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クラシック音楽

「音楽家」は、今どこにいるのか?

 
音楽家という生き物は、一体、どこにいるのだろうか。    あなたが「音楽家」と聞いて思いつくのは、どんな人々だろうか。ピアノであったりヴァイオリンであったり、なんらかの楽器を演奏する人だろうか。あるいは指揮者であったり、作曲家であったりするかもしれない。    では、エレキギターや、ドラムをぶっ叩く大家はどうだろう。筆者などは、彼らには「音楽家」より「ミュージシャン」「アーティスト」のような横文字が合う気がしている。    要するに人それぞれである。なので、今回はまことに勝手ながら、筆者の独断で「音楽家」という言葉を使う。すなわち、ここで言う音楽家とは「ピアノであったりヴァイオリンであったり、なんらかのクラシック楽器を演奏する人、あるいは指揮者・作曲家」である。    クラシック、というのが重要だ。なにせ、筆者はクラシック畑の出身で、一言に「音楽界」と言ってもクラシックのそれしか知らないのだ。      少しばかり前置きが長くなってしまったが、ここで、最初の問いに戻りたい。    音楽家という生き物について、よく、こんなことを言われる。  「音楽家って自由そうだね」「みんな個性的なんだろうね」  なるほど、それが世間一般の音楽家、あるいは芸術家に対するイメージだろう。実際、筆者も、自分が音楽家なるものを目指すまでそう思っていた。  なにせ、音楽家と呼ばれる人たちは、読んで字のごとく音楽をやるのである。みんな、それぞれに価値観があり、より良い音楽を作るため、ゲージュツに邁進する人たちなんだろう、と。    そして、大人になった今──晴れて音楽家として仕事をするようになった今、思う。それらのイメージは決して、嘘ではなかった。みんな、それぞれの価値観があり、より良い音楽を作るため、ゲージュツに邁進していた。  ただ、「音楽家」として仕事をするためには、その個性を押し殺し、「空気を読む」ことが、どうしても必要だった。    今この社会で、生き物としての音楽家は、あまりにもいびつでグロテスクな様をなしている。      芸術家に、胃痛はつきものかもしれない。でもそれは、芸術そのものによる胃痛ではない。大概が、そういう「空気」によるものだ。つまり──人間関係。    考えてもみれば、誰にだってわかることである。  音楽家といえど人間である。そして、人間であるからには働かなくてはいけない。食っていかなくてはならない。  そのためには、まず、仕事場の空気を悪くしてはいけない。次にまた、同じ現…
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2018/07/13

「癒し」だけじゃない、カッコいいクラシック音楽の世界

by あたかようこ

  「クラシック音楽は癒しだ」という人が、世の中にはたくさんいます。実際にクラシックコンサートやCDのキャッチコピーを見てみると、「癒し」「華麗な」といった言葉を使用していることも多いでしょう。    ですが、本当に「クラシック音楽は癒し」なのでしょうか? 実は、一口にクラシック音楽といっても様々な種類の音楽があり、中には、まるで現代の映画音楽やジャズ、ロックのような作品もあるのです。今回はその大まかなジャンルを紹介します。      ・古典派音楽  まず、いわゆる「癒し」の音楽として上がりやすいのが、この古典派の音楽です。時代は、17世紀中頃から19世紀頃。厳密には「前古典派」と呼ばれる時代もありますがここでは割愛します。  この時代の音楽に当たるのは、おなじみのモーツァルト、ベートーヴェンといった作曲家たち。一言でいうなら「音楽/音が大事」という人たちで、個人的な感情やストーリーを表に出すことはあまりありませんでした。彼らの音楽は確かに、クラシック音楽の大きな基準の1つとなり、のちの作曲家や演奏家たちに多大な影響を与えます。      ・ロマン派の音楽  さて、古典派の音楽からさらに時代は下り、人々はもっと「個人的な」音楽を求めるようになります。怒ったから怒りの、喜ぶから喜びの音楽を。  現代に生きる我々とって、音楽といえばまさに個人によりそうもの。自分の心に直接重なり合うから、歌詞に共感したり、曲の盛り上がりに感動する。ロマン派になってくると、そういう今時の感覚に近くなってきて、メロディも歌いやすくなってきます。ですが、まだまだ、この辺りの音楽は「癒し」「優雅」なイメージが強いです。      ・印象派、そしてワーグナーの音楽  そろそろ雲行きが怪しくなってくるのが、この時代の音楽です。19世紀後半~20世紀頭にかけて、これまでの「優雅」さはどんどん薄れて行き、不思議な響き、不穏なメロディが現れてきます。  なぜ、これまでの音楽は優雅だったのかというと、一つには「調性」というものがあります。ややこしい話になってしまうので簡単に済ませますが、要するに「綺麗な音の響きに収まっているかどうか」ということが、これまでの音楽では重視されていました。もし、その綺麗なハーモニーから外れても、必ず、元いた輪に帰ってくる。それが、我々がクラシック音楽を聴いて「癒し」「優雅」に感じる理由なのです。    ところが、この時代になってくると、「もう帰ってこなくて…
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2018/08/02

