現在、高齢者分野と障がい者分野の介護福祉サービスが多様化する時代となりました。
今日に至るまでの福祉の歴史というものは、とても複雑なもので行政が管理する、行政主体の時代があり、利用者の主体性を引き出して質の高い支援を行えるよう様々な法律の改正を得て、サービスの多様化するまでに至っています。
介護業界では、常にマンパワー不足に伴っており、どの求人誌を見ても介護福祉の求人が数多く目に移ります。
さて、介護業界の多様化したサービスの中で仕事を選ぶポイントについて確認していきたいと思います。
1)自己目標
福祉の専門職としての自覚を持ち、「自己目標がしっかりとあるのか?」ということが問われます。
ただ、目標がなく機械的に仕事をする方がいますが、目標意識を持って仕事に取り組んでもらえる人材なのか?という人材を探しています。「何となく・・・。」ではなく、しっかりとした意見や目標を持っておきましょう。
2)謙虚さ
謙虚さは、どこの職場においても必要なことでしょう。
また、「柔軟さ」も大切であり、人と向き合っていく仕事なので、感情的にならないよう冷静な対応が必要とされます。
「介護を行ってあげる」という上からの目線ではなく、傍に寄り添って「出来ないことをサポートする」という視点が求められます。
3)自立支援
介助者は、出来ないことを全て介助するのではなく、「出来るところは、自分で行ってもらう」という自立支援を心掛けていかなければなりません。利用者の出来ることを奪ってしまっては、日常生活の機能や質の低下を招き兼ねない支援となってしまうからです。支援は、必要最小限で行っていかなければなりません。高齢者分野や障がい者分野の福祉において、「自立支援」という考え方は、とても重要なポイントとなってきます。
4)利用者の主体性
介助者は、利用者の主体性を引き出し(エンパワメント)、介護者本位の仕事をしてはいけません。利用者の人権・権利を尊重し、「自己選択」「自己決定」を行う時代となっています。利用者自身の自己実現に向けて、介助者は、共に利用者の主体性を引き出して人生を考えていくことが大切になってきます。
仕事を選ぶ上でのポイント
1)情報公開
ホームページがしっかりとあり、「情報公開がなされているのか」ということが1つ目の大きなポイントとなってきます。
事業収支計算書、事業計画書や貸借対照表、定款、役員構成などがちゃんと情報公開がされていると、その法人の情報や経営、運営について分かります。法人格を取得している場合、法的に情報をインターネット上に公開する義務がある為、情報を記載していない場合、適正に運営がなされていないことが考えられます。
2)見学してみる
実際に見学してみることも仕事を選ぶ上で、重要な要素となってきます。
見学する上でのポイントをお伝えしましょう!
①環境整備
入り口を入って直ぐに綺麗に整頓されているか、清潔感があるのか、ということを見分けなければいけません。
入り口に物が乱雑に置かれていたら、環境的な整備が行き届いていないことが理解できます。
②職員の挨拶・言葉使い
見学者に対してしっかりと「こんにちは」と挨拶を行っているのか、チェックポイントとなってきます。
見学者の横を素通りしていく職員がいたら、職員教育が出来ていないと言えるでしょう。
また、利用者との言葉使いを聞いていると、「くん」「ちゃん」付けで呼んでいたり、「ため口」で話していたら、教育が行き届いていないことが分かりますよね!
③臭い
臭いも仕事をしていく上で重要なことになってきます。
排泄の便臭がしていると、衛生的に問題があるのではないかと感じます。
しっかりと、窓を開けて喚起する、臭いの対策を行っている、ということも大切なポイントです。
清潔感を感じさせられるような空間や環境作りを行っているのか、ということが分かります。
④掲示物
掲示物に注目することも大切な仕事選びのポイントです。
虐待防止法や第三者委員、苦情防止の担当者などがしっかりと定められているのか?ということが問題となってきます。
情報の開示といった点や虐待を防止する上での啓発活動にも繋がってきます。
まとめ
そのような視点を持っているのと、いないのでは、全く就職してから
「私の思っていた職場と違う」
と感じなくていいかと思います。職員がバタバタしていると、
「かなり忙しい職場なのかな?」
と肌で感じることもできます。職員の対応や態度を見て、
「研修や勉強会をしっかりと行っているのか?」
ある程度、分かります。就職して失敗しない為にも、是非、以上のポイントを押さえた上で福祉の仕事を選ぶことをお勧めします。