友達なのに、敵!?
友達(friend)と敵(enemy)が合体した言葉、”フレネミー”って、ご存知ですか?近年、ネットや海外ドラマなどで見聞きする機会が増えているかもしれません。
読んで字のごとく「友人のように装いながら、実際にはあなたを攻撃している人」のことですが、「友達なのに敵」だなんてそら恐ろしい響きですよね。
しかし人の心理をちょっと考えてみると、フレネミーは決して珍しい存在ではありません。例えば、他人の方が自分よりいい思いをしていて、「面白くないな」と思うことは誰にでもあります。良識がある人でも、こうした心の歪みがきっかけになって、誰でも身近な人を攻撃してしまう可能性があります。
フレネミーはあなたの側にもいるかも知れませんし、あなた自身も知らないうちに誰かのフレネミーになっているかもしれません。友達だと思っている人に攻撃されてしまうのも、自分が知らないうちに友達を攻撃してしまうのも、悲しいですよね。
また実際、身近な人がフレネミーかも?と思っても、すぐその人との交流をやめるわけにもいかないことがほとんどです。「フレネミーとも友達としてやっていけるの?どうやって?」ということも気になりますよね。
今回は、フレネミー、また自分にも湧き起こる”フレネミーな心”の見極め方と、対処法を考えていきます。
フレネミーたちのタイプ
「友達のような敵」とひと口に言っても人間関係は複雑なので、もちろん様々な場合がありますが、ここでは私が考えた大きく二つのタイプをご紹介します。
支配者タイプ
一見、優しくて気が利く人のようでも、心の底では「自分が他人よりも上」でいたくて、「その場の支配者になりたがる」という人がいます。
自分が優れていることをアピールして「自分を上げる」こともあれば、相手のことを必要以上に悪く言って「下げる」ようなこともあります。また、二人の関係性的にも、内容的にも、明らかにいきすぎた注意をしながら「私はあなたのために言っているんだよ」と言って、いかにも親身な感じを装うこともあります。そうして相手の心を萎縮させ、支配しようとします。すると素直な人ほど自分を責めたり、「注意してくれてありがたいと思わなきゃ…」と思ってしまいます。
このタイプの特徴は、本人にも自分が悪いことをしているつもりが無い場合が多いという点です。実際に人をまとめる力があったり、人助けが好きな人だったりもします。
ただそれを差し置いても、あなたがその人と関わっていく中で「納得できない、もやもやする」「必要以上に悪く言われているのでは?」という気持ちになるなら、要注意です。その人はあなたにとってフレネミーになってしまっている可能性があります。
表裏(おもてうら)タイプ
本人の前で話すことと、他所で話すことが違うという人がいます。こちらは、支配者タイプよりも悪意が明確です。
この人は、あなたと二人きりの時は相手の言うことを一切否定せず、楽しく過ごし、「あなたのそういう所が素敵だと思う」などと褒めさえします。そんな風に言われたら嬉しくなって、他の人には話さないような事も話すようになるかもしれません。
しかし、しばらくすると別の友人、同期や先輩、上司から心当たりのないことを言われたり、態度がよそよそしくなったのを感じます。おかしいと思って少し調べると、どうやらその人は周りの人に、あなたが悪く思われるような歪曲したことや嘘を伝えていて、しかも自分はちゃっかり甘い汁を吸っていたのでした…。というようなタイプです。
一見友好的なので心を開いてしまいがちなのが、支配者パターンより恐ろしいですね。フレネミーとしても限りなく”敵”に近いパターンと言えるでしょう。
どうしてフレネミーになってしまうの?
身近な人を攻撃してしまう悲しきフレネミーですが、悪意が明確な裏表タイプでない限り、自分から悪者になりたくてそうなっているという場合は稀でしょう。きっかけは、自分が他人より上だと思えないと満たされないような心、つまり嫉妬心や、自己中心的な気持ちです。人間は誰でも主観的なので、無自覚に、いつの間にかそうなってることも多いでしょう。
だからこそ、された側は「最初は仲がよかったのに、どうして?」と腑に落ちない気持ちになるのです。
フレネミーたちと出会ってしまったら、また、親しい友人がフレネミーのように振る舞うようになってしまったら、どうしたらいいのでしょうか?
引き続き、後編「”友達”と”敵”の合成獣!?”フレネミー”への対処法」で考えていきましょう。