ヴァイオリンとどう違う?ヴィオラの選び方

by あたかようこ

ヴィオラは、人によって、とりわけ音色や役割などのイメージが異なる楽器。ある意味、明確な基準が存在しない弦楽器ともいえるでしょう。  今回は、そのヴィオラを購入する際の選び方を、紹介していきます。    ヴィオラの選び方を考える前に ── ヴィオラはどんな楽器? ヴァイオリンからヴィオラに乗り換える、そんな人も多いでしょう。そのため、「ヴィオラの選び方」というとピンとこないかもしれません。「ヴァイオリンの選び方と何が違うの?」という人もいるでしょう。   実は、ヴィオラにはヴィオラならではの選び方、そして、楽器の個性があります。まずは、ヴィオラが作曲家や演奏家たちからどんな評価・扱いをされてきたか、ざっと流れを辿ってみましょう。    「ヴィオラは大きなヴァイオリンではない」    「ヴィオラは大きなヴァイオリンではない」  そう主張したのは、20世紀を代表するヴィオリスト、ウィリアム・プリムローズでした。同じく20世紀を代表するヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインとの共著『ヴァイオリンを語る』(シンフォニア出版)で、プリムローズは「ヴィオラは17世紀にはそれ以降よりもずっと高い地位を保っていた」という旨を、テレマンのヴィオラ・コンチェルトの編集序文から紹介しています。  また、その17世紀から少し下った18世紀中頃には、あの、西洋史に残る大天才・W.A.モーツァルトがいます。今更何を言うまでもない著名な作曲家である彼も、自ら室内楽を演奏するとなると、好んでヴィオラを演奏していました。モーツァルトや、その少し年上になるヨーゼフ・ハイドンの弦楽四重奏曲は、ヴィオラが重要な働きを持つようになった初めての楽曲群とも言えます。  そうして時代が下り、現代に近づけば近づくほど、ヴィオラの重要性は認識され、レパートリーもどんどん増えていきました。ブラームスのヴィオラ・ソナタ、ドヴォルザークの三重奏曲、そして20世紀ドイツに現れる、パウル・ヒンデミット。  作曲だけでなくヴィオラ演奏なども行なったヒンデミット。彼の無伴奏ヴィオラのためのソナタや、ヴィオラ協奏曲「白鳥を焼く男」といった楽曲は、今や、ヴィオラ弾きには欠かせないレパートリーになっています。ヒンデミットの作品を聴くと、ヴィオラへのイメージがかなり変化すると思いますよ。      オーケストラや室内楽。アンサンブルにおける様々な局面で、重要な働きを持つヴィオラ。そして、アンサンブ…
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2018/12/11

