大学院って、なんとなく難しそうなイメージがありますよね。 大学卒業時に授与される「学士」よりも上位の「修士」となるわけですから、そのように考えるのはもっともだと思います。 そんな大学院は入試も厳しそうですね。 Photo by Cole Keister on Unsplash via o-dan ところで、もし、大学院入試を受験することなく、修士課程の学生になれるとしたらどうでしょうか? そして、入学金含めて3万円台から大学院生活をスタートできるとしたら・・・ 「本当にそんな方法ってあるの?」って怪しまれそうです。 しかしながら、無試験で修士課程の学生になる方法は存在します。 私自身、今年(2020年)の4月に、大学院入試無しで修士課程の学生になれました。 この制度をもっと多くの人に知ってほしい気持ちもあって、今、コチラの記事を書いています。 最初に無試験で修士課程の学生になる方法の結論を述べてしまうと・・・放送大学大学院の「修士選科生」になることです。 ( もしくは、「修士単科生」でも、修士課程の学生になれます。 ) 入学者選考(書類選考のみ) 書類選考のみです。学力試験はありません。 引用元:大学院(文化科学研究科)修士課程入学から単位修得、修了までの流れ | 放送大学 「修士選科生」制度とは ここまで読んでくださった方は 「放送大学って、TVとかラジオで番組もってるとこだよね」 「そもそも修士選科生ってなに?」 そういった疑問が浮かびそうですね。 「修士選科生」について簡単にいってしまえば、「大学院のお試し入学」になるかと思います。 洋服をお店で買うとき、たいてい「試着」できますよね。それと似た感じでしょうか。 私の場合はサクッと30分ほどでインターネット出願して、その後も本当に簡易な手続きで大学院生活をスタートできました。 「お試し入学」ができる大学院は他にもある 放送大学以外にも、「大学院へのお試し入学」ができる大学はあります。 グロービス経営大学院、明治大学MBA、などです。 🔹MBA単科生制度の概要・学費|創造と変革のMBA グロービス経営大学院 「実際に授業を受けてから、大学院入学を判断したい」「いきなり2年間の本科に入学するのは不安。学びと仕事・プライベートを両立できるか確かめたい」のような思いにこたえる制度が「単科生制度」です。大学院本科入学前に1科目(3ヶ月)から先行して受講でき、本科入学…
看護師の学士・修士取得や教員免許更新講習のネット完結、他には各種サブスク(Adobe, Microsoft365・・etc)の学割利用で年間7万円節約など。コスパのいい大学として知られている放送大学。 今回、修士選科生というのをやってみて、私自身もコスパの良さを体感できました。 中でも「放送授業のインターネット配信」はオススメです。このサービスを無理やり一言で述べると「大学・大学院授業コンテンツのサブスクリプション」になるかと思います。 というのも、1科目(11,000円~)でも登録すれば、在学期間中の1年間は、理系文系の区別なくすべての「放送授業」をネット視聴できますから。そしてなぜか、大学と大学院の区別もなく、やはりすべての授業コンテンツを視聴できます。これは思いがけない掘り出し物でした。 この記事では、そんなコスパの良い「放送授業のインターネット配信」について有効活用する方法を3つ紹介します。 himawariinさん (Photo AC) 【放送大学のコスパがいい理由 ➀】 良質コンテンツの土台?「放送大学学園法」 放送大学は私立大学なんですが、国が放送大学の存在自体を推してそうな感じなんですよね。教育・放送分野の国策(or政策)の1つとして。その証拠として、放送大学学園法という法律の存在が挙げられます。法律で保護・規制されてるなんて、なんだか心強くないですか?まぁ長いものには巻かれろ的な考えですけど・・。 「法律もあるし、文部科学省の指導とか避けたいから、ちゃんとやらないとなー」といった感じで、けっこう規律ある運営がなされているのでは?と邪推します。(←上から目線ですね。アンタ何様よ?笑) 実際のところは、「コンテンツは作りっぱなしであとは放置」という運営方法でもなく、動画もテキストも4年に1回のペースで改訂されているようです。改訂のタイミングで新しい知識も取り入れているみたいです。 いいと思った理由の2つ目は「放送授業のインターネット配信」です。 【放送大学のコスパがいい理由② 】「放送授業インターネット配信」は3つの方法で有効活用できる 冒頭ですべての放送授業コンテンツにアクセスできるとお伝えしました。通常、上質な知識を得るためにはコストがかかります。なので、上述の 「放送授業のインターネット配信」…
(研究イメージ、カメラ兄さんさんによる写真ACからの写真) “大学院時代は、人生の中で最も、自身の好きな研究に没頭できる時期である”と、身近な先生方は語る。 しかし、大学院の進学における、最も大きな現実問題として“お金の問題”がある。 博士を取得するにあたり、原則最低でも5年間大学院に在籍することになるが、その間の学費や生活費をどのように工面するかが問題となる。 日本学術振興会が公募する特別研究員(通称:DC1,DC2)に採用されれば、問題はないが、分野によっては競争が激しく困難な道だ。 一方、日本学生支援機構の奨学金を借りる手段もあるが、修了後に借金という形で残ってしまう。そこで、今回は第3の選択肢として、各大学院が独自に用意している支援制度について紹介したい。 学費の免除制度について まず、大きな負担となるのが、学費の支払いである。 国立の大学院も大学と同じように、ほぼどの学校も一律であるため、学部による差はありません。入学金が28万2000円、標準授業料が年間53万5800円(学校によって多少の増減はあります)となり、博士前期課程2年間で約135万円となります。 