大人になってから、「ピアノを始めたい」「格好良い曲を弾いてみたい」そう思った事はありませんか。
しかし、幼い頃にピアノの経験が無い為、始める事に抵抗を持つ人も多いのが現実です。
でも大丈夫。ピアノ経験歴25年以上の筆者が、全くの初心者の方でも弾きやすい曲、かつ、格好良い曲をご紹介します。
有名な曲ばかり選びましたので、一度は耳にした事がある曲も出て来ると思います。一緒にご紹介するyoutubeも参考にしながら、ぜひ楽しみながら選曲してみて下さいね。
【メヌエット ト長調】作曲者:バッハ
一度は聴いた事がある方も多いのではないでしょうか。とてもシンプルな旋律でありながら、なめらかな音色と、時折現れる可愛らしいトリル(速く弾く装飾音符の事)が特徴的な曲です。指が大きく移動する事が無く、ほとんど和音を使用していない為、超初心者の方におすすめです。
この曲は幼稚園の年長さん~小学生の子供達がよく演奏しており、一見、子供向けの様に感じるかもしれません。
しかし大人になってから改めて練習する方もいます。理由は、メヌエットにはピアノの基礎が詰まっているからです。まずは、基礎練習も兼ねてこちらの曲を練習してみて下さい。
【エリーゼのために】作曲者:ベートーヴェン
誰もが知っているエリーゼのために。こんなに有名な曲が弾けるようになったら嬉しいですよね。先程のメヌエットと比較すると、難易度は上がります。
こちらの曲は、まずはペダルを使わずに練習しましょう。どうしても最初からペダルを使いたくなるものですが、ペダルはあくまでも補助的な役割です。指が慣れていない段階でペダルを使用し続けると、「ピアノの音を綺麗に鳴らす」という基礎が定着しません。まずは指が安定するまで徹底的に引き込んで下さい。
中盤部分では、テンポが少し速くなります。最初から速く弾く練習はやめましょう。ゆっくりゆっくり何度も弾いて、指が覚えて来たら、少しずつスピードを上げていきましょう。
一通り弾けるようになったら、ここで初めてペダルを踏んでみて下さい。ペダルを上手く利用して、美しく格好良い音色が出せるようになったら完成です。
【ピアノソナタ8番「悲愴」第二楽章】作曲者:ベートーヴェン
CMなどでよく耳にする曲ですよね。悲愴は、全体的にテンポがゆっくりな為、速く弾けるようになる練習をする必要がないので、弾きやすい曲です。しかし中盤辺りに和音が出てきます。音数が多いので、最初は難しく感じるでしょう。
しかし、和音というのは何度も弾いているうちに自然と手が覚え、楽譜を見なくても勝手に指が動くようになります。その様になるまで、何度も何度もゆっくり練習しましょう。
こちらの曲も、エリーゼのためにと同様、ペダルは一通り弾けるようになってから、最後に加えて下さいね。
ピアノの練習はとても地味で、つまらないものです。でもこの単純練習を繰り返していると、ある日突然、コツをつかむ様になります。そしてどんどん上達していき、達成感を味わうことが出来ます。
単純練習と達成感の繰り返しですが、それがピアノの面白いところです。そして上手に弾けるようになると、今度は自分なりに工夫して弾けるようになります。曲が自分のものとして、説得力のある音楽になるのです。
音楽やピアノは無くても困るものではありません。しかし人生が豊かになります。
先日コンサート会場で出会ったご年配の方に「音楽は何歳になっても楽しめるから良いよ」とお話しして貰いました。
ピアノの練習は大変ですが、努力した分だけ必ず弾けるようになります。初心者の方でも、諦めずにぜひ多くの曲に触れて頂けたらと思っております。