こんにちは。
今回は最近日本でも周知になってきたアスペルガー症候群(ASD、自閉スペクトラム症候群)について詳しくまとめていこうと思います。
近年、アスペルガー症候群の書籍やウェブサイトや専門家によるブログなどが多く出回っていますが、そこで問題とされているのがアスペルガー当事者、本人による著書やまとめが特に基本多いという点。
何故それが問題なのかというと、アスペルガー症候群とはまず他者とのコミュニケーションに想像力が無いというのが障害。
そういう目線で自己の障害を説明したものを書いても実際ほとんど当事者目線でしか説明ができていなく、障害自体に対する事実、他者との繋がりについてどう解決していくかなどの具体的な説明についてはどうしても偏りがあり、また他者との混乱を招いてしまっているのが現状です。
私は身内にアスペルガー系の問題のある人が多く、カサンドラ症候群で餌食になり死にかけた身として両者の目線からこちらで事実だけを説明していこうと思います。
①アスペルガー症候群(ASD)は言語障害の無い自閉症
こちらも随分勘違いしている人が多いのですが、アスペルガー症候群(ASD, 自閉スペクトラム症候群)は言葉の喋れる自閉症と言われています。
ADHDや学習障害など、他の発達障害とここがかなり異なる点です。
つまりコミュニケーションに問題があるのは殆ど知能的に自閉症に近ければ不思議でないという事。しかし”自閉スペクトラム”なので、一概にどこからが障害、と断言しづらいのも難しいところです。
本人達は言葉を発しているし他人と関わっているのでみんなと同じ、と思っているかもしれませんが、そこに他人を不快にさせる言動(最近太ったね、あの人何で髪の毛が無いの?など)があればそれは他人と上手く関係が築けているわけでは無いですよね。
しかしそれが障害のため、他者と関係を上手く築くとはどういう事かがまず理解出来ていません。
②暴力性を自認、コントロール出来ない
私は基本的に、自己認知が出来ないのがこの障害の最大の難しさかなと思っています。
一般に、自分勝手さとは暴力性と一致するのではと言われていますよね。
他者との自分というのを認知しているからとんでもないわがままや他者が傷つくような衝動は避けよう、という計算が出来ます。そしてそれは自分が生きているコミュニティに直接影響する事なので、自分が生きづらくなる=生きていけなくなるというのも普通は一歩離れて考えれば理解ができます。
ですがこの障害はそういう”社会循環”に対する計算が出来ない障害なのでは、と思います。”後先考える”という事が基本的にできません。それも想像力がないからです。
中途半端な欧米化、日本も形だけの個人主義が進む中、個人で考える力=本当に個人主義なのか、アスペルガーの人達を見ると一度考え直した方が良いのでは、と感じます。
③テンプレート化する教育=物事の理解力では無い
自閉症の人達はよく鸚鵡返しする事で有名なのですが、アスペルガーも特定のことに対する記憶力が異常に高かったり(コピペ機能と私は呼んでいます)よく人の真似をしたがったりする事が特徴でよく挙げられます。
また、特定の物事に対して異常に執着、拘りが強いので、それが邪魔されるような事(1をやってから2をやろうとしていたのに予定を狂わされた、相手が喜ぶと思ってついて行ったのにストーカーだと訴えられた、など)が起きると異常なまでに激怒、パニックでメルトダウンを起こします。
ここら辺も他者とのコミュニケーションを築く上で困難が生じるのは当然と言われています。
そして自分の思った事は絶対であり、それが通らない場合相手を敵視するという想像力のなさがこの障害なので、医療関係者や刑法関係、カウンセラーなどから影で一番扱いの難しい、そして抑制が出来ないので危険なカテゴリの人種とも言われています。
日本は特に今暗記学習での習得が知的に水準が高いとされていますが、このアスペルガーの人達の大抵は暗記学習だけは困難にならないので、欧米のような発言や意見を積極的に求められるような場だと難しいでしょうが、教科書で知識がテンプレート化されている今はこの人たちにとって好都合かもしれません。
④考える必要のないヒエラルキーへの異常な執着、勝ち負けへの異常な拘り
基本的に物事は全て勝ち負けで考える障害です。
それも最近の研究で、”負け”に対する異常な恐怖心から他者を敵視するサイクルに陥っているのでは、と言われています。これも結局は物事に対する想像力が無いせいでの恐怖心へのコントロール出来ない執着なのではと考えられています。ここのところ、今の差別問題などに被ってくるタブーに近い話ですよね。
アスペルガー症候群は特に他の精神疾患や発達障害も併発しやすい障害と言われているのですが、特に問題になっているのが愛着障害(アスペルガー症候群の当事者は大抵親や身内もアスペルガーのため総勢で療育が難しいスパイラルに陥る。以下で触れます)境界線パーソナリティ障害など、他者との対等な交流とは何なのかが理解出来ない障害のため、自己でまた別の困難を招いてしまう性質があるのもこの障害です。
また、他者との境界線が甘い=自分のパーソナリティスペースが分からないという事なので、勝ち負けというよりはもしかすると自己の認知が困難なために確認行為で他者の領域に踏み込んでいる可能性があるとも考えられています。丁度赤ん坊がこれは何なのか確認するために全て口に入れてみるのと一緒でしょうか。ちょっとグロテスクですよね。。。
⑤何らかの原因で男性ホルモン過多になり起きている可能性?
