この記事は、新しいサイト、サービス、アプリのアイデアと、作りたいという強い思いがあるけれども、時間が無くて実現するのが難しいと感じている人向けです。
特に以下の人を想定しています。
- アイデアがある人
- 時間が無い人
- ある程度自由に使える資金がある人
- ある程度技術にも詳しい人
- 英語でのコミュニケーションでもストレスを極端に感じない人
時間と資金に関しては、反比例のような関係で、自分が使える時間が多ければ、より少ない資金で繋いでいけます。
前回の記事「プログラマーは簡単な英語の読み書きで、Upworkのフリーランスとしてより稼げるようになる」でも紹介したUpworkを使って何が出来るかを簡単に書いてみようと思います。ちなみ、このサイトもUpworkを利用して構築した部分があります。
Upworkで優秀なエンジニアをリーズナブルな時給で雇えるわけ
あれ、前回の記事では、プログラマーは日本でフリーランスをしているよりも、Upworkでアメリカ水準の高い時給を狙えるって書いてるけど、雇用する側として使うと、アメリカ水準の高い給料を払うの?
と質問が来ますね。
でも雇用する側からも、驚くほど質の高いプログラマー、エンジニアを、日本の水準よりも抑えた時給で雇うことが出来ます。
Upworkでの平均の時給は日本よりも高いし、質の高い人は正に100%フリーランスとして米国で暮らしていけるくらいに時給$100(一万円超)超えはザラなのにどうやって?
それは、Upworkに登録しているフリーランサーの数を考えると分かります。
フォーブスの記事によると昨年で約180カ国、375,000(2018年現在)の人がUpworkで支払いのある仕事をして、支払い総額は$1.5billion程度であったようです。日本円にすると総額は1,600億円位で、平均の一人あたりの稼ぎは約43万円になります。
日本最大級のクラウドソーシングであるランサーズでは、ホームページで2,100億円の依頼総額があったとうたっています(2018年11月現在)。依頼総額というのが実際に支払われた額なのか、それとも求人の合計額なのか不明で、恐らく2008年以来の累積の数字なので単純に比較できません。ランサーズが行なった、「フリーランス実態調査 2018年版を発表」によるとフリーランスの規模がアメリカのみで日本の約6倍くらいあることが分かります。Upworkの登録者はアメリカ以外からも多いので、総合してランサーズの規模はUpworkの10分の1以下ではないかなと思います。
フリーランサーをキーワード検索するとこの差がより分かります。
キーワード: Python
Upwork: 70,920人
ランサーズ: 157人
キーワード: deep learning / 深層学習
Upwork: 5,078人
ランサーズ: 2人
キーワード: website design / Webデザイナー
Upwork: 167,116人
ランサーズ: 662人人
キーワード: website design / データサイエンティスト
Upwork: 6,460人
ランサーズ: 4人
キーワード: javascript
Upwork: 200,588人
ランサーズ: 510人
一概に比較できませんが、同じ分野だと登録者数はUpworkの方が登録者数が断然多く、またカバーしている仕事範囲は広いです。
ちなみにUpworkは2027年までにアメリカで働く半分がフリーランスになると予想しています。
単純にパイが大きく、裾野が広く高く伸びているので、時給がリーズナブルで高い技術を持った人も絶対数として大勢いるのです。
Upworkで人を雇ってみる
難しいのは登録でなく人を雇う所です。
仕事文化も違えば、英語でのコミュニケーションになります。その上で、時給がリーズナブルで高い技術を持った人を探すわけです。
私自身の経験で言えば、東南アジアの人の技術は高く、また仕事へのモラルも高いと感じます。東欧の人をホワイトハッカーとして雇った時には、その技術の高さに驚かされました。インド人を雇った時には細部までチェックをしないと、表面だけ出来上がって、バックエンドロジックがぼろぼろであった時も有りました。アメリカ人は金額に合うだけ仕事をキッチリ仕上げてくれました。パキスタン人は技術はともかくとても熱心に仕事をしてくれまいした。バングラディッシュ人は、ひたすら時給を上げてくることを要求してきたので解雇しました。
色んな経験が有ります。国別でざっくり述べましたが、それぞれの国で色んな人がいるわけで、その国を代表しているとは思っていません。
ともあれ、フリーランスとは言え、解雇するのは雇うよりも難しくなります。というのは、仕事環境を作って、順調に進めてもらえるまでにある程度時間がかかるし、幾つかタスクをこなしてもらった後で合っていないと分かると、新たな採用をしなくてなならないし、時間が掛かります。ですから、マッチする人を探すのがより重要になります。
雇う時のポイント
仕事依頼には必ずユニークな技術的スクリーニング質問を設定する。応募してくるのに、答えていない人は結構います。このような人は、募集要件を読んで応募したのではなく、片っ端から応募している可能性が大なので、自動的に排除します。応募者のプロファイルでは色々書いてあったりしまうが、何処かからコピー&ペーストしたような人も多いです。ユニークな質問に、しっかり答えてくれる人に絞りこむ事が出来ます。
ちなみに、募集の最後に私は以下の文を加えました。
VERY IMPORTANT: To separate you from the spammers, please write I AM HONKI - it means I am serious in Japanese - as the first line of your bid. We will delete all bids that do not start with this phrase.