大学院の学費はどれくらいかかる? (お金と電卓のイメージ背景、piyo_piyoさんによる写真ACからの写真) 博士後期課程まで、進学した場合、授業料がさらに3年分増えることになる。また、私立大学における学費は、一般に国立大学と比べ高額となる。 このような学費負担に対し、大学も様々な制度(給費奨学金:返済不要)を設けている。 優秀な若手研究者を養成することを目的として、大学院博士後期課程若手研究者養成奨学金を2009年度より設置しました。 早稲田大学 大学院生を対象に、大学基金を活用した給付型の独自奨学金制度です(平成29年度創設)。 電気通信大学 ここでは挙げきれないほどに、多くの大学で大学院生向けの奨学金制度を設けている。まずは、所属する大学の事務室に聞いてみるのが良いと思われる。 標準卒業年限以降の学費減免について 多くの奨学金は”標準卒業年限(博士後期課程なら3年)”を想定したものである。しかし、博士後期課程は3年で修了するとは限らず、最大6年要することもある。 私立の大学院によっては、原級時の学費を5分の1とする大学院もあり、実験実習費を合わせても、年間20万円程度で済むような制度があるところもある。詳しくは、大…
私は生来の怠け癖があり、勉強もろくにせずに、小学校からすごしていました。高校は地元公立の進学校でしたが、大学入試の勉強もする気なし。大学に行くこと自体、家族には期待されていませんでした。そんな私でも博士号をとりました。日本ではなくアメリカで採りました。ここでは、なぜそんなことができたかを記述したいと思います。理由として、 ともあれ、実際の成功体験を伝えたい 博士号課程の人、そこに進みたい人を応援したい 少しでも教育や留学のヒントになれば と思っています。 なぜ・どうしてを言える 勉強嫌いでも博士号をとるには、まず第一に、博士号をとる理由が自分で明確にあることです。 博士課程のメインは研究です。博士課程を通して、研究技術を高めることが、どう自分と社会の役に立つのか。そして、博士課程での経験をこの先自分がどのように応用できるのか、または応用したいのかをはっきりさせることです。メインが基礎研究だっととしてもです。 もちろん、博士課程に入る前提としてこのことが分かっていなければなりませんが、課程中にもこれらを明確に自覚しておくことです。もしかしたら、課程中に理由が変わってくる事があるかもしれないし、またもとに戻ることもあります。なんにせよ、自分自身で明確な目的があると、勉強がし易くなります。 もし博士号をとる理由や、博士課程での経験をどのように応用していくかの構想があいまいな時には、一度社会に出てみるのも手です。休学してみてもいいのです。期間はその人次第ですが、一、二年で見えてくるものがあるかもしれません。私は実践感覚を得るために、一年ぐらい興味のあった分野で仕事をしてから院に入りました。何年か仕事を経験してから院に入ってきたクラスメイトと私と、直接大学から院に入ってきたクラスメイトとでは、もちろん年の差もありましたが、それ以上に経験と知識、認識の差がありました。 好きこそ物の上手なれ そして、特に、勉強嫌いにとって目的よりも大切なのは、自分から好きといえる事、トキメキや興奮を感じる事を博士課程と繋げていくことです。私は自分が興味があり得意だと感じることを伸ばそう、生かそうと考えました。そのことだったら勉強も研究もそこまでおろそかにすることはありません。クラスメイトの中には、そのトキメキが違うということに気づき、別の博士課程に変えた人もいます。指導担当教員を超えて別の教員からの指導を受け…
大学院へ進学することを考えている皆さんにとって、“修了後の進路”について、どのような進路があるのか、気になるのではないかと思う。 今回は、著者が所属している、農学研究科、特に農学専攻における例をもとに、学部卒で就職した場合との違いを主に紹介していく。 (桜と就活生、acworksさんによる写真ACからの写真) 農学研究科博士前期課程(修士課程)修了生の進路先 まず、博士前期課程修了生の進路先について紹介していく。 知っている人も多いと思うが、博士前期課程とは、一般に、4年生大学(学部)を卒業後に進学でき、標準卒業年限は2年となっていて、修了後は”修士(○○学)”を取得できる。 著者の身近な修了生における進路先は 都道府県の地方公務員(農業職) 肥料・農薬メーカー 種苗メーカー 食品メーカー が主な進路先であり、おおむね8割方の修了生がこのような分野の企業に就職する。一方、農学とは関係ない分野に就職する例もある。 農学部卒との違いは? 実は、先ほど挙げたような、メーカー等は、農学部卒の学生の進路先としても人気である。 しかし大きな違いは、 農業や食にかかわる分野を進路とする人の割合が多いこと 同じ企業に就職しても、研究開発分野に配属される場合が多いこと である。 (稲穂、Fururunさんによる写真ACからの写真) まず、学部卒の場合、農業や食にかかわる分野を進路とする人の割合は、半数以下である。一方、修士修了生は8割方と、大きく異なる。 これは、大学院進学により、就職可能な分野が狭くなるという考えもあるが、実際には、大学院に2年間在籍した中で、学部生に比べ、自身の進路をしっかり見定める時間があるためではないか?と考えている。 もう一点、学部卒と修士修了生の間には大きな違いがある。 同じ企業でも、学部生と修士修了生の配属先が異なる場合があることだ。同じ種苗メーカーに就職していても、学部卒の学生は営業に、修士修了生は、研究開発の分野に配属されやすいように感じる。 また、地方公務員にあたる都道府県の農業職として入庁した場合、学部卒の学生は、基本的に普及員として、修士修了生は、各都道府県に設置されている研究機関に配属されやすい都道府県もあるようだ。 しかし、企業や都道府県により、学部卒と修士修了生の扱いの違いについては異なるため、就職前に確認しておく必要があるだろう。 農学研究科博士後期課程修了生の進路先…