いずれにせよ、LGBTという市場に対し、BIGビジネスチャンスということで世界中が目を付けているのは間違いない。
日本では、年間市場規模は6兆円。アメリカでは77兆円もあると言われている。
世界全体で見ると、軽く100兆円は超えている。
【出典元:http://blog-imgs-53.fc2.com/r/a/i/rainbowgrid/20121217160122edc.png】
そもそもLGBT市場とはどういうことか?
簡単にいうと、LGBT当事者をターゲットにしたマーケットである。
LGBTは、新商品や新サービスに対し反応が良く、「これいいな」と思うものがあったら高額だとしても躊躇せず購入する意欲があるらしい。
例えば、服やインテリア。化粧品なんかもそうだ。
また、LGBTに配慮した広告・商品・サービスに対しLGBTは敏感で、その企業やブランドに対し好印象を抱き、購入に結びつくケースが多いという。
実際、ゲイに好まれるファンションブランド、「ホリスター」「アバクロ」「トミー」「マークバイマークジェイコブス」「GAP」なんかは見事に成功している。
GAPに関しては、東京レインボープライドの期間、虹色の旗や看板を掲げたことで有名だ。
そんな姿を見て、「あ、GAPってLGBTに優しいんだ。ちょっと見てみるかな」と店内に入ったLGBTはどれだけいることだろう。
結婚もしないし、子供もいないので(海外だと同性結婚や養子で子供を授かるケースもあるが)、基本的にはお金を持っているLGBT。
「これいいな」と思うものがあったら、躊躇せずに買う人が多いのだろう。
実際、私自身、突発的に物を購入するケースが多い。ジェンダーレスを謳っている化粧品や、お洒落な服など。LGBTの人は「今」に投資する傾向がある。
また、旅行に対する投資も凄い。
LGBT市場として目を付けられているのは"物"だけではない。旅行などの"サービス"もだ。
実際、サンフランシスコにある会社 Community Marketing & Insightsがゲイとレズビアンを対象にした2012年の調査で、LGBTは、『旅行先やホテル選びに "LGBTフレンドリーさ"を重視する』ということが明らかになっている。
その点で考えると、素晴らしい観光コンテンツがある日本だが、アジア地域では日本よりもタイや台湾などの方が好まれている。
そもそも、その場所自体がLGBTに対して寛容であったり、リベラルである。また、バーやホテルやナイトスポットなどのゲイタウンが存在する点や、同じコミュニティの人達と気軽に会える点が人気を高める理由の一つだ。
まとめると、LGBT市場は日本だけでも6兆円オーバー。
物理的な物だけでなく観光コンテンツなどのサービスまで、対象は多岐に渡る。LGBTを囲うことができたら、一気に売上がアップする可能性もある。実際、色々な意味で夢のある市場だとは思う。
しかし、ここに1つだけ落とし穴がある。
LGBT市場という言葉は、それこそ最近になって聞くようになったが、そもそも「0円市場」が突如「6兆円市場」になったというわけではない。
昔からLGBTは存在していたし、世界中で買い物をしていたのだ。世の中の流れ的にLGBTブームが訪れ、これまで見えなかったものが"可視化"されたに過ぎない。
なので、「LGBT市場って急に凄いらしいな!今度の商品には"LGBT向け"という言葉を入れよう!」といって、安直に新商品を打ち出したところで簡単に売れるわけでもない。むしろ、我々はそういうのを見抜く力さえある。
「LGBT向け」や「ゲイ向け」という枕詞さえつければ何でも売れるなんて思ったら大間違いなのだ。
確かに、異性愛者に比べて物やサービスを積極的に購入するだろうし、LGBTフレンドリーな企業や商品に対し好印象を抱くのは事実。
しかし、それを逆手にとってLGBTを金儲けの道具にしようとすると「LGBTハイエナ」というレッテルを付けられ、逆に印象が悪化するケースもありえる。
だからこそ、慎重にやる必要があるのだ。
世界的に有名な企業『LUSH』なんかは、LGBTに寄り添った戦略,商品,サービスを打ち出し、見事に成功していた。
結局、どれだけユーザーの心に寄り添えるかがポイントだと思う。