この言葉は業界で一部の人間しか使っていない造語だったらしく、Googleで検索したところヒット0、SNSで検索したところヒット1だった。
ちなみに、前回の投稿ではこう書いた。
『確かに、異性愛者に比べて物やサービスを積極的に購入するだろうし、LGBTフレンドリーな企業や商品に対し好印象を抱くのは事実。
しかし、それを逆手にとってLGBTを金儲けの道具にしようとすると「LGBTハイエナ」というレッテルを付けられ、逆に印象が悪化するケースもありえる』
LGBTハイエナとはつまり、LGBTブームに乗っかって金儲けをしようと企む企業、もしくは個人のことだ。
先日、ゲイとバイセクシャルの友人とご飯を食べる機会があり、こんな話が出た。
「〇〇さんってLGBT講演とか色々やってるけど、結局何がしたいのかよく分からないよね」「そもそも講演者なのに、LGBTについて正しく理解できていないじゃん」「LGBTハイエナにしか思えないよ」などなど。
〇〇さんは、以前Twitterで、バイセクシャルとパンセクシャルを混同にして考えていた。
バイセクシャルとは、両性愛者のこと。"男性"か"女性"、どちらかを好きになる人のことを指す。
パンセクシャルとは、全性愛者のこと。恋愛対象を男性か女性、と定めておらず、例えばニューハーフを好きになったり性同一性障害の人を好きになったりもする。
バイセクシャルとパンセクシャルは似ているようで全く異なるのだが、〇〇さんはLGBT講演などしている身でありながら、完全に混同して考えていた。そしてその間違った認識をSNSで堂々と発信していた。
最近、急にLGBT講演などやり始めた〇〇さんを見て、きっと多くの人はこう思っただろう。「LGBTに関する専門家っていう立ち位置なのに、そんなんで大丈夫なの?」と。
つまり何が言いたいかというと、本人にそのつもりがなかったとしても、周りからLGBTハイエナだと思われてしまう可能性はあるということ。これは個人、企業も同じだ。
LGBT当事者は、彼らがLGBTハイエナかどうか(LGBTを切り口にしてただ金儲けをしたいだけなのかどうか)をある程度見抜く力がある。
実際、LGBTのことを本当に想ってくれている、LGBTコンサル会社やLGBT研修会社などあるだろう。しかし、なんとなく始めて、なんとなくLGBTブームに乗っかって、なんとなく金儲けができればいいやと思っている人達もまた多いのだ。
正直に言うと、私自身、半分LGBTハイエナだったかもしれない。
今でこそ123ishにこうやって"誰も書かない"本音を投稿しているが、つい最近まで、「LGBTはキレイなんです!」みたいなことをLGBTメディアに投稿していた。
そのメディアは広告収入を目的に立ち上げたもので、「LGBTに関する情報を発信し続ければ、アクセスも集まって、広告収入で稼げるのでは?」という下心(?)が大きかった。いわゆる、LGBTブームに乗っかったのだ。
LGBTの差別偏見撲滅や、悩んでいる人の支援を名目に執筆・活動していたのだが、ある日から全く更新していない。
それは、「心の底から思っていないことなのに、こんな情報ばっかり発信していたら、まるでLGBTハイエナじゃん」と思ったのが大きい。
事実、半分はLGBTハイエナだったと思う。
言動に想いが伴っていないからだ。本気でLGBTの支援がしたくて、本気で情報を発信していればまた話は違ってくるのだが。。
これの恐ろしい点は、そのメディアを覗いた人からしたら"分からない"ということだ。こんな風にリアルな想いも書いていないので、記事を見た人からすれば「この人はLGBTを本気で支援がしたいんだな!」と思うに違いない。
なんとなくだが、これは危険だなと思った。ネットだからいくらでも人を欺けてしまうのだ。
でも、"分かる人には分かる"というのも事実。
「こいつLGBTブームに乗っかってるだけだな」ときっと何人もの人に思われただろう。事実、「薄っぺらくないですか?」「本気で支援する気ないでしょ」というツッコミがコメントで来た。
やっぱり、分かる人には分かるんだなぁと。自分が、〇〇さんに対し、LGBTハイエナ認定をしたように。。
まとめると、LGBTハイエナとは、LGBTブームに乗っかって金儲けをしようと企む企業、もしくは個人のこと。
そして、その金儲けには「想い」が伴っていないこと。要はLGBTを道具にしか思っていない。
逆にいえば、きちんとした「想い」があり、LGBTをターゲットにしたビズネスを展開している企業に対しては、素直に「凄いな」と思う。もしかしたら、そういう企業ですら、実は上っ面の「想い」を述べているだけかもしれないが。。
まぁそこまで言い出すとキリがないのも事実。
ただ、我々の"見抜く力"をあなどってはいけない。。みんな敏感なのだ。