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一橋大学アウティング事件の進捗。大学側との裁判は続く

2018/07/20 更新 2018/12/27
いまだ遺族と大学側が争っている一橋大学アウティング事件。
事件からもうすぐ3年を迎える。
この事件について改めて調べて、思うことがあったので書き残しておきたい。

実はつい最近、アウティングしてしまった同級生と遺族は「和解」という形で裁判が終わった。
ただ、一橋大学との裁判はいまだ継続中。一橋大学の対応があまりにも酷かったのだ。
もう少し"まし"な対応をしていれば命を失わずに済んだのではないか?ということ。

この事件は、アウティングしてしまった同級生も、一橋大学側も、LGBTということについてほとんど無知だったのだろう。
結果、アウティングされてしまい、大学側も適切な処置を取らなかった。軽く考えていたのだと思う。

アウティングの危険性はこの事件をきっかけに広く知られることになった。

現在もなお責任を認めようとせずうやむやにする一橋大学。
今回、明治大学で一橋大学アウティング事件裁判の報告会が行われたらしく、LGBT非営利団体Fairがその一部始終を記録。(ハフィントンポストが転載)
それを絡めつつ、記述していく。


■一橋大学の当時の対応について

自死してしまった一橋大学生をAさんとする。

Aさんは、同級生に告白をし、結果的にアウティングされてしまった。
それ以降、担当教授だけでなく、ハラスメント相談室や大学の保健センターへも相談をしている。

ただ、アウティングされてから自死を選ぶまでの2か月間、まともな対応はされなかった、という。

ハラスメントの専門相談員は、「学生委員会での対応がいい」とたらい回し。
さらには、あなた自身が堂々としてればいい、と適当なアドバイスをしたという記録がある。

保健センターへ相談した際は、なんと性同一性障害かどうかの受診をすすめられたという。
ふざけてる。完全にふざけてる。

そして担当教授は、両者の話を聞いた上で「人間関係のトラブル」とし、適切な対処をしなかった。完全に軽視していたのだ。

さらに。

Aさんが自死をしてしまった後、一橋大学から遺族に対する一番最初の説明は、
「ショックなお知らせがあります、息子さんは同性愛者でした」
【引用:http://fairs-fair.org/outing_20180716/】

という有り得ない一言。もう鳥肌が立ってくる。LGBTに対する無知が行き過ぎると、こんなことになってしまうのか・・・

しかも一橋大学がどのような対応をしてきたかなど、何も教えてくれなかったという。

胸が痛い。久々に胸が痛んでいる。

『まとめると、大学側はセクシュアリティについての適切な情報は持っておらず、アウティングの危険性も把握していなかった。
それにより、今回の事件を単なる人間関係のトラブルと位置付け、SOSを求めたAさんをむしろ追い詰めてしまった。
さらには、遺族に対して説明責任を果たさず、責任を転嫁し、事実を隠蔽しようとしていると捉えられてもおかしくない。』
【引用:http://fairs-fair.org/outing_20180716/】

LGBT団体が必死に権利主張している理由が何だか分かった気がする。
こういう悲しい事件を二度と起こさないためなのかもしれない。
Aさんは、私だったかもしれないし、私の大事な友人や恋人だったかもしれない。他人事には思えないし、LGBTアンチだった私の考えが少し変わったきっかけである。

■誰が悪かったか?何がいけなかったのか?

この事件、Aさんが自死せずに済む方法はなかったのだろうか。

もし一橋大学が適切な対応をしてくれたら、もし同級生がふざけてアウティングをしなかったら、もしAさん自身にもLGBTに関する知識が豊富にあったら、もしAさんの家族がAさんのセクシュアリティについて理解があって「どんな貴方でもいいんだよ」
という一言があったら・・・

いくつもの「もし」が重なる。どれかの「もし」が一個でも実現していたら、こんな悲しい事件は起きなかったのではないか。
胸が痛くなる。

■どんな結果になろうとAさんは帰ってこない。そしてAさんは自分だったかもしれない。

遺族が裁判で勝ったとしても、Aさんはもう二度と帰ってこない。
悲しいことに、それが現実である。

そしてAさんは本当に自分だったかもしれない。
軽めのアウティングをされた経験ならあるし、LGBT当事者でアウティングをされた経験のある人は少なくないと思う。

同じ一橋大学の卒業生で、自身もゲイであることを公表しているNPO法人代表・松中権さん曰く、一橋大学アウティング事件をきっかけに自分の中にある1つの感情と向き合うことになった、という。
それは、「人権を主張すること、それを守る制度を求めること」。

これまでは、そういった主張に対し、「カッコ悪い」とか「そんなこと(LGBTの人権を主張したりすること)をしたら、理解を広げるどころか、壁を作られてしまう」と思い、逃げてきたらしい。

しかし、一橋大学アウティング事件をきっかけに、

「カッコ悪いなんて言ってられないのです。大切な大切な、いろんな将来の可能性を抱えた、ひとりの若者の命が失われたのです。
そして、彼は私、だったかもしれないし、彼は明日の私かもしれない。彼は私の大切な誰かかもしれないし、彼は誰かにとっての大切な誰かかもしれない。彼は自分の人生を自分らしく生きたいと願う全ての人なのです」

【引用:http://fairs-fair.org/outing_20180716/】

と思うようになった。

Aさんは、自分らしく生きたいと願う全ての人。本当にそうだと思う。
かなり言い方悪いが、Aさんが私の身内じゃなくてラッキーだった。身内の可能性も充分ありえた。

そしてLGBTやアウティングをきっかけに自死する人は後を絶たない。報道されていないだけで、かなりの件数があるはずだ。

だからこそ、松中さんは、LGBTへの差別を禁止する法制度を整えていくべきだと考えている。
やはり法制度が敷かれない限り、そりゃ差別したりアウティングしまくる人は出てくるよな…人間だもの。

■一橋大学は責任を負うのか?

一橋大学アウティング事件はやはり他人事には思えない。
もう二度と繰り返してはいけない事件だ。

一橋大学の責任の所在について追及する次回の証人尋問は7月25日。
どんな結果になってもAさんは戻ってこない。二度と。
でもだからこそ、一橋大学はしっかり責任と事の重さを真摯に受け止め、再発防止策を講じて欲しい。

その姿勢を見て、全国の大学のあり方やLGBTを取り巻く環境が少しでもいい方向に進んだら・・・

LGBT団体や活動家を見て、「そんなことして意味あるの?」と今まで冷めた目で見ていて、その思想を123ishで書き綴ってきた。
意味あるかどうかなんて分からないが、何もしないよりはマシなのかもしれないな・・・




#一橋大学アウティング事件, #一橋大学, #アウティング, #LGBT
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