相談していただくと、とてもスムーズに進める事が出来ます。
福祉用具の選定が出来たら、指定事業所とレンタルの契約を結び、毎月1割の自己負担で福祉用具を借りる事が出来ます。
主なレンタル可能な商品は
- 車いす(付属品)
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 特殊寝台(付属品)
- 手摺り
- 認知症徘徊感知器
- 歩行器
- 歩行補助杖
- スロープ
- 移動用リフト
- 自動排泄処理装置 等
※軽度者、要支援など状態によっての要件あり
介護保険を使っての福祉用具の購入
こちらもケアマネジャーへ相談し、作成したサービス計画を元に、全額支払いをした金額の9割分を申請によって支給を受ける事が出来ます。
主な購入対象品目
- ポータブルトイレ
- 自動排泄装置(交換部分)
- 移動用リフトのつり具
- 入浴補助用具
- 簡易浴槽 等
更に要件はあるものの、車椅子なども購入の対象となります。
その他にも、手摺りや段差の解消など対象となる箇所の住宅改修費用も、介護保険を利用する事で、20万円までは1割自己負担で改修することができます。
買うよりも借りた方がいい物とその理由
介護用ベッド(約月 600円〜1000円)
安いものでも10万円以上するものがほとんどで、高いものだと20万円、30万円もします。
運び入れも引き上げも、一般の方が行うにはとても大変で、電動部分の故障も多いです。
一方レンタルでは、搬送、設置も行ってくれて、必要時の移動、定期的な点検、故障時には交換もしてくれます。
併せてマットレスもレンタルをすることになる場合も多く、長く使っているとへたってきたり、状態の変化に合わせて除圧マットレスなどに変更してもらう事が出来ます。
車いす(約月300円〜1000円)
自走式や介助式と種類もあり、本人の状態の変化で変わるもので、必要な時に変更が可能で、消耗部品も多いが定期的に点検をしてくれて、必要があれば交換してもらえます。
スロープ(約300円〜1200円)
車いすで自宅から外出するときなどに使う板で、高さなどによってサイズが選べます。
住宅改修で設置することもできますが、固定しなくてはいけなくて、レンタルであれば使わない時には折りたたんでしまっておく事が出来ます。
その他手摺り類(約月200円〜600円)
設置から調整まですべて行ってくれて、合わなければ色々な商品を試す事が出来ます。
他の商品同様、必要が無くなれば返却することができます。
まとめ
レンタルは、すべての商品で言えますが、自分に合うものをいくつも試せて、状態によって変更することも出来、故障時は交換、必要が無くなれば返却と本人の状態に合わせて色んな形に合わせる事が出来ます。
月々の利用料も1割負担で利用でき、長く使っていると買うのに比べて損をしてしまうのでは?と思われる方もいつかもしれませんが、これまで上げたメリットを考えれば十分元は取れるはずです。
何か困った事があると、なんとなくすぐに買ってしまいがちですが、買うと高額になりますし、これまでにも故障などして自宅の納屋などに放置してあるベッドや車いすを何台も見てきました。
レンタルなら専門家に相談しながら、色んな支援を受ける事が出来ます。
知らないうちに損をしないために、介護保険を上手に使い、よく理解し必要な時には是非活用する様にしましょう。