驚くことに、いまだにゲイ=オカマ、ゲイ=オネエと思っている人が少なくない。
つい最近、
「ゲイってオカマでしょ?マツコ・デラックスみたいな?笑」
と言われた。
オカマさんやオネエは、ゲイの場合もあるしトランスジェンダーの場合もあるし性同一性障害の場合もある。
私は、トランスジェンダーでも性同一性障害でもなく、ただのフツーのゲイだ。
という話をしたら、
「いやいや、お前の見た目じゃ分からないよ」
と言われた。つまり、「ゲイっぽくない。せめて分かりやすいゲイになれ」ということだろうか?
ゲイっぽくないゲイ。実は分かりやすいゲイより、ゲイっぽくないゲイの方が多い。特にこの日本では。
以前、実家で父親がこんなことを言っていた。
(テレビに映っているイケメンオネエを見ながら)
「ゲイの人ってこういうナヨナヨした男ばかりなんだね」
と。なるほど…私たちはメディアにかなり影響を受けていると思う。
私みたいな、フツーのゲイはなかなか出演しない。分かりやすいゲイばっかりである。(視聴率やウケ狙い?)
とにかく、勘違いしている人が多いので、書かせていただく。
"ゲイには、色々な種類がある"のだ。メディアの影響を受けすぎないでもらいたい。
「フツーのゲイなんて俺に身の周りにはいない」と思っている人に、いざカミングアウトしてしまったらどうなるだろうか?
カミングアウトされた方は目を丸くして驚き、自分1人で抱えているのが怖くなって誰かにバラしてしまうかもしれない。
これを『アウティング』というのだが、事実、アウティングにより自殺者まで出ている。
要は、「知らない」からこそ「恐怖」を生み、「恐怖」は「悪い何か」を引き起こす。一橋大学アウティング事件なんかまさにそうだ。
「フツーのゲイもいるんだ」ということを予め知っていれば、ゲイ大学生を自殺に追いこむことなんてなかっただろう。
フツーのゲイ。フツーのゲイにも何種類かある。
例えば、シャイニーゲイ。
これはSNSを中心に一時期流行った言葉だ。
簡単にいうと、「見た目は男っぽいフツーのゲイで、平日はしっかり仕事をこなし、休日になると同じような仲間で集まり、遊びにイキイキとしている人」のこと。
もっと具体的に言うと、SNS上で、「みんなでBBQなう」という文章と共に、キラキラとした集合写真をアップしているような人たち。だいたい東京。「いいな~」「羨ましい」「いつも楽しそう」という地方勢からのリプライが寄せられていたりする。
シャイニーという言葉は、ディスの意味でも使われていた。"シャイニーになりたいのにイマイチなりきれてない人"に対し、「あの人シャイニーだよね(苦笑)」みたいな。
シャイニーの反対は非シャイニーである。
非シャイニーは、私みたいな地味でフツーのゲイのことだ。
休日はゲイの友達5,6人でパーティーすることもなく、東京で楽しい休日を過ごしているわけでもない。
友達(少ない)とはたまに会い、東京にはたまに行く。新宿二丁目には半年に1回ぐらい顔を出し、懐かしい旧友と酒を飲んだり。
全く派手ではない生活。BBQやプールに行くこともないので、ゲイ仲間との集合写真をSNSにアップすることもない。
彼らは、"自分ってこんなに輝いているんだぜ"と見せつけたいのかもしれないが、私は別に輝いてなくてもいいと思っている。
大好きな相方と、親友が数人いて、平和な日々を送っているだけ。
と、こんなスタンスの非シャイニーの方がシャイニーよりも多いだろう。
非シャイニーだからといい、恥じることでもない。
シャイニーと非シャイニー。
あとはGMPDというグループなんかもある。
ガチムチ、むっちり、ぽっちゃり、デブ、の頭文字だ。GMPDはゲイの中で最もモテると断言してもいい。
GMPDは、短髪×筋肉×ラウンドヒゲという"分かりやすい"格好をしていることが多い。
私ぐらいになると、街中でGMPDゲイを一発で見抜ける。
GMPDの中でも、もちろんシャイニーor非シャイニーで分かれる。
ただ、GMPDはGMPDとして、大きなグループを形成している。
彼らの仲間に入りたいと思った時もあるが、自身がGMPDにならないと厳しいので諦めた。
GMPDは、身体の細いゲイや、草食系前髪男子とはあまりつるまないイメージ。
まれにGMPDでも、草食系前髪男子のことが好きな人もいる。
ただほとんどのGMPDは、GMPDが好きだ。
色々書いてきたが、要は、ゲイにも色々な種類があるということだ。
シャイニーもいれば、非シャイニーもいる。分かりやすいGMPDもいれば、分かりにくいゲイもいる。
ゲイ=オカマ,オネエだけだと思わないで欲しい、ということだ。
ゲイ=オカマ,オネエだけだと思わないで欲しい、ということだ。
いざフツーのゲイからカミングアウトされた時に、しぬほど驚いてしまうだろうから。
そして、カミングアウトされたら、アウティングはしないで欲しい。
あなたのことを信用して、"あなただからこそ"カミングアウトしているのだ。