調剤薬局で薬を受け取る際によく目にする「かかりつけ薬剤師制度」。これはどういった制度なのでしょうか?また、それを利用するメリットとはどの様なものでしょうか?注意点も併せて解説します。
かかりつけ薬剤師とは?
調剤薬局にて薬を受け取る際に「もしよろしければ、かかりつけ薬剤師の登録をお願いしますね」と、言われた経験はありませんか?
そもそもかかりつけ薬剤師って何者?
2016年にスタートした「かかりつけ薬剤師制度」。2018年の診療報酬改定を経て、要項が多数変更されて施行されています。
かかりつけ薬剤師とは、薬による治療や健康や介護に関する豊富な知識と経験をあわせ持ち、患者や生活者それぞれのニーズに沿った相談に応じることができる薬剤師のことを言います。
利用するメリットは?
まず、この制度を利用するにあたって、どのようなメリットがあるのでしょうか。
それは大きく以下のの3つがあります。
メリット1:いつも同じ薬剤師があなたのお薬事情を把握・管理
指定した担当薬剤師が、ほかの医療機関や薬局で処方された薬は勿論のこと、市販薬や健康食品、サプリメントなどもぜんぶまとめて把握してくれます。
別の薬局などで受け取った薬などがある場合のそれらが重複していないか、薬同士や食品との相互作用が存在しないかなど、服用に関する注意点などをアドバイスしてくれます。
薬の在庫数の管理をすることによって、医療費を下げる一因になります。1人では微々たるものかもしれませんが、国民全員が行えばかなりの金額の節約になります。
医療費が上がる一方だと嘆いていますが、こういった小さなことの積み重ねが重要かと思うます。
メリット2:服用後の体調の管理や薬の管理
来局した際に、それまでの過去の服薬記録も含めて服薬後の体調の経過などを持続的にチェックします。
必要に応じて、医療機関への連絡なども行います。
また薬が多数余っている場合は薬局に持ち込みましょう。次回の処方調整の提案をしてくれます。
勿論、来局が難しい際は、直接出向いて確認・整理を行うこともあります。
メリット3:夜間でも休日でもいつでも相談できる
あなたの服薬状況をよく理解した薬剤師として、薬や健康維持に関する相談に応じてくれます。何より、夜間・休日といった、薬局そのものはしまっている時間帯でも対応してくれるところがポイントです。
手続き方法は?
では実際にこの制度を利用する際は、どの様な手続きが必要なのでしょうか?
- まずは来局し、登録したい薬剤師にその旨を伝えましょう。
- 簡単な説明を受けます(10分程度)
- 「かかりつけ薬剤師 同意書」に署名をします。
説明を受けて、納得できたら署名。案外登録は簡単シンプルです。
利用する上での注意点
利用には「かかりつけ薬剤師指導料」がかかる
かかりつけ薬剤師が薬を渡す場合は、60円100円(3割負担の場合)の「かかりつけ薬剤師指導料」が追加されます。
その代わりに、「薬剤服用歴管理指導料」がかからなくなります。
どの薬剤師でも指定できるわけではない
登録できる薬剤師側も、ある一定の条件
を満たしていないとその資格がありません。その条件が以下の5つになります。
- 研修認定薬剤師(認定薬剤師)を取得していること。
- 保険調剤を取り扱う薬局での、3年以上の薬局勤務経験があること。
- 当該薬局に12カ月以上在籍していること。
- 同一薬局に週32時間以上勤務していること。
- 医療に関わる地域活動の取り組みに参加していること。
そこまでしなくてもいいかな…
専属の薬剤師まではいらないかな…と、あまり気が乗らない場合は、「かかりつけ薬局」を登録しておきませんか?
普段からなんでも相談できる、顔なじみの薬剤師がいる「かかりつけ薬局」を決めておくことをお勧めします。
その時々で薬局を変えるのではなく、いつも同じ薬局を利用することでも、薬の重複に気づいたり、相互作用が起きることを防いだりすることができます。
メリット等をよく加味して検討ください
かかりつけ薬剤師制度について、メリット遅の注意点をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?利用には所定の利用料というものがかかりますので、ぜひとは言いませんが、ぜひ検討してみてくださいね。