1日300万人以上が利用している渋谷駅。毎日利用していても、迷ってしまうくらい複雑な構造になってます。それだけでなく、工事をしている期間が10年以上。これを聞くと驚いてしまいますよね。
しかし、その工事をしている理由と完成する日を知っている人が少ないのが現状です。今回は、渋谷駅の工事についてまとめてみました。
【渋谷駅の歴史】
工事の話を始める前に、その話に関わってくるので、渋谷駅の歴史をお話しするところから始めます。
渋谷駅が開業した1885年、その日の利用者は全くいませんでした。しかし、渋谷駅はその後、順調に利用者が増えていきます。それと同時に、路線の開業と廃止を繰り返してきました。
第2次世界大戦が終わる1945年までに、路面電車や現在の山手線、東急東横線、東京メトロ銀座線、京王井の頭線が開通したんです。
それ以降ですが、1951年から1953年までデパートとビルをつなぐロープウェイが走ってました。今では想像できないことなので、驚いてしまいますよね。
それから1955年には、バスの上にパンタグラフと電線があったトロリーバスが走り始めますが、1968年に廃止されました。それだけでなく、翌年の1969年には路面電車も廃止されたんです。
その後渋谷駅は、1977年に開通した旧東急新玉川線(のちの田園都市線)、1996年に延伸した埼京線、2008年に開通した東京メトロ副都心線のホームができました。
これらがきっかけとなり、渋谷駅は大きく生まれ変わることになったんです。
【地下改札と地上を一直線でつなぐ通路が完成しました】
先程までは渋谷駅の歴史などをまとめましたが、ここからは、2019年に新しくできたものを紹介しますね。
2013年に始まった東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転。
直通運転が始まる前、東横線は地上にホームがあったことから、山手線や銀座線の乗り換えが楽に行うことができました。それだけでなく、始発駅だったので電車に座れる確率がとても高かったんです。
しかし、地下5階に移動したことにより、複雑な駅構内を歩くことが必要になってきました。それだけでなく、地下深くにホームがあるので、そこまで遠くなったことや、渋谷駅始発の電車が大幅に少なくなったことも不便になった原因です。
ところが、それらを少しだけ解消することができました。それは、2028年に完成予定の「渋谷スクランブルスクエア」が一部使えるようになったことです。その建物の中にあるエスカレーターやエレベーターが使用開始になったので、駅構内で迷うことがなくなっただけでなく、乗り換え時間が短くなりました。
今後も渋谷駅周辺には、地下と地上をつなぐエスカレーターやエレベーターが完成予定であり、複雑な駅構内を通らずに地上や改札口に行くことができますよ。
【2019年現在の工事の様子と今後の渋谷駅】
最後に、2019年現在の工事の様子と、今後できるものをまとめました。最後までご覧くださいね。
〈新しい駅舎やホームを作る〉
まず大きな工事を行ったのは、銀座線に新しい駅舎とホームを作ることです。その工事が開始されたのは2009年でした。2019年現在、銀座線渋谷駅の構内は、ホームに直通しているエスカレーターや、トイレがないので、とても不便な駅です。
しかもホームの幅が場所によって大人1人通れるくらいの長さしかないだけでなく、ホームが分かれているので、終点で入ってきた電車は、駅員さんが全員降りたことを確認したあと、車庫に入ります。
その後電車は折り返し、やっと乗客が待っているホームに入ることができるんです。
そのことから乗客だけでなく、駅員さんなども使いづらい駅になってます。
これらの影響があり、工事を始めることになりました。だが今の駅構内は、デパートの中にあるので、簡単に変えることができないんです。そのことから、移設をすることになりました。
しかしその場所には、線路が通っているだけでなく、下にバスターミナルや大きな通りがあるので、とても時間がかかったんです。その理由があるので、以下の工事を行うことになりました。
- 線路を移動し、新しいホームを作る
- あらかじめ作った作業台の上で屋根を作り、それを移動する
1ですが、新しいホームのスペースがないので、線路を動かし、ホームを設置するスペースを作ります。そのため、2016年と2018年に銀座線を一部運休し、線路を動かしました。
それと同時に2の工事も行ってます。当初は四角い形をした屋根を作る予定でしたが、圧迫感を感じることから、M字に似ている形を採用したんです。また屋根の長さが110メートル、重さが1,500トンあるだけでなく、電車が走ってない時間に工事をするので、容易ではありませんでした。
そのことから、9回に分けて屋根の組み立てと移動を行ったんです。また、屋根の移動は1日で行うのではなく、約30分で7メートル移動するだけで精一杯なので、数日かけて行いました。
これらの工事が順調に進んだ結果、2019年の年末から2020年の年始に銀座線を一部運休し、最終工事を行います。この工事が予定通り終わると、ホームが完成し、新しい駅舎とホームの利用が開始されるんです。
<埼京線のホーム移動と山手線のホーム改良>
この工事ですが、埼京線のホームを350メートル移動するだけでなく、2019年現在、山手線の内回りと外回りのホームが分かれた位置にあるので、それを一緒の位置にまとめる工事を始めました。
この工事は2015年に開始されましたが、とても難しい工事のため、2028年まで工事が行われます。
まず始めたのは、埼京線の線路の移動です。2018年の5月と6月に、渋谷新宿間にある橋や線路を移動させる工事を行いました。合計で4日間、電車を止めて工事を行いましたが、無事に成功しました。
その後、2018年11月にホームが少し移動しただけでなく、仮設通路が完成したんです。通路が完成した後も工事は順調に進み、2020年に新しい埼京線のホームが完成する予定です。
それだけでなく、これが終わると山手線のホームの改良工事が始まります。その内容ですが、山手線の線路を移動し、ホームを大きくする工事です。
この工事も一気にできないので、電車を数回止める可能性があります。具体的には決まってませんが、利用する人は注意が必要な情報ですね。
【終わりに】
今回は渋谷駅の過去と工事の様子などをまとめてみました。2019年現在、渋谷駅は大きく変わろうとしているので、これからどのような街になるか楽しみですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。