日本では学生でも一人暮らしと言えば、お風呂、キッチンすべて自分の部屋にあるのが一般的ですよね。スペインでは、「ピソ」と呼ばれるシェアハウスが一般的です。学生に限らず、幅広い年齢層の人が利用するこのピソ。留学などの長期渡航予定の人にとってはどんな生活が待っているのか、不安ですよね。
そんな方のために、この記事では実際にスペインの「ピソ」に住んでいる私が、リアルな生活の様子についてご紹介したいと思います!
スペインのシェアハウス事情:ピソの探し方
スペインで生活を始めるのにもっとも重要ともいえるピソ探し。
まずはピソの相場について簡単にご説明すると、住む街や地域によって相場は異なりますが、私の住む第三の都市バレンシアであれば200~400€程度のシェアハウスに住んでいる人がほとんどです。バルセロナやマドリードはこれより高くなる可能性が高く、反対にもう少し田舎の街であればこれより安いところも見つかると思います。現に私が今住んでいるシェアハウスは、水道、ガス、電気、インターネット込みで300€(36,000円程度)です。日本よりもかなり家賃が済むのが嬉しいですね。
日本であれば、家を探すときは近くの不動産屋さんに行き、紹介された物件数件の内覧を行い、契約という流れになりますよね。スペインでも不動産屋さんはありますが、大家さんと個人的に契約を結ぶ場合もあります。スペインで家を探す場合、主に下記のような方法があります。
① 不動産屋さんで紹介してもらう
不動産屋さんで紹介してもらう場合は、自分の探している家の条件(価格、エリア、広さ、同居人の数など)を伝え、それに合った物件を紹介してもらい、見学、契約を行います。私はこの方法で家を契約しました。ただし、信用できる不動産屋さんを見つけるのは難しいので、友達やすでに生活に慣れている人に不動産屋さんを紹介してもらうのが無難と言えます。
② 家探しのサイトを利用する
スペインでは、家を探している人と、入居者を探している人の仲介サイトが存在します。大手仲介サイトはイデアリスタ(idealista)と言い、家の細かい条件やエリアで細かい絞り込みが可能です。ただし、空きになっている物件でも実はもう入居者が決まっていたり、メールを送っても返事が返ってこなかったりする可能性があるので、サイトで探す場合はターゲットを一件に絞らず、いくつかの候補にアプローチするのがコツです。
③ ルームメイトを探している人を見つける
実際これが一番スペインで一般的な家探しの方法だと思います。例えば、スペインのピソでは電気、光熱費、水道代を同居人で折半していることもあるので、入居者を探している、という人が多くいます。また、自分は他のピソに引っ越すから入れ替わりでその部屋を利用してはどうか?と提案されることもあります。とにかく大切なのは、自分が家を探していることを周りにアピールすることです。すると、自然と空きのあるピソの情報が入ってくるようになります。
スペインのシェアハウス事情:ピソの同居人
典型的なピソの構造としては、3~10人のプライベートルームに、共用キッチン、共用バス・トイレ(一般的に二つ以上あることが多い)となっています。学生街にピソを借りると、同居人はスペイン人だけでなく、いろんな国から来た人々になる場合が多いです。私は今までにイタリア人、ロシア人、中国人、スペイン人、アイスランド人、アルゼンチン人などと同居をしたことがあります。一緒に住んでいると、文化の違いを直接感じることができたり、一緒に料理をしたり、でかけたり、様々交流が生まれるのもピソ生活の醍醐味です。
反対に、どんなに素敵なピソでも、同居人との相性が悪いと生活にストレスがたまります。自分が住んでいるピソの後から入ってくる人を選ぶことはできませんが、自分が住む場所を探す際は、家の内装だけでなくキッチン、トイレの衛生状態などを確認したり、同居人の雰囲気を確認したりするのも大切です。
スペインのシェアハウス事情:ピソの住み心地
一人暮らしが一般的な日本人にとって、異国の地でいきなりシェアハウスが心配・・・と思われる方も多いと思います。慣れるまでは、ピソ内のルールなどがわからなかったり、思った通りにお風呂やトイレに入れなかったり、ストレスに感じることもあるかもしれません。
とはいえ、ピソではプライベートの個室が一人一つあるため、プライベート空間は確保されています。バス・トイレについては衛生状態も大切ですが、だいたい一つのバス・トイレに2~3人以下の利用人数になるようなピソを選ぶのがおすすめです。(私は4人用ピソにバス・トイレ2つの物件に住んでいます)
また、スペインの多くの物件にはエアコンがついていません。日本と異なり、夏でも日陰や夜は涼しいですが、アンダルシアなどでは夏に40度近くなることもあるので、暑がりの方はエアコン付きの物件を探すことがおすすめです。
加えて、ピソによって電気、水道、ガス、インターネットなどの支払い条件が異なる点も注意が必要です。日本人は洗濯する回数が多く、シャワーも長いと言われることが多いので、水道代を折半しているとトラブルになることもあります。家賃にあらかじめ支払いが含まれている物件に入れば、それらの心配がなくなるのでおすすめです。物件探しの際に、条件の一つとして伝えてみましょう。
いかがでしたか?
今回はスペインのピソについてご紹介しました。留学、ワーホリなど、海外生活に慣れるまでは不安なことも多いと思いますが、これらの注意点に気をつけて、自分に合ったピソを見つけてください!