しばしばニュースサイトなどで取り上げられる、”ベビーカー問題”。 記事が投下されるや否や多くのコメントがつき、 「迷惑だから電車内ではベビーカーを畳むべき」「そもそも赤ちゃんが危険だから満員電車には乗せるべきではない」「世知辛い世の中になった」「こんな論争があるから少子化が止まらない」 など様々な意見が沸き上がります。さらには、 「ベビーカーの持ち込みは仕方ないが、泣いてもあやさない母親はダメ」 など、子育て論にまで発展することも。しかし、この問題を考える前にひとつの疑問を投げかけたいです。 そもそもベビーカー問題は本当に存在したのか? もちろん個人間で、ベビーカーによって乗り降りがしにくいと感じた体験や、「危ないな」と感じた出来事、お母さん自身が公共機関内で困った経験などはあるでしょう。 しかし、ベビーカー問題として取り上げられるまで、それは社会的に大きな問題だったのでしょうか?メディアが”ベビーカー問題”を大きく取り扱う前は、互いの配慮や許容などによっておさまっていたのではないでしょうか? メディアが煽り、あたかも問題かのように提示することで、これまで感じたことのあった小さな感覚が刺激され、共感者を…
今回は少し重たいかもしれないお話。シングルマザーになれなかった母親の、リアルな現実を綴ってみたい。 私には子どもが三人いる。現在、上から中2、小2、小1の三人の男の子。彼らが生まれてきた日のことは、一生忘れられない。母親にとって妊娠期間と出産とは非常に大きな、人生を変える出来事である。長男が生まれてきたとき私は 「本当に、人間が生まれてきた…」 と不思議に思ったのを覚えている。私が産んだのは、一人の人間で。当たり前のことなのだが、それはとてつもなく神秘的で、言葉に言い表せない感動の出来事であった。そうして、私のおなかの中でぐるりんと動いていた小さな人間はこの世界に生まれてきて、目まぐるしい勢いで成長していった。 すべての瞬間が愛おしくて、あなたのためなら何でもできると、誓った存在。 色々な理由があって、昨今の離婚率は上昇の一途をたどっている。身の回りを見ても、離婚している夫婦は決して少なくない。もちろん、子どもがいたとしても、だ。 そしてこれも様々な理由で、どちらが子どもを引き取るかということで身を引いた母親も、数えるほどには知っている。私もその一人だ。母親が子どもを引き取れないという多くの場合、…
これまでの記事 重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子 ~妊娠から出産まで~ 重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子 ~手さぐりでの生活~ 重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子 ~生後4ヶ月での両側唇裂形成術~ 重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子 ~口蓋形成手術までの準備~ 重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子 ~2歳での口蓋形成手術~ 3歳7ヶ月。口唇口蓋裂のユウの言語訓練がスタートしました。
これまでの記事・重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子 ~妊娠から出産まで~ NICUのある病院へ 重度の口唇口蓋裂で生まれたユウは、低体重出生児だったこともありNICUのある病院に転院しました。小さなケースに入れられて救急車で送られるユウを見届けた翌日、私もその病院へ転院。産後の入院生活は病室とNICUとの行き来をすることになりました。 特殊な哺乳瓶・スペシャルニーズフィダー まずはミルクを飲めるようにならなければいけません。上唇がほとんどない状態で生まれてきたため、唇で哺乳瓶の乳首をとらえるということができません。そのためまずは挿管し、胃に直接チューブでミルクを入れていました。 哺乳瓶は口唇口蓋裂児が飲みやすいよう設計開発されたメデラ社/スペシャルニーズフィダーを使用し、飲む練習をしていくことになりました。 ホッツ床(口蓋閉鎖床)の作成 さらに、生後3日目ごろ歯科医の訪問があり、”ホッツ床”を渡され使い方を教えてもらいました。ホッツ床(しょう)は口蓋にはめて使うマウスピースのようなもので、ユウの口蓋に合わせて作られてありました。おそらく、生後すぐに型どりをしたのだと思います。 ホッツ床(口蓋閉鎖床)
これまでの記事 重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子 ~妊娠から出産まで~ 重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子 ~手さぐりでの生活~ 生後4ヶ月で口唇裂の手術をすることが決まったユウ。NICUに入ってすぐにだいたいの治療スケジュールは聞かされていたため、「ついに来たのだな」という気持ちでした。今回はそんな両側唇裂形成術についての経験を書き記したいと思います。 手術2週間前・術前検査 手術の約2週間前、術前検査が行われました。血液検査・レントゲンと、麻酔医による説明がありました。 レントゲンの撮り方は赤ちゃんならではのものでした。 まずおむつ一枚で台に寝かせ、手首・胸・太もも・足首をベルトで固定。その上からさらにネットを巻きます。 顔も動かないよう両側から板でほっぺたを挟むように固定。そのまま台が垂直に立ち上がり、撮影という流れでした。 「身動きが取れないよう押さえつけるので赤ちゃんはだいたい泣きます」と言われましたが、ユウはきょとんとして撮影が終了しました。 次は麻酔医による説明。ユウは心疾患もあるため、心不全のリスクが通常よりも若干高まるとのこと。改めて手術の怖さを感じ、受け入れなくてはいけない危険性の…