ヴァイオリンやヴィオラの試奏(試し弾き)で気をつけておきたい3つのポイント

 
    これまでの記事で、ヴァイオリンとヴィオラ、いずれの楽器も選ぶ際には試奏(=実際に楽器を試し弾きすること)をおすすめしてきました。    今回は、実際にヴァイオリンとヴィオラを試奏する際に心がけたい、3つのポイントをみて行きましょう。    サイズ、値段……バイオリンの選び方で誰もが悩む4つの疑問  ヴァイオリンとどう違う?ヴィオラの選び方      ヴァイオリン・ヴィオラの試奏で注意したいポイント① 楽器のサイズ感      ヴァイオリンやヴィオラを試奏するとき、当然ですが、まずは鎖骨〜肩のあたりに楽器をのせ、さらにその上に顎をのせ、左腕を伸ばしてネックを支えます。    このときすでに、かなりのサイズ感の違いが現れるはずです。特にヴィオラの場合、その差は見過ごせません。       顎や首が押し上げられるような感覚になる 左腕をかなり無理して伸ばしてしまう・逆に余ってしまう 手のひらに対してネックが太すぎる そもそも楽器が重すぎる   などなど、人によっては様々な不快感も。もちろん、新しい楽器であれば当然、多かれ少なかれ違和感が現れますが、あまりにも身体に負担がかかる楽器は避けたほうが吉です。(ただし、多少の無理は肩当てを調整することで解決できることもあります)    どんなに良い音がする楽器だったとしても、あなたの身体そのものも楽器の一部だと思って、公平に考えてあげましょう。        ヴァイオリン・ヴィオラの試奏で注意したいポイント② 楽器の響き     楽器のサイズ感がしっくり来たら、次は、左手で弦を押さえずに、開放弦を思い切り鳴らしてみましょう。 それぞれの弦を一本ずつ鳴らしたり、同時に複数の弦を鳴らしてみたり、その楽器の基本の響きを覚えるのがポイント。そして、自分の耳だけでなく、だれかに聴いてもらうことも忘れずに。楽器によって、音の違いは本当に様々です。       音色の明るさ/暗さ どの弦が一番よく鳴るか 近く/遠くで鳴る   人によって高弦を重視する人、低弦を重視する人、また、「この弦にはこう鳴ってほしい」などのイメージもあるかと思います。それらの違いを一つ一つ、丁寧に耳で聴きながら弾きましょう。    近くでは音圧が強すぎるように感じても、少し離れた場所で聴いた人には心地よく聞こえていることも。先生や工房の店員さん、必ず自分以外のだれかに聴いてもらいながら試奏しましょう。        ヴァイオリン・ヴィオラの試奏で注意したいポイント③ 楽器の響き      また、楽器によって音程感も様々で…
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2018/12/27

レオポルト・モーツァルトのヴァイオリン奏法 モーツァルトのあの軽やかで、自然な音楽を作るにはどうすればいいのだろう?

 
    ヴァイオリンを勉強している人の中には、「レオポルト・モーツァルトのヴァイオリン奏法」という教本を聞いた・オススメされたことのある人も、多いのではないでしょうか。人によっては、「一度は読んでおいた方がいいよ」と言われたこともあるかもしれません。  レオポルトの「ヴァイオリン奏法」とは、一体なんなのか?なぜ、「読んでおいた方がいい」のか?  私が実際にこの教本を読んでみて、思うところを書いていきます。  ※私が所持している「ヴァイオリン奏法」は、塚原哲夫氏による旧訳版・『バイオリン奏法』であることを最初にお断りしておきます。塚原哲夫氏による和訳は1974年12月10日初版。その後、2017年5月12日、上の画像にある久保田慶一氏による新訳が発行されています。           レオポルト・モーツァルトってどんな人?   まず、ヨハン・ゲオルグ・レオポルト・モーツァルト(1719-1787)がどんな人か、とても簡単にですがおさらいしておきましょう。   アマデウス・モーツァルト(1756-77)の父。幼い息子の天部の才能を見抜き、欧州各地に音楽旅行、もとい売り出した、現代でいうプロデューサー的な一面が取りざたされることも多いレオポルト。ですが彼自身、ザルツブルグの宮廷楽団のヴァイオリン奏者、そして楽長も務めるなど、立派な宮廷音楽家であり、理論家であり、教師でした。        レオポルト・モーツァルト「ヴァイオリン奏法」について  続いて、「ヴァイオリン奏法」についてみていきます。  1756年、ドイツにて初版。フランソワ・クープランによる「クラヴサン奏法」、ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツによる「フルート奏法」と並んで、三大教本というような呼び方もされています。      レオポルト・モーツァルト「ヴァイオリン奏法」概要  では、気になるヴァイオリン奏法の中身ですが、章見出しを覗いてみるだけで興味を惹かれると思います。   はしがき ヴァイオリン奏法への序 ※第1章 第2章 バイオリンの持ち方と弓の扱い方 第3章 生徒は弾き始める前に何を守らねばならないか。言葉を変えて言うと、一番初めに生徒に何を示さなければならないか 第4章 上げ弓と下げ弓の理法について 第5章 弓を巧みにコントロールし、いかに美しい音色をバイオリンから引き出すか。正しい様式の中で生み出すか 第6章 3連符と呼ばれるものについて 第7章 種々のボウイングについて 第8章 ポジション…
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2019/08/10

