昨今、LGBT(レズビアン,ゲイ,バイセクシャル,トランスジェンダー)と並んでじわじわと知られるようになってきた「アライ」。アライとは同盟や支援という意味を表す「Ally」が語源の、LGBT当事者以外の人が、LGBTを含むセクシャルマイノリティを理解し、支援するといった考え方、あるいはそういった立場を明確にしている人を指す言葉である。今回、アライを表明している異性愛者の方に色々聞くことができたので、それをベースに『アライが抱えている悩みについて』ということでご紹介していく。色々考えるキッカケにしてもらえたら嬉しい。◆具体的に何をすればいいか分からない「アライはアライだけど、具体的に何をすればいいか分からない」とのこと。なるほど、確かにアライの立ち位置として、何が正しいのかは分かりかねる。というか正解はない。個人的には、LGBTなどセクシャルマイノリティに関して「理解していますよ」という立ち位置にいるだけで立派なアライだと思う。「思っているだけでは変わらないので、アライステッカーを貼るなど実際に行動している人こそが真のアライだ」という意見もあるが、日本ではまだ半数以上の人がLGBTという言葉すら知らないというのが現状。まずはLGBTという言葉を知ってくれるだけで、そういう人たちが当たり前に身近にいるんだということを理解してくれるだけでありがたいのでは?と思ってしまう。それに、具体的に何かをすればいいか分からないと悩んでいる人に対して、何かをしろと強制できるものでない。ステッカーを貼ったりするなど、自分ができると思ったことをすればいいと思うし、仮に何もしなくても、「理解していますよ」というスタンスでいてくれるだけで嬉しい、という感じである。念のため、「アライができること」ということで画像を貼らせていただく。ただ、「これらをしてくれ!」と強制したいわけではないので、ご理解いただきたい。【出典元:https://www.slideshare.net/haru1989/lgbt-15014912】(そもそも個人的には「支援」という言葉があまり好きではない。「LGBTを支援することを恐れない」だと、LGBTが弱者みたいな感じである。確かにマイノリティである以上、どうしても弱者側の扱いになってしまうが・・・)◆カミングアウトしてくれる人が周囲にいない「アライはアライだけど、カミングアウトされた経験が一度もない」「実態がつかめない」とのこと。カミングアウトというものは非常にセンシティブな問題である。信用している人ほど、関係性が壊れるかもしれないリスクを考えると言いにくいし、アライステッカーが貼ってあろうと言いにくいものは言いにくいのである。カミングアウトするかどうかを決めるのはLGBT当時者側の問題で、アライ側にはどうすることもできない、といった感じだろう。また、そもそも「誰がアライか分からない」という問題もある。全てのアライがアライステッカーを貼っているわけではないから・・・◆アライだがLGBTに対する知識がほぼない「LGBTについては何となく知っているし、理解もしている」というアライがいても、現実世界において全くカミングアウトされないことで、LGBTに対する知識がほぼないというケースも多い。そもそも、LGBTのことを割と深く知っている異性愛者なんてごくわずかだろう。かといって、「アライの理解を深めるためにLGBTはどんどんカミングアウトしよう」なんて無責任なことも言えない。カミングアウトをするかどうかは、個々人が決めることである。ということで、LGBTに対して興味を持ってくれているアライの人は、インターネットなどで色々調べるのもありだと思う。LGBT当事者が身近にいないと、質問もできないと思うので。インターネット上には様々な情報が溢れ返っているので、LGBTに関して良くも悪くも色々知ることができると思う。知らない世界をより知るということは、自分自身の成長にも、価値観の拡大にも繋がるだろう。デメリットはほぼないと思うので、ぜひ色々調べてもらいたい。◆誰もが誰かのアライになれるこれは綺麗事かもしれないが、LGBTに限らず、誰もが誰かのアライになれるのだと思う。そのためには、まずは知ること、そしてできれば表明することが大事なのだろう。そしてLGBTなどセクシャルマイノリティがより生きやすい世の中になるためには、アライの存在は欠かせない。国の上層部がみんなアライになってくれたら、あらゆる制度なんてすぐに変わってしまう気がする。アライにも色々悩みはあると思うが、お互い助け合って生きていけたら素敵である。(綺麗事で終わりにしてすみません)