サポート箸とは普通の幼児箸を使えるようになる前段階で取り入れる、練習用のお箸のことをいいます。
トレーニング箸、しつけ箸などと呼ぶことも多いかもしれません。
有名な商品だとエジソン箸。エジソン箸も種類がいくつかあるのですが、リングがついたものを思い浮かべる人が多いでしょう。ほかにもベビー用品メーカーやお箸メーカー、現在では100円ショップなどでもサポート箸は販売されています。
その中でも”ののじ”から出ている「はじめてのちゃんと箸」は異彩を放っています。
この製品を使って感動した体験を、今回はお伝えしたいと思います。
ののじ はじめてのちゃんと箸 SS (16cm) グリーン Amazon.co.jp
まず、私の子どもは生まれつきの障害があり、上肢においては軽度の機能障害をもっています。つまり、手に軽い不器用さ・力の入りにくさなどがあるということです。
そのため小さなころからリハビリなどをしてきました。
お箸については、2歳児の中ごろからエジソン箸をスタート。リングに指を通して使うもので、親指のリングは備え付け、人差し指と中指のリングは取り外し可能という商品です。お箸の連結部がしっかりしており、2本がバラバラにならない安心感があります。
エジソン箸で中指、人差し指とリングを取り外すことができたのですが、お箸を開くときに中指が浮くようになりました。親指が固定されているから、中指を使わなくてもお箸が落ちることもないし、持ててしまっているんですよね。親指のリングも取っていきたいね、と3歳児ごろにピジョンの「はじめてのトレーニングおはし」に移行しました。
この商品もすごく良いと思うのですが、現在は製造終了しています。
親指をリングに通すのではなく、フックに置くような形で、握りこまずにお箸を持つことができるようになっていました。
親指リングのエジソンからピジョンへの移行は、はじめは難しかったようですが、じきに慣れていきました。
でも…ここからの移行が大変でした。
エジソンも、ピジョンも、連結部がしっかりしているのが特徴です。
普通のお箸は連結部なんてなく、当然2本がバラバラ。
しっかり握る力も弱いので、幼児箸はまだまだ使えそうにありません。
ピジョンを使いつつ、リハビリで幼児箸の練習をしていましたが、リハビリで月1回やったところで進展はありません。
いつの間にか、ピジョンを使いはじめて2年が経とうとしていました。
やはり普段はピジョンよりももう少し普通のお箸に近いものを、といろいろ試してみました。
輪っかがあるけれど、連結部がないもの。
100円ショップの「おはしもてたくん」。
ほかにも、アンパンマンのやつとか色々…。あれこれ試しましたが、「むずかしい!」と泣く、ぐずる、怒る…。
サポートする側もなかなか根気のいる時期がつづきました。
(ちなみに「おはしもてたくん」は通常の状態で自動的に箸先が開く使用になっており、開く動作をしなくなるからあまり良くない!と後からリハビリの先生に聞きました)
結局、ピジョン以外のどのお箸も使いこなせないまま、子どもは5歳児になりました。
そんなとき!
出会ったのです、ののじの「はじめてのちゃんと箸」に。
見てください、この特殊な形状を。
ののじ はじめてのちゃんと箸 SS (16cm) グリーン Amazon.co.jp
カプラと呼ばれる連結部は上と真ん中にあります。
が。これ、柔らかいんです。
ガッチリ固定されているのではなく、可動域が広いのです。
なので、エジソン箸やピジョンでは交差箸になることは100%なかったわけですが、これは変な持ち方をすれば交差箸にもなります。
つまり、
普通のお箸に近い!だけど完全にはバラバラにならないからちょっと安心感もある!
カプラは取り外し可能で、硬めのハード(step1)と柔らかめのソフト(step2)とがあるので発達に応じて調整できる。
画期的だと思いませんか?
うちの場合は、すでにピジョンで”連結部は真ん中1箇所だけ”に慣れていたことだしと、柔らかいほうのカプラを真ん中のみにつけて渡しました。
はじめの1日は難しさからぐずぐずが出ましたが、ほかのお箸と比べると「もう少しで慣れそう」感があり、数日後にはあっという間にサクサク使えるようになっていました。
いろんなサポート箸を試してきたのに、ののじのお箸だけ異様に慣れるのが早くてビックリ!
そして1ヶ月弱が経ったころ、さらにビックリな出来事が。
外食先でもののじのお箸を持っていって使っていたのですが、ある日ちょっと足を伸ばして遠くレストランへ食事に行ったとき、そこで食事した後にののじのお箸を忘れて家に帰ってきてしまったのです…。
困りました。
せっかくステップアップしたのにまた段階を戻したくないし、このまま”ののじ”を使い続けたいのに、レストランは遠くて取りに戻るのは…
レストランへの交通費よりも買ったほうが安いので、買い直すことに決めました。
ネットで即ポチりましたが、とはいっても届くまでに1~2日かかりますよね。
その間、ダメ元で普通のお箸を持たせてみました。
すると………
えっ!?…持ててる!!
なんと、普通のお箸が使えるようになっていました。
あんなに長い間苦戦したのに…たった3週間くらいののじのお箸を使っただけで、普通の幼児箸が持てるようになっていたのです。
しかも、持ち方もけっこうキレイ。
再注文したののじの「はじめてのちゃんと箸」が届くころには、もう必要なくなっていました。
ののじを使えるようになっただけでも喜んでいたのに、使いはじめてからこんなに早く更なるステップアップを遂げるとは…!
もちろん個人差や合う・合わないがあると思いますが、我が家の場合は感動した!というエピソードでした。