ともかくかっこいい!ピアノのために書かれたクラシックの中から厳選、4つのピアノ名曲を動画付きで紹介。

 
     以前、ヴァイオリンの名曲をご紹介しましたが、今回はクラシックのピアノのかっこいい名曲を紹介していきます。  クラシックでピアノの名曲といえば、優雅で華麗……なイメージの人も多いかと思われますが、ここではあえて「かっこいい」ものに絞って紹介していきます。      かっこいいピアノ曲・1 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第6番 イ長調 Op.82       セルゲイ・セルゲイエヴィチ・プロコフィエフ(1891-1953)は、ロシアに生まれ、ソビエト連邦体制のもと活躍した作曲家です。革命前のロシアで生まれた彼は、若くしてフランスやアメリカ、日本を旅して帰国しますが、ロシアはすでにスターリンの独裁体制の只中。さらに第二次世界大戦が始まり、ソ連は文字通り桁違いの犠牲者を出すのですが、プロコフィエフはそんな激動の時代を生き抜いた作曲家でもあります。        ところで、ロシア音楽といえば、チャイコフスキー(1840-1893)の『くるみ割り人形』をご存知ではありませんか?      この優雅なバレエ音楽が旧ロシア帝国で初演された翌年、プロコフィエフは生まれました。そこからおよそ半世紀の間……ロシアは国内でいくつもの革命を経て、共産党体制へ。多くの血を流しながら、第二次世界大戦の戦禍に自ら足を踏み入れます。こういった時代の激変が、まさに音楽にも表れています。  プロコフィエフが戦時中に書いた6~9番目のピアノソナタ、これら3つのソナタは、のちに「戦争ソナタ」と呼ばれました。その前衛的で金属的な響きは、今聴いても耳に新しいかっこよさ、そして、複雑さです。同じくロシア出身、やや下の世代にドミトリ・ドミトリエヴィチ・ショスタコーヴィチという作曲家がいますが、彼の作品もオススメです。    かっこいいピアノ曲・2 カプースチン:8つの演奏会用練習曲 Op.40    同じく旧ソビエト、そしてロシアで活躍する作曲家、ニコライ・カプースチン(1937-)の「ピアノのためのエチュード」。聴いてみるとお分かりの通り……すごく、ジャズっぽい。  それもそのはず、カプースチンはジャズの作風を取り入れた作曲家で、彼自身もまた優れたピアニスト。演奏者にとってもその難易度は屈指のレベル。ともかく、音が多いし音が飛ぶしリズムは複雑だし……  ちなみに、カプースチンは存命中の作曲家。一言に「クラシック」と言っても、今なおいきている作曲家の作品も含まれているのです。    …
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2019/08/30

ヴァイオリン初心者向け。弾けたらかっこいいオススメ楽曲を動画付きで紹介!

 
  ヴァイオリン初心者にオススメな、クラシック曲をご紹介します。ヴァイオリンを始めてみたはいいものの、何の曲を目標にしよう……と迷っている人は、参考にしてみてください。     かっこいいヴァイオリン楽曲① J.S.バッハ=シャルル・グノー「アヴェ・マリア」  Anne Akiko Meyers Plays Bach's 'Ave Maria' on the ex-Napoleon/Molitor Stradivari Violin  まずは超有名曲から。J.S.バッハが書いたプレリュードの和音に、シャルル・グノー(1818-1893)が旋律をつけた歌曲、『アヴェ・マリア』。これがヴァイオリンやチェロによって演奏されるようになり、今ではすっかり人気レパートリーの一つになりました。        シンプルな旋律とハーモニーが大変美しく、いわゆる「癒し」の音楽として捉われがちの作品ですが、一方で激しい転調(調性が変わること)も。実際に弾いてみることでかっこよさがわかる、スルメのような名曲です。   ちなみに、グノーは様々な歌曲やオペラを残しています。そのうち、『ファウスト』はポーランドの鬼才ヴァイオリニストにして作曲家、ヴィエニャフスキ(1835-1880)によってヴァイオリン曲に編曲されています。こちらはとんでもない超絶技巧曲なので初心者さんにはだいぶ厳しいかもしれませんが、やはりカッコいいので一聴をおすすめします。    Ji Young Lim | Wieniawski | Faust Fantasy | 2015 Queen Elisabeth Violin Comp    かっこいいヴァイオリン楽曲②アントニオ・ヴィヴァルディ「ヴァイオリン協奏曲 イ短調 RV356」   Four Seasons ~ Vivaldi    アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)といえば、弦楽合奏曲の『四季』を知っている人もいるかもしれません。   この四季は、正式には『和声と創意の試み』というヴァイオリン協奏曲集の一部です。……タイトルがややこしいですが、簡単にいえば、ヴィヴァルディが様々な作曲技法を弦楽器合奏において試みた作品集、ということだと思ってください。  さて、これらの曲集ももちろんかっこいいのですが、筆者が個人的に初心者へおすすめしたいのが、『和声と創意』に含まれていない、この『ヴァイオリン協奏曲 イ短調 RV356』です。    …
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2019/10/08

