さて、「日本ではLGBTは到底受け入れてもらえない」「日本在住の多くのLGBT当時者が、受け入れてもらえることを諦めている」「そもそも、現状維持のままでいいと思う」というようなことを書いてきたわけだが。。
そういう人達の根底にあるのは、「これまで、差別・偏見など辛い経験をしてきた」という過去であり、「これから、淡い希望を持って、裏切られたり叩きのめされたりするぐらいなら、いっそのこと"どうせ受け入れてもらえない"と思い込む方が自分自身、楽」なのかもしれない。
半分、逃げでもある気がしてきた。
そういう意味で、私は社会と戦っていない。
LGBTアクティビスト達は、LGBT全体の権利獲得のために、社会と、世間と、戦っているのだろうか。
LGBT全体の権利獲得。
これについて一晩考えてみた。日本でLGBT差別偏見撲滅を謳っている人達(戦っている人達)はたくさんいるのだが、一体、最終的な目標・着地点はどこなのか?
差別偏見を"100%"なくすこと?誰もが生きやすい世の中に改革すること?安倍政権を終了させること?性別という概念を取っ払うこと?
ここで一つ思った。LGBTが奪われている権利って何だ?と。同性愛が犯罪なわけではないし。(日本だと)
もしかしたら、結婚権かもしれない、と思った。同性結婚。
LGBTアクティビスト達が以前言っていた言葉がある。「どうして同性同士の結婚が認められないのか?私達が何か悪いことでもしたか?権利は平等ではないのか?」と。
確かに、その点においては、"権利が奪われている"気がする。改めて考えると、同性同士だと、日本では結婚できないのだ。
日本国憲法の解釈次第で、同性結婚は認められる、という意見・主張もある。しかし、今の日本の政治家を見ている限り、同性結婚云々の話をしている余裕はないと思う。。
世界中で同性結婚の達成がLGBT全体の権利獲得運動・活動の最終的な目標地点だとしたら、どれだけ長い戦いになるのだろう。もしかしたら、自分が生きている間には達成されないかもしれない。
ただ、明るい(?)ニュースもある。
アジアで始めて同性結婚が認められる国がある。2~3年後の適用にはなるのだが、台湾で同性結婚が認められることになった。
日本も台湾に続く可能性は、ある。
さらに、日本各地でどんどん同性パートナーシップ制度が導入されている。
渋谷区を皮切りに、世田谷区、伊賀市、宝塚市、那覇市、札幌市、福岡市、などなど。最近だと、中野区も導入を始めた。
ある同性パートナーが声を上げたことで、今後は埼玉でも導入されるかもしれない、といった感じだ。
同性パートナーシップ制度を取得すると、「私達は真剣に付き合っていますよ」ということをアピールできるのが良い。パートナーが緊急入院をしたとしても、同性パートナーシップ証明書があれば病室に入れる。ただ、法的拘束力はない。法律では守られていないので、赤の他人同士ということにはなる。
世の中の流れ的に、同性パートナーシップ制度を導入する自治体がどんどん増えていけばどうなるか。もしかしたら、本当に、台湾に続いて同性結婚が認められる日が来るかもしれない。その日が来るまで、毎年行われるLGBTレインボーパレードはきっと歩みを止めない。LGBTアクティビスト達も、活動をし続けるだろう。
同性結婚。冷静に考えると、なんで同性同士という理由だけで結婚できないのだろう。
ずっと、最後まで一緒にいたいパートナーがいるのに、、結婚できないなんて、、、
いつか実現されるのだろうか?どうなるのかは、誰にも分からない。
大きな壁、、見えない壁がある気がする。
なんていうか、そもそも、LGBT側の意見や主張、活動って高い割合ですれ違いを生んでいないだろうか。
例えば、タイムリーな話でいうと、今日の話。
島根県の某議員が「未手術で男性器のついたLGBTが女風呂に入ったら混乱する」というような発言を、面白おかしく?したらしい。
これに対し、LGBT支援団体の『のりこえねっと紫の風』が、「不適切だ!」と顔を真っ赤にして謝罪を求めた。
ネット上ではこれに対し、賛否両論。
「どこが不適切なの?」「俺がLGBTですっていって女風呂に入ってもいいってこと?」「こいつらは本当自分のことしか考えていないな」「LGBTまじで気持ち悪いわ」「未手術で男性器のついたLGBTが女風呂に入ったら、混乱するに決まってんだろ」「LGBTって、なんかあったらすぐに差別偏見だ!って謝罪を求めるよな」「不適切?どこが?正論じゃん」
といった声が相次いでいる。
このパターンはこれで何回目なんだろう。LGBT支援団体も、自分の発言がすれ違いを生んでいたり、誤解を生んでいたりすることに気付かないのか?
LGBT支援団体のせいでLGBTに対する差別偏見が加速しているとしたら、何とも皮肉な話である。
私はここに大きな壁を感じている。
仮に日本で同性結婚が認められたとして、LGBTに対する差別偏見がなくなる、なんてことはない。
LGBT支援団体のせいだとは言わないが、LGBTに対していいイメージを持っていない人の方が多いのは事実。
今この瞬間も、Twitterでは色々言われている。「今度LGBTのフリして女湯に入る」と本気で言っている人も。。
果たして、この長い戦いはどうなるのだろう。世間との間に立ちはだかる大きな壁をぶっ壊せるのだろうか。