こんにちは。コロナ渦も第一波は少し落ち着いてきた様子。。。 皆さんどうお過ごしですか?
ご存知の通りミネアポリスにて警察の起こした殺人事件からBlack Lives Matterの抗議活動が始まり全米から今や世界中に広がり、抗議活動と暴動の混濁した大変難しい状況になっています。
ロックダウンしてから三ヶ月近く、いよいよニューヨークも感染者と死亡者の減少とともに部分的な経済活動の再開を予定しています。つい今日、6月8日から約79日ぶりに第一段階として建設、農業、林業など小売業の再開を始めました。
経営を再開しても勿論引き続きソーシャルディスタンディングやマスク、手を洗う、施設などの除菌は徹底して行うよう政令が出されていますが、心配されているのがこの抗議活動によって増えた感染者の可能性、そしてそれが活動を再開する事によって今年中また予期されている第二波を余計悪化させる要因になるのでは、という部分。
私の近所もみるみるお店がほとんど全部木の板張りになってしまい、一昨日までは夜間は午後8時から朝5時までの外出は禁止されていたためまだ物々しい雰囲気です。お店が鏡開きのドアだったりすると人の出入りが外から見えないのでよくぶつかりそうになったりします。。。
時間のある時は息抜きに近くの公園をふらふらしていたのですが、デモが予定されている日はその公園も安全性のため閉鎖されてしまい、段々ただでさえ限られた行動範囲がまた狭まっている気がして悲しいです。。。
アメリカの黒人差別について色々質問されるのですが、今その背景を知るのにおすすめになっている作品があります。
13th | Full Feature | Netflix
アメリカで問題になっている”制度的人種差別”を語ったドキュメンタリー。今このプロテスタントを機会にまたネットフリックスで話題になっています。こちらの動画は現在無料で見ることができます。
ネットフリックスはこの暴動を機にTwitterにて “沈黙する事は共犯と同じです” と表明。
ニューヨークでも先日セントラルパークにて白人女性が黒人に脅されている、と警官に通報し結局差別目的での言いがかりだった事実を通報された黒人男性が全て携帯で録画していたため、この白人女性が仕事をクビになるという事件が発生。
加えて個人情報も晒され、以前も似たような問題を起こしていたことが発覚しました。
また黒人の差別への問題意識とは別に、過剰な抗議活動をする白人や他人種も問題になっており、町中意図せず店先やマンションに落書きをされたり、暴動を受け破壊された商店を助ける“フリ”をする写真を自分のインスタグラムのために作る人が現れるなど、当初の黒人達の問題とズレて一人歩きした差別問題のキャンペーン化などもまた問題になっています。
そして暴徒の制圧のためにかりだされた警察の行き過ぎた暴力などで関係ない人まで重症を追うなど、事態は困難と複雑になってきています。
このような事件はアメリカ国内で多発して問題になっており、ニューヨークでは少数とされていたのですが今回の事件や他にも発覚した問題で市民はショックを受けています。。。
このようなアメリカに長く潜在していた問題がこのコロナ渦とプロテストによって露呈した事によって、経済再開をした後人々の意識が少し変わっていくかもしれません。
先日、外を歩いているとセキュリティのおじさんがハーイ、と話しかけてきました。
ハーイ、と返して調子はどう?ロックダウン疲れちゃうよね、と世間話をしました。話してくうちにやはりこの差別問題の話になったのですが、問題が露呈する事は良い事だけど、近頃皆んなそれを気にして話しかけるのに余計気を遣ってきてるのを感じて難しい、と言っていました。
話していると歩行補助用のカートを押した白人のお婆さんがやってきてねえ貴方達Black Lives Matterの話をしてるの?近頃コロナで人と話せないから寂しいのよ、と混じってきました。
そのお婆さんは若い頃両親の仕事の関係でドイツにいたらしく、今もあのユダヤ人差別がすぐ近くにあるように感じる、自分は白人だがこのプロテストも人ごとに感じられない、と残念そうに言った後三人で手を握り合いました。
この難しい時間、人懐こいニューヨーカーは今みんな、もっと人恋しそうです。
自分の日本人、そしてアジア人としての観点がとても考えさせられる現在ですが、自分の”人間としての”差別意識の概念を根本的に、そして今世界が試されているような気がしてなりません。昨年のLGBTQ問題に始まり女性差別、格差、そして今の黒人差別。。。それらは理由に限らずそもそも色が変わったり立場が変わったり、きっと同じ人種だろうと解決できる事ではない、人間をアップデートする必要に迫られている時期の始まりなのかもしれません。