初心者が弾きやすくて、カッコよくキメられるピアノ曲を動画付きで紹介

 
大人になってから、「ピアノを始めたい」「格好良い曲を弾いてみたい」そう思った事はありませんか。  しかし、幼い頃にピアノの経験が無い為、始める事に抵抗を持つ人も多いのが現実です。  でも大丈夫。ピアノ経験歴25年以上の筆者が、全くの初心者の方でも弾きやすい曲、かつ、格好良い曲をご紹介します。   有名な曲ばかり選びましたので、一度は耳にした事がある曲も出て来ると思います。一緒にご紹介するyoutubeも参考にしながら、ぜひ楽しみながら選曲してみて下さいね。          【メヌエット ト長調】作曲者:バッハ      一度は聴いた事がある方も多いのではないでしょうか。とてもシンプルな旋律でありながら、なめらかな音色と、時折現れる可愛らしいトリル(速く弾く装飾音符の事)が特徴的な曲です。指が大きく移動する事が無く、ほとんど和音を使用していない為、超初心者の方におすすめです。  この曲は幼稚園の年長さん~小学生の子供達がよく演奏しており、一見、子供向けの様に感じるかもしれません。  しかし大人になってから改めて練習する方もいます。理由は、メヌエットにはピアノの基礎が詰まっているからです。まずは、基礎練習も兼ねてこちらの曲を練習してみて下さい。    【エリーゼのために】作曲者:ベートーヴェン      誰もが知っているエリーゼのために。こんなに有名な曲が弾けるようになったら嬉しいですよね。先程のメヌエットと比較すると、難易度は上がります。  こちらの曲は、まずはペダルを使わずに練習しましょう。どうしても最初からペダルを使いたくなるものですが、ペダルはあくまでも補助的な役割です。指が慣れていない段階でペダルを使用し続けると、「ピアノの音を綺麗に鳴らす」という基礎が定着しません。まずは指が安定するまで徹底的に引き込んで下さい。  中盤部分では、テンポが少し速くなります。最初から速く弾く練習はやめましょう。ゆっくりゆっくり何度も弾いて、指が覚えて来たら、少しずつスピードを上げていきましょう。  一通り弾けるようになったら、ここで初めてペダルを踏んでみて下さい。ペダルを上手く利用して、美しく格好良い音色が出せるようになったら完成です。    【ピアノソナタ8番「悲愴」第二楽章】作曲者:ベートーヴェン      CMなどでよく耳にする曲ですよね。悲愴は、全体的にテンポがゆっくりな為、速く弾けるようになる練習をする必要がないので、弾きやすい曲です。しかし中盤辺りに和音が出てきます…
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2020/04/13

