航空路線の新設は最近高頻度でそれも大々的に耳に入るようになってきました。今年最も話題になったものだと破天荒なベトナムのLCCベトジェットの日本就航があり、ひっそりと新規就航したカザフスタンのSCAT航空があり、そして今回取り扱う日本航空では来年からウラジオストクに新規就航させるなどがありますね。
このような新規就航については大々的に耳にしますがここでもうひとつ気になるものがあります。航空路線は情勢に左右されやすいので変化に常に富む中で比較的長続きしている路線はどこなのでしょう?日本航空では今関係が冷え込んでいるあの国が老舗路線のひとつとして浮上しました。
今年で40周年を迎えた成田ー釜山線
2019年7月、それは折しも日韓関係の冷え込みが決定的なものになった時期に日本航空の成田ー釜山線は40周年目を迎えました。
日本からの釜山路線のパイオニアはもともとは成田発ではなく1967年に設定された福岡発でした。今にまで40年続くことになる成田発が就航したのはそれから12年後の1979年のことでした。一時期は大阪や名古屋からも就航していた釜山路線ですが今では成田発のみになっています。
なお、参考までに釜山線より早く就航した路線に東京発のソウル、シンガポールなどがあります。
LCCとの競争が激しい釜山路線
今や日本から釜山に乗り入れている航空会社の殆どをLCCが占めており、その中にエアプサン、チェジュ航空、イースタージェットなどが含まれます。他方、フルコストキャリアはというと日本航空と大韓航空のみです。
厳しい競争になっていますが実際には韓国発で購入すると日本航空の片道運賃がLCCも顔負けな安さになっており、加えて無料預け荷物や食事などのサービスもあるだけにこれは手ごわいです。筆者も実際に乗ってみたのですが色々な発見がありました。
短距離国際線は少々忙しい?
筆者が実際に利用した便は釜山を午前7時45分に出発するJL960便でした。定刻通りなら2時間5分後の9時50分に成田空港到着です。
チェックインについてはウェブチェックインで予め済ませていたのですが発券し忘れたので2時間前を目途に到着したものの列ひとつ見当たらない有様でした。当時はここに日韓関係の冷え込みを改めて感じた、と思えば後でこれがひっくり返ります。
沖止めされている機材(ボーイング737ー800の小型機)まで案内されると結果としてほぼ満席になっていたという衝撃的なちゃぶ台返しが待っていました。
離陸するとこの後は少々忙しくなります。他の主要国際線では考えられないようなスピードで機内食やドリンクが提供されていきます。これを不快に感じる乗客もいるようですが理由はもちろんあります。飛行時間が短いからです。
釜山から成田までの所要時間は2時間05分、駐機場から滑走路までの移動を差し引いた時点で2時間未満になり、そこからさらに離陸後にシートベルトサインが消えるまでの時間と着陸態勢に入っている20分間を差し引くと実質1時間少々の間でサービスを提供しなければならないので当然忙しくなるものなのです。
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なお、短時間でサービスを提供しなければならない状況ですから機内食もすぐに完食できるようなものになっていました。サンドイッチです。とは言ってもこれが実は侮れないもので、冷たかったとはいえ案外美味しかったのです。
成田での乗り継ぎ需要?
それにしても満席に近い状態だったことが気になる筆者、乗客を見回してみるとビジネス利用の日本人が案外多かったのも十分驚きだったのですが他に意外に多かったのがインド人であったり、欧米人であったりというものでした。
実は後者の乗客の多くは着陸後トランジットゾーンへ向かったことから成田で欧米路線などに乗り継ぐ利用だったことが分かりました。確かにこのような路線は釜山からは就航していませんし、仮にソウルから利用しようとすると国内線の発着する金浦空港から仁川空港までの移動が発生するので確かに成田経由の方がこの場合は楽です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?それでは改めてこの記事のポイントをまとめてみましょう。
- 日本航空の成田ー釜山線は今年で40周年目
- 日本航空の最初の釜山線は福岡発
- 釜山発の日本航空はLCCも顔負けな安さ
- 飛行時間が短いので少々忙しい
- 機内食はサンドイッチ
- 成田で欧米方面などに乗り継ぐ乗客が意外に多い
以上、身近にして短い国債路線にして老舗路線でもある成田ー釜山線のレポートでした