さて、前編「”友達”と”敵”の合成獣!?”フレネミー”にご用心」では、友達(friend)と敵(enemy)の合成獣、”フレネミー”について紹介しました。
今回は引き続き「実際に被害に合わないためにはどうしたらいいの?」「そのまま友達を続けられるの?」等々、考えていきたいと思います。
フレネミー被害に遭いやすい人
悪いことや嫌われるようなことをしていないつもりでも、性格的にどうしてもフレネミーの被害に遇いやすい人がいます。
まず、穏やかで優しい、素直な人は、いいように利用されてしまいやすいです。
また、自分の世界を持っていて満たされてる人や、何かに秀でている人も、嫉妬心を起こされやすいでしょう。
優しく素直に自分を省みることができるのも、自信を持って満足しているのも、もちろん素晴らしいことです。
フレネミー化してしまうのは基本的には満たされていなくて、他人を攻撃せざるを得ない人なので、わざわざそちらに迎合していく必要も、あなた自身の良さを否定する必要もありません。
ただ「もしかして自分はフレネミー被害に遭いやすいタイプかも?」と思うなら、少し気をつけてみましょう。
フレネミーから身を守るには?
まず「そういう人がいる」ということを知る。
フレネミーの被害にあってしまった人は、何でそんなことをされるのかわからずに、困惑してしまうことがほとんどです。何故なら攻撃されてしまう原因は理屈ではなく、された方よりも、フレネミー化してしまった方の心の中にあるからです。まずはそれ自体を知ることが第一歩です。必要以上に自分を責める必要はありません。
仲良くならない、近寄らない。
支配者タイプはわかりやすく「自分を他人より上の立場にしておきたい性格」なことも多いので、しばらく振る舞いを見ているうちに「もしかして…」と感じることがあるでしょう。
そういう人に不用意に近づいて自分の本音や心の柔らかい部分を見せてしまうと、後々にそれすらも思いもよらない形で「自分を他人より上の立場にする」ための材料にされてしまいかねません。これは結構ダメージが大きいので避けたいところです。
仲良くならない、近寄らない、というのは、決して無視したり意地悪をするということではなく、ほどほどの距離感を持ってできるだけそつなく接する、ということです。自分が悪者になってしまわないためにも、気をつけましょう。
否定しない、劣等感を刺激しない。
支配者タイプは何かと自分の基準で否定したり、いわゆるマウントを取ることもあるので、つい「常識的に考えて、私の方が正しい」「そんなこと言っても、きみだって…」などと正論で反論したくなってしまうこともあるでしょう。相手が上司や目上の立場の人ならまだしも、友人など対応な立場なら余計にモヤモヤしてしまいます。でも、うっかり対抗するのは危険です。
フレネミーはとにかく自分が優位に立って主導権を握っていたいので、ぐうの音も出ないような正論をぶつけられたところで、素直に納得し反省するどころか、逆に恨まれてしまうことさえあります。
当然、あなたの自慢だと思われてしまう発言もNGです。そんなつもりがなくても、そうと思われてしまいそうな発言には注意が必要です。ただ素直に嬉しかった話をしただけでも、フレネミーの気を逆撫でしてしまうということが十分ありえます。
まとめ:可能であれば、離れる。そうもいかない場合は、心身共に一定の距離を置くこと。
関係性にもよりますが、まずは対抗や反撃をせずに様子を見ましょう。ムキになったり、同じ土俵に立って何か反論してしまうと相手の思うツボです。余計なことを言いかけたら、ちょっと深呼吸をし、グッと堪えましょう。そして、何か言われても重く受け止めないよう心がけましょう。我慢するのではなく、心の距離を近づけないように意識しましょう。
フレネミーとの付き合いは続けられるの?
身近な人であれば、なるべく穏便に関わりたいですよね。でも自分が消耗してしまっては本末転倒です。最終的には、あなた自身が冷静に「この人と無理に付き合う必要があるかな」とよく考えた上で、判断しましょう。
明らかに意地の悪い作為を感じるなら、当然すぐにでも関わらないようにすることが一番です。職場であれば、酷い場合は信頼できる上の立場の人に相談して、そうできるように対処してもらう必要が出てくることもあるでしょう。
一方、基本的には仲良くできる人でも、たまたまその人の心身に余裕がなくて一次的にフレネミー状態になってしまっているような場合もあります。見極めは難しいですが、そういう場合なら少し気をつけていればうまく付き合える可能性があります。
その時々の状況をよく観察し、わからないなりに、相手が何を求めているのか、自分の手に負えるのかを想像してみましょう。人間は誰でも、悩むと視野が狭くなってしまうので、俯瞰した姿勢を心がけましょう。
何をおいても、まず「心の距離感を保つ」ということが大切です。気持ちをわかって欲しい、などの期待をしないことです。
他人に対してできることは、限られている
フレネミーな隣人を変えるためにできることは、かなり限られています。結局は「他人を攻撃してしまうほどに満たされない自分の心と、どう向き合うか?」という、本人の問題だからです。他人がそこまで踏み込むのは、よっぽど親しい間柄でないと難しいでしょう。
なので、フレネミーな人に変わってもらおう、という期待は一度捨てましょう。あなたが彼らのことをよくわからないままに、常識的に考えて良かれと思ってする行動が、全て裏目に出てしまうことさえあるからです。「何かおかしいなあ」と思うことが続くと、誰でも混乱してしまいます。実はこの混乱が一番苦しく、厄介だったりします。
まずは冷静に「今、彼/彼女はフレネミー化してるかも?」と考えてみましょう。そうすることで自分自身が納得し、落ち着くことができます。
まとめ
他人を変えることは難しくても、あなた自身の認識をきちんと整理することで、状況を正しく判断でき、また自分の心を省みることもできます。
ここまで読んでくださったあなたなら、今後、自分の心に余裕のなさを感じて「今、私も誰かのフレネミーになってないかな?」と考えてハッとすることもあるかもしれません。
卵が先か鶏が先かではありませんが、無自覚な自分のフレネミー行動が周りの人のフレネミー行動を引き出してしまうこともあります。地獄のマウント合戦を始めてしまわないために、まずは自分の心を穏やかにしてみることも、とても有効です。
繰り返しになりますが、いざ耐えきれない程のフレネミーな人と出会ってしまったら、最も有効な手段は
「物理的にも精神的にも距離を置いて関わらないこと」
です。
とは言えなかなか対処が難しいフレネミーですが、すぐには環境や関係を変えられなくても、まずは認識することで、巻き込まれ度合いが大きく変わってくるでしょう。
以上は私自身の経験から考えたちょっとした工夫ですが、参考になれば幸いです。是非、他人と自分の”フレネミーな心”から自分を守ってください。