高齢化、介護離職、誰もが1度は耳にしたことがある言葉なのではないでしょうか?
これからさらに高齢者は増えていくのに対して、介護をする人材は全然足りていません。
2025年に向けて、毎年6万人程度の人材を増やしていかないと足りないと言われていますが、まだまだ世間では、介護職へのネガティブなイメージが強く、思うように増えてはいません。
しかし、介護職にはみなさんの知らない良いところがたくさんあります。
その中から、5つの理由をあげます。
これをきっかけに介護の仕事に興味を持ってもらえたり、現在介護の仕事をやってみようか悩んでいる方の背中を押して、1人でも多くの方が介護の仕事をしてみたいと思っていただければと思います。
【理由1】 無資格からでもどんどんキャリアアップが可能で、業界内の他の専門職への道も広がる
私は学生の時にホームヘルパー2級を取得していましたが、同期には無資格の人も2名いました。
現在は昔と比べると、各資格の受験資格も厳しくなっていますので、段階を多く踏まないといけませんが、今でも無資格から経験を積み、研修などを受けながら勉強をしていくことで、介護福祉士の資格を取得したり、ケアマネージャーや社会福祉士の資格を取得して、キャリアアップをする事が出来ます。
私も働きながら、介護福祉士、ケアマネージャーと取得する事が出来ましたし、同期の1人は他の専門職と関わりながら、業務内容などが詳しく見えることもあって、看護師に興味を持ち、資格を取得するために働きながら学校へ通い、転職した人もいます。
働きながら、資格を取得してキャリアアップもでき、他の専門職との関わりも多く、通常では見えない仕事の内容などが見える為、仕事の選択肢が広がるところも魅力です。
【理由2】ネガティブなイメージが強いが、年々処遇が改善されている
介護の仕事は一般的に「きつい」「汚い」「給料が安い」などと言われる事が多くあります。
その中でも給与面の処遇の低さがクローズアップされがちで、他の業種との平均年収などを比べても、まだまだ低いのが現状です。
しかし国も、介護職員の処遇の改善を図るために「介護職員処遇改善加算」を創設し、賃金の改善を行なっていて、今後も引き続き改善が行われていく事が予想されます。
加算要件を満たして申請いる施設で働いていれば、加算Ⅰの取得で、毎月37,000円の上乗せをしてもらう事が出来ます。
2019年より「特定処遇改善加算」も新設され、さらに上乗せがされています。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2018)によれば、中小企業での30〜35歳の平均月収は26〜27万円で、40〜45歳なら31〜35万円とされています。
私の施設を例に挙げると
30歳 入社3年目 介護職 (保有資格 ホームヘルパー2級)
基本給 18万5千円 夜勤手当 4〜5万円 運転などの各手当 2万円 計 24万5千円〜25万5千円)
35歳 入社8年目 介護職兼介護支援専門員 (保有資格 介護福祉士 介護支援専門員)
基本給 20万円 各資格手当 2万円 夜勤手当 4万円 他手当 2万円 処遇改善金 3万5千円 計 31万5千円
資格の取得で手当を受け取れるようになった上に、処遇改善加算によりさらに上乗せがされています。
現在は処遇改善加算の金額ももっと上がっています。
40歳 入社13年目 管理者兼介護支援専門員 (保有資格 介護福祉士 介護支援専門員)
基本給 28万円 各資格手当 2万円 管理手当 1万5千円 他手当 3万5千円 計35万円
職種が変わり、夜勤手当や処遇改善金などはなくなりましたが、管理職になったことでの手当などが上がっています。
これは1つの例ですが、資格の取得やキャリアアップが出来れば、その分処遇を上げることに繋がりますし、介護職は処遇改善金も貰えますので、さらなる賃金のアップを図る事が可能です。
なかなか処遇改善が進んでいない施設もありますが、きちんとした施設選びができれば、他の職種と比べても変わらないくらいの給料をもらうことも可能です。
また、給与面の改善も重要ですが、働く職場の環境、研修の体制なども要件に含まれていますので、介護の職場全般の改善がこれからも期待できます。
【理由3】不況などの影響も受けにくく、コロナ禍でもしっかり働ける
2020年はコロナウイルスの感染拡大により、世界中で経済に大ダメージを受けました。
サービス業や娯楽などは営業の自粛を迫られ、業種によっては仕事がなくなる、収入もなくなるなど深刻な問題となっております。
介護事業所はというと、もちろんコロナウイルスによる影響はありました。
通所などの外出を控える人が急増しましたし、施設内でも体調管理や環境整備などは以前よりも十分に注意はしてます。
ただ、介護だけでなく、日々の生活に欠かすことのできないような業種は、感染が起きた時などを除けば休むことはありません。
感染の危険が高くて怖いと思われるかもしれませんが、しっかり感染対策をした上で働くことに関しては、他の業種と変わらないと思います。
コロナウイルスの流行している中でも、しっかりと働く事が出来て、国からも支援を受ける事が出来る介護の仕事は、これからも色々な状況の変化がある中でも安心して働く事が出来ると感じます。
【理由4】仕事で身につけた事が、自身の生活で役に立つ
介護の仕事に限ったことではありませんが、自分の仕事が普段の生活に役に立つ事があります。
自分の親や配偶者の親、友達の親など、歳を重ねていけば誰しもが介護を必要とする可能性があります。
そうした時に仕事で得た知識や技術が役に立ちます。
私はこの仕事をしていなければ、トイレの介助や着替えなど、全然出来なかったと思いますし、介護の仕事をしていた事で、いざという時に落ちついて行動する事が出来ました。
また、介護保険は知らないという事が原因で損をしたり、思うようなサービスが使えなかったりする事があります。
そのような時に、仕事で得た知識が役に立ち、身近に起きた問題に対して、落ち着いて対応する事が出来ます。
【理由5】社会の人の役に立てる仕事で、感謝される事が多い
世の中にはたくさんの仕事がありますが、介護の仕事はとても感謝される事が多い仕事です。
もちろんみなさん感謝されるために介護をしたり、仕事をしているわけではありませんが、疎まれたりするよりも、感謝されれば誰でも嬉しくなります。
そしてとてもやりがいを感じるはずです
自分が頑張る事で誰かの役に立ち、助けてあげる事が出来る。
この仕事をしていると、家族の方の介護に疲れ、どうしたらいいのか分からずに、限界を超えてしまっている方の相談を受ける事があります。
そした人の手助けをして、生活が整い安心した顔を見ると、この仕事をしていて良かったなと思います。
まとめ
初めにも書いたように、介護の仕事はネガティブなイメージが強く、やりたいという人が少ない仕事です。
確かに楽な仕事ではありませんが、そもそも楽な仕事などありません。
それに他の仕事にはない良いところもたくさんあります。
私は他業種から転職して介護の世界に入りましたが、前の仕事に比べて、良い仕事をしてるねと声をかけてもらう事が増えました。
そんな介護の仕事を私はとても気に入っていますし、興味のある方が1人でも増えて、この仕事の良さにたくさんの方が気付いてくれることを願っています。