圧倒的に男性に多いと言われているのがこの障害。そして原型の自閉症者も男性に多いと言われています。そして不思議なのが、他の発達障害より遺伝する確率が強く、そして遺伝する双方の性別は大抵合致するという性質です。
つまり男児でアスペルガー当事者の場合、大抵父親も同じくアスペルガーか、もしくは父親になくてもその父親、祖父にその傾向があったなど今日その遺伝性の強さが解明されるようになってきました。
アスペルガーが発達障害の養育を受けさせるのが特別困難と言われているのもこの点で、当事者だけでなく同じ遺伝の多い家系であると基本的にその両親から障害について一から説明し直さなくてはいけないからです。自己認知の難しいアスペルガー当事者に障害の説明を受けてもらうのはかなり困難で、それは傾向が強いほど難しくなってきます。
近年分かってきたのが赤ん坊として母体にいる時に受けたホルモンのバランスの偏りで障害が起きているのでは、という仮説です。
母体が妊娠した時、母親がホルモンバランスの何らかの問題を抱えていると男性ホルモン過多により自閉症児が生まれやすくなるのではという仮説が出ています。
筆者は母体にその何らかの問題が起こるのは本当に母体だけが問題なのか、妊娠、受精した段階で母体に変化が起こされているだけではとも思いますが、まだまだ仮説に過ぎずハッキリとは言い切れなそうです。
また自閉スペクトラムの女性は初経、排卵関係に問題がある人が多いとも言われており、こちらも男性ホルモンのバランスの偏りと相関する点があり研究中だそうです。
⑥障害に対する基本的知識教育の遅れ、無知な差別により研究、療育が遅れ拍車が掛かる社会
何故ここまで分かってきているのにまだ療育や研究が広まらないかというと、やはり社会の教育の格差、不足と無知さによる差別的な背景が強いのでは無いでしょうか。
上記でも触れましたが地方など、特に田舎の閉鎖的なコミュニティでは社会的体裁が生活に直接かかってくる難しさがあるので、身内に障害を抱えた人が発覚すれば無かった事にされるのが今日でも常になっているのでは無いでしょうか。
現在コロナウイルスにより自主閉鎖が続いていましたが、アメリカでも自閉スペクトラム症者を持つ家庭でのDV、暴力、虐待などがまた問題になっています。
閉鎖的な環境で隠す事により余計に何が問題点なのか分からなくなり療育や支援の手が行き届かず、また判断材料になる情報も遮断されるためもっと進んで良い筈の研究も遅れ、結局当事者たちの助けを自分で困難にする悪循環を招いている現状が事実です。
障害やマイノリティである事は困難であり問題ですが、実際はそれを生き辛くしている社会自体が困難を抱えている現状を自覚しないと実際の解決は程遠いと感じています。
⑦身内で接した場合の難しさ
上記でアスペルガー当事者の身内は大抵アスペルガーという事実を記載しましたが、これが例えば結婚などにより嫁いだ先がアスペルガーの多い血縁であったなどの場合、そして産まれた子供もアスペルガーまたは重度の自閉傾向だったなど、感覚と精神の壮絶な孤立感からカサンドラ症候群を発症するなどのケースが問題になっています。
特にまだはっきり診断は下っていないが、明らかに特徴や生活していく上で感覚的な違いが浮き彫りになってくるようになると、本人の苦痛に関係なく本人たちは何もおかしくないと思って生活しているので、結局どこにも相談できず精神的な孤立と違和感、苦痛が慢性化した状態、これがカサンドラ症候群と呼ばれています。
筆者も身内に強いASDの特徴を持つ人が多く、本人達の悪気無く日々精神の磨耗がエスカレートしていく状態に耐えきれず、自殺未遂、現在別居に至っています。
では筆者が苦痛に思った、耐えきれないほどの別居するに至った問題は何かというと到底書き切らないのですが、上記にも記した通り、主に
1、パーソナルスペースの曖昧さ
夜中ノックもなく勝手に部屋に入ってくる、嫌だと言っても触ってくる、電話の最中話しかけてくる、交友関係にも許可なく首を突っ込み荒らす、突然何かがきっかけでパニック、発作のように人に当たり出す(罵倒、暴力、モラハラ)、生活音が煩い(自閉傾向が強いと力加減が効かないため)足音、ドアを閉める音、食器をよく割る、物の扱いが乱暴、人の物を壊しても謝らない、など
2、興味のある事しか覚えられない
人との約束をすぐ忘れる、納期を破る、時間を守れない、人に譲れない、他人のプライバシーを勝手にベラベラ喋ってしまう、自分の予定ばかり優先する(人と買い物などが出来ない)、自分の話ばかりする、相手の話が聞けない、など
3、執着した相手、物などへの異常な束縛
ストーカー行為、金銭感覚のおかしさ(同じものばかり買ってくる、収集癖、異常に高いものばかり欲しがる、新しい物好き)、同じものばかり食べる、待てない、人の物を借りて返さない、盗む、なんでも人の真似をする、相手を時間拘束したがる、相手をコントロールしたがる、大声で罵倒する、暴力、など
上記はほんの一部でしかありませんが、カサンドラ症候群当事者でなくともこれと365日毎日24時間ぴったりと暮らさなければならないのは異常ですし、平気だという人は居ないのではないかと思います。
現在DVやモラハラ、セクハラ、性的被害など多岐に渡るいじめ、虐待行為ですが、その半数以上は実はエスカレートしたASD当事者によるものも含まれるのではと言われています。
これらの統計や確証が確実に得られないのもこの当事者が原則的には障害者であり、被害者が被害を訴える事で”障害者差別”として逆に訴えられてしまうという現在のおかしな司法も正しい解決法を得られない、被害からますます逃れられない引き金になっている理由です。
障害に対する正しい知識、支援、そして当事者だけでなくそれによって影響を受ける周囲への理解やコミュニケーションの必要性もますます認知されるべき時が来ているのではと感じるこの頃です。