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日本国憲法から見る婚姻制度とLGBT

2018/06/26 更新 2018/12/27
今回は日本国憲法から見る婚姻制度とLGBTというテーマで書いていく。

2018年現在、日本において、同性結婚はまだ法的に認められていない。

アメリカやオランダ、オーストラリアなど数十か国で同性結婚が認められている一方で、同性結婚どころか同性愛が犯罪になる国も多く存在する。

日本においては、渋谷区を皮切りに「同性パートナーシップ制度」を採用する自治体も少しずつ増えてきて、これが積み重なっていけばいつか日本でも同性結婚が認めらる日が来るのではないか、という希望もある。

しかし、何故日本では同性結婚が出来ないのか?

平等を謳うのなら、「同性同士だから」という理由で結婚できないなんて本来おかしなことである。

日本の法律はどうなっているのか?

日本における同性結婚に関する決まりごとについて、日本国憲法を紐解きながら記していきたい。

…

日本では同性結婚ができない。その答えは、日本国憲法第24条1項と2項にあった。

"「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」

「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」"

この「両性」とは、「男性」と「女性」を指しているという説と、それぞれが独立した両方の性として同性同士の組み合わせも含まれると解釈する説もある。

つまり「両性」という言葉の捉え方によって、解釈の仕方が180度変わるということだ…


■「両性」は「異性」を意味するのか?

2018年現在、日本で同性結婚が認められていない理由としてはやはり、「両性」が「男性」と「女性」として解釈できるからと言える。

第97代内閣総理大臣安倍晋三も、2015年の参議院本会議において「現行憲法の下では、同性カップルの婚姻の成立を認めることは想定されていない」と述べている。

また2015年4月の衆議院予算会議でも、同性結婚について、「憲法で結婚については"両性の合意"ということになっている。慎重に議論していくべき課題だ」と真剣な眼差しで述べている。

"慎重に議論していくべきだ"か…

そもそも、日本国憲法制定時に、同性結婚の可能性については考慮されていなかった(想定されていなかった)と考えるのが一般的だと思う。


■合憲論を唱える人達。「両性」の意味を巡る戦い

日本国憲法第24条は、「本人の意志に関わらず、親により婚姻を決められることもあった」という当時の時代背景から、婚姻を望む二人の合意のもとに行われるということを確立するために書かれたもので、同性結婚の禁止を意図したものではない、という説がある。

また、「両性は男性と女性を指し、同性同士はこれに当てはまらない」という記述もなかったために、「両性」は男女の組み合わせに限定されず、「それぞれの独立した性」として「男性と男性」「女性と女性」の組み合わせも含まれると解釈できるのではないか、という説もある。

木村草太などの憲法学者は、日本国憲法第24条1項は「両性の合意のみに基づいて成立することを示しているに過ぎず、同性結婚を禁止した条文ではない」と述べている。

また、憲法では同性婚について何も触れていない・言及していないため、同性婚の禁止を意図したものではない、と考察している弁護士らもいる。

果たして、一体何が正しいのだろうか?

こう冷静に見ると、憲法内で同性結婚については何も触れていないし、「両性」は男女としてしか定義できない、という論も少し視野が狭いのではないか、と思ってしまうが…


■日本は「同性結婚」について無視しているのか?

現在の日本では、違憲論を覆すことができず、また、どちらの解釈が絶対的に正しいとも言えず、まるで宙ぶらりんの状態で止まっているかのように感じる。

ハインリッヒ・トリーペルというドイツの学者によると、同性結婚については「1.敵視」「2.無視」「3.承認」「4.憲法的編入」の4段階から成る態度がとられると言います。

日本では同性結婚について敵視はされていないものの、「2.無視」の状態、もしくは「2.無視」と「3.承認」の中間にある状態だと言えそうだ。

「同性パートナーシップ制度」などの前向きな施策は増えてきていますが、日本国憲法の取り決めで「3.承認」となるのはまだまだ先になることだろう。

いずれにせよ米国みたくもっと「話し合う」ことが大事だと感じる。

少ない議論からはほとんど何も生まれないのではないだろうか?


■なぜ「同性同士」だからと言う理由で、愛する人間と結婚ができないのか

同性愛者の方々を法律が無視してしまっていることにもなりかねないと思う。

何故なら、日本国憲法で「法の下の平等」や「個人としての尊重」や「幸福追求権」などの規定が定められているのに、同性愛者が結婚の権利を剥奪されているから。

これに対して「不平等だ」と声をあげているLGBT当事者の方も少なくない。

彼らが必死に声をあげているのは、自分たちが「特別だ」と思って欲しいからではなく、ただ「同じ権利が欲しい」だけなのかもしれない。

自治体レベルでは「同性パートナーシップ制度」など定められてきているが、法の整備がされる見通しはまだ全く立っていない。


■同性結婚が家族制度の崩壊を招く、という間違った認識

2018年2月10日に放送された、テレビ朝日系『池上彰のニュースそうだったのか』にて、LGBTが取り上げられ、池上彰が「日本で同性結婚がまだ認められていないのは、日本のトップが、同性結婚を認めると家族制度の崩壊を招くと思っている」と言っていましたが、果たして本当にそうなのか?

同性結婚が認められると、出生率の低下を招き、少子化を加速させ、家族制度どころか日本の崩壊を招く、とでも言いたいのだろうか?

しかしこれに関しては間違った解釈であり、偏見だと思う。

「同性婚を認めたら少子化が加速する」説にはエビデンスがないどころか、少し昔の人口統計調査を見る限り論破されているのだ。

こちら、参考資料。
【出典元:http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20140403/p2】

↑同性結婚が認められているオランダやカナダの出生率の方が、日本よりも高い。

つまり、同性結婚が家族制度の崩壊を招く、というのは間違った認識である。むしろ時代遅れかもしれない



LGBTに対する差別偏見解消の一歩で、同性結婚の可決というのは大きいかもしれない。

(今までLGBTに対する差別偏見云々と同性結婚は別物だと思っていたが…)

日本のトップが変わってくれないと、同性結婚の可決は難しいのだろうか。それとも国民次第?

いずれにせよ、どうなるかは分からない…


次回は楽しい内容をお送りする予定。





#LGBT, #日本国憲法, #同性結婚, #婚姻制度
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