こんにちは、RedZingerColor(紅生姜)です。 私は2017年秋にADHDと診断されました。 その時の検査結果で初めて自分の特性を知り、その後向いている仕事を選んだことで快適に日々を過ごせるようになりました。自分の特性を知る以前に不向きな仕事に就いた時は、最後には心身不調によって退職せざるを得なくなりました。その当時と比べると今は天地の違いです。 この記事では『発達障害は能力の凹凸』で向き不向きがある事、そして自分の特性を知ることで救われた私の経験を紹介します。 ●ADHDの検査は臨床心理士の管理のもと行われる 私は当時の主治医に発達障害の疑いありとされてから、はっきりさせるために臨床心理士のもとで検査を受けました。WAIS-Ⅲという検査でした(現在はバージョンアップ版のWAIS-Ⅳが主流です)。 これは一種のIQテストで、 全検査IQ(総合的なIQ) 言語性IQ(言葉に関わる分野のIQ) 動作性IQ(体や物を動かすことに関わるIQ) の3つのIQと、 「言語理解(VC)」 「知覚統合(PO)」 「作動記憶(WM)」 「処理速度(PS)」の4つのIQがわかります。特に生活に影響してく…
こんにちは!皆さま如何お過ごしでしょうか? 最近発達障害が日本でも知られるようになってきた中、アメリカや他国での支援の仕組みや取り組みの違いも明らかになってきました。今回は私がニューヨーク周辺で見たり話し合ったアメリカと日本の発達障害の捉え方や教育、支援の違いなどについてお話していこうと思います。 今知られる中で代表的なADHD, ASD(アスペルガー症候群), 主な違いは? 数十年前まで”少し変わった子”、”躾のなっていない子”とされていた発達障害ですが、最近欧米各国での研究もまた進み日本でも多くの場所で診断ができる病院、心療内科が増えました。 ADHD 主に多動性、衝動性が随所に出る。旧ADD。 じっとしていられない、お喋りが止まらない、思ったことがそのまま口に出てしまう。喜怒哀楽、情緒の変動が激しく、抑えられない。怪我をしやすく、痣をよく作るが気づかない。過集中になりやすく夢中になるとオーバーワークしやすい。ボス的な態度を取りたがり集団行動が苦手、など。 女性に多いと言われている。コミュニケーションは苦手では無いが、上記の性質などで関わりに偏りがあるため、長続きしにくい。 ASD(アスペルガ…
こんにちは。 今回は最近日本でも周知になってきたアスペルガー症候群(ASD、自閉スペクトラム症候群)について詳しくまとめていこうと思います。 近年、アスペルガー症候群の書籍やウェブサイトや専門家によるブログなどが多く出回っていますが、そこで問題とされているのがアスペルガー当事者、本人による著書やまとめが特に基本多いという点。 何故それが問題なのかというと、アスペルガー症候群とはまず他者とのコミュニケーションに想像力が無いというのが障害。 そういう目線で自己の障害を説明したものを書いても実際ほとんど当事者目線でしか説明ができていなく、障害自体に対する事実、他者との繋がりについてどう解決していくかなどの具体的な説明についてはどうしても偏りがあり、また他者との混乱を招いてしまっているのが現状です。 私は身内にアスペルガー系の問題のある人が多く、カサンドラ症候群で餌食になり死にかけた身として両者の目線からこちらで事実だけを説明していこうと思います。 ①アスペルガー症候群(ASD)は言語障害の無い自閉症 こちらも随分勘違いしている人が多いのですが、アスペルガー症候群(ASD, 自閉スペクトラム症候群)は言葉の…
私は子育て経験がありません。 ですが、「子育て」というカテゴリで主張したいことがあります。 それは、「いじめ」についてです。 私は、小学校4年生~中学3年生まで、いじめられていました。 田舎の学校なので、保育園から中学までメンバーはほぼ一緒(1学年1桁人数レベル)という狭い世界でも、いじめは普通に起こります。 約6年間、色んな人にいじめられてきましたが、初めにいじめてきたのは「転校生」でした。 親や学校に相談もして、何とか我慢して過ごしていましたが、担任の先生の対応が何とも残念だったことは、20年近く経った今でも根に持っています。 しかし、それだけを根に持っていても仕方ありません。振り返ってみれば、「あの時私(もしくは親)がこんな行動に出たら、先生の対応も少しは変わっていたかも。」ということもあります。 そこで今回は、「いじめられた話」、「担任の先生に相談した時のこと」、「 私(もしくは親)がこんな行動に出ていたらよかったかも」ということをお話します。 いじめに悩む・悩んでいそうなお子様をお持ちの保護者の方には、おすすめしたい内容です。 いじめられた経験 小3の終わりごろに、同級生の転…