ショパンのバラード全曲とそれにまつわる恋物語

 
      多くのピアノファンやピアニストが虜になっている、作曲家ショパン。  ピアノの詩人と呼ばれていた彼は、一体どのような人生を歩んできたのでしょうか。  彼の作曲人生は、波瀾万丈に満ちていました。その中でも彼自身が経験した恋の存在は、作曲において大きく影響したと言われています。  今回はショパンの恋物語と共に、彼の代表作とも言えるバラード第一番~第四番を解説していきます。        【ショパンの人物像】  1810年にポーランドで誕生したフレデリック・ショパンは、ロマン派音楽を代表するピアニストで作曲家です。作曲のほとんどを、他の楽器ではなく、ピアノの為だけに時間を費やした為、「ピアノの詩人」と呼ばれています。  美しい旋律は今でも多くのクラシック音楽ファンを魅了しているだけでなく、テレビや喫茶店のBGM等あらゆる所で使用され、一度は耳にした事があるでしょう。そんなショパンの作曲は、ポーランドの詩人ミツキェヴィチからインスピレーションを受けていると言われています。  ドイツやオーストリアでの経験を経て、20歳でフランスへ渡ります。そのフランスで、作家であるジョルジュ・サンドと出会い、恋に落ちます。   ジョルジュ・サンドは冒険に満ちあふれた女性で、かつ、三角関係を経験するなどの危険にも満ちあふれた女性でした。彼女は、ショパンの作曲の為に良い環境を作るなど、母親のような役目を担うこともありました。彼女とは最終的には別れてしまいますが、その間に「バラード第二番」「雨だれ」などの代表作が誕生しています。  そしてショパンは、二度と故郷ワルシャワへ帰ることなく、39歳という若さで亡くなります。          【バラード第一番】      バラード4曲の中で最も人気ですが、フィギアスケートの羽生結弦選手がフリーの演技で使用したことで、さらに有名になったのではないでしょうか。  敵国の司令官となりながらも、祖国の為に戦った青年に、ショパンが共鳴して生まれたと言われています。    【バラード第二番】      「純潔」についての悲劇的なストーリーであるこちらの曲は、悲しみの中で生まれました。ショパンはサンドと恋に落ちる前、マリア・ヴォジンスカという女性と婚約していました。しかし破談してしまったのです。理由は諸説ありますが、彼が革新的活動家とマークされていたからでしょう。  彼はマリアとの手紙を「わが哀しみ」として、大事に持ち続けていたようです。その手紙は決して公にする事はありません…
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2020/04/14

レストランのBGMに流せるような癒やし系のピアノ曲

 
一度は経験してみたい、お洒落なレストランで優雅に食事。そんな時、さらにムードを盛り上げてくれるのが、ピアノの生演奏やBGM。  普段はBGMとして流れている為、あまり曲に耳を傾けた事が無い方が多いかもしれません。BGMは、食事や会話の妨げにならないように、あえて静かでゆったりした曲を流しているお店がほとんどです。しかし、よく聴いてみると、どこかで聴いたことがあるような曲だったりします。  ちなみに筆者はクラシック音楽マニアな為、食事中に曲が流れると、会話よりも曲に集中してしまいます。実は、よく耳を傾けてみると、どのレストランでも、結構な頻度で使用されている有名曲がたくさんあります。  今回はそんなBGM曲の中でも、落ち着いた癒やし系の曲を選びました。ぜひお気に入りの曲を見つけて、youtubeなどを利用し、お家時間のエッセンスに加えてみて下さい。BGMを流すだけで、いつもと違った日常を味わえるはずです。        【アラベスク第一番】作曲者:ドビュッシー     滑らかなメロディーが次々と登場します。レストランのBGMの定番曲。終始、落ち着いたメロディーの為、全く会話の妨げにならず、心地良く耳に届く曲ですよ。      【主よ、人の望みの喜びよ】作曲者:バッハ    筆者はこの曲を聴くと、まるでヨーロッパの教会の中に居る気分を味わえ、心が洗礼されます。 ドイツの作曲家バッハが、教会カンタータ『心と口と行いと生活で』の終曲として作曲しました。オルガンや、他の楽器でもよく演奏されますが、やはりこの様な優しい音色が出せるのはピアノだからではないでしょうか。      【ピアノ協奏曲第1番 第2楽章】作曲者:ショパン    ピアノ協奏曲第一番は、オーケストラとピアノで演奏される、とても華やかな曲です。のだめカンタービレの映画で、のだめが紫色のドレスを着て、コンサートホールで演奏していた事でも有名になりました。こちらの第二楽章のピアノの旋律は、涙が出るほど本当に美しい。ぜひ、騙されたと思って、一度聴いて欲しいです。      【アイネ・クライネ・ナハトムジーク 第2楽章】作曲者:モーツァルト        「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」噛みそうな曲名ですが、第一楽章がとても有名です。今回ご紹介する第二楽章は、可愛らしい雰囲気の中にも、優雅な旋律を持つのが魅力的。 ドイツ語で、「小さな夜の曲」という意味です。    どの曲も、言葉だけで説明するのは勿体無いぐらい、素敵です。ぜひ…
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2020/04/24
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