和訳
重要事項: スパム応募と区別するために、最初に I AM HONKIと書いて下さい。これは日本語で「私は本気です」という意味です。書いていない応募は、削除します
結構面白い返事が来たりして、それはそれでスクリーニングに使えます。勿論、書いてない人は削除です。
スカイプ面接をする。これは、チャットでもいいので、その人と一時間程コミュニケーションを取ります。英語が拙くても構いません。面接では技術の事を話してもいいですが、重要なのは、人となり、仕事に対する姿勢をより知ることです。一時間も話すと結構知ることが出来ます。
高い時給の人が高い技術を持っているわけではないです。むしろ、私の経験だと、低い時給の人のほうがより高い技術を持っていたりすることは多いです。時給は、勿論ふっかけてきますが、そういった人は雇ってあまり良い経験は有りません。
待っているよりも積極的に探しに行く。仕事を公募した後、ランサーから応募は有ります。ですが、その中で選ぶよりも、積極的に探して応募に招待したほうが、安く高い技術を持った人を雇えます。特に、東南アジアのエンジニアは、時給をかなり低く設定しているので、招待して仕事をしてもらった時に、その優秀さに驚かされたことが何度も有ります。もちろん、何人も招待できるので、応じてもらった人の中から、これはという人を雇います。
経験の無い人にも、これはと思ったら声をかけてみる。経験を積むために比較的安い時給で働いてくれます。裾野の広さを味方にします。
でも自身もある程度技術を持っていることが必要
優秀なフリーランサーを雇ったとしても、単に仕事を任せていては、一向にまともなモノは出来ません。プロジェクトをマネージメントする必要が有ります。そして、自身がある程度技術を持っていないことには、うまくプロジェクトはマネージメント出来ません。
勿論、採用するときに技術的な事も含めてチェックするのが必要なので、出来ないようではマトモな人も雇えないわけです。
フリーランサーを雇った後、仕事のマネージメント、タスク管理にはTrelloを、チームのコミュニケーションにはSlackをお勧めします。
このサイトの構築には、継続的デリバリー ツールとしてSemaphore、プロジェクト管理にはBitbucket、静的コード解析にはCodacyを使っています。
サイト自体はAWS Elastic Beanstalk上で動いています。また、メール、ドキュメントシェアにはGoogleのG Suiteを使っています。
色々と便利なツールが有るので、是非チェックしてみて下さい。個人でも、離れているフリーランサーをまとめて、プロジェクトを効率よく効果的に動かしていくことが出来るようになります。
これで身につけたプロジェクトマネージャーとしての技術は貴重だと思います。
それでは、技術を持っていない人はどうすればいいでしょう?
最初からプロジェクトマネージャーを雇うという手が有ります。もちろんコストが高くなりますが、Upworkで直接プロジェクトマネージャーを雇うことが出来ます。
ちなみにプロジェクトマネージャーで検索すると、結構登録されているようです。
キーワード: project manager / プロジェクトマネージャー
Upwork: 62,458人
ランサーズ: 41人
プロジェクトマネージャーを雇って仕事をしてもらったことはないので、これに関してはなんとも言えません。ですが、プロジェクトの成否を作用するマネージャーを雇うのは、個人を雇うよりより難しいでしょう。
Upwork Pro、さらにはUpwork Enterpriseという上位のサービスも有りますが、これは採用、支払い、雇用管理を手助けする等のサービスでプロジェクトのマネージメントを提供するようなサービスでは無いようです。
もし、私にプロジェクトマネージャーを依頼したい場合は、LinkedInから連絡下さい。