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華麗で幸せな結末…だけではない!?悲劇、喜劇、LGBT版まであるバレエ「白鳥の湖」のさまざまな演出パターンを動画で紹介

2019/09/17 更新 2021/01/30
harukien
白鳥の湖は、3大バレエのひとつに数えられ、バレエと言えば白鳥の湖というくらい有名で、まさにバレエの代名詞と言っても過言ではありませんね。特に、情景という音楽は誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ドラマティックで華麗なこの演目、悪魔ロッドバルトの呪いで白鳥に変えられてしまったオデット姫が、王子の強い永遠の愛で呪いが解けるハッピーエンドの物語…そう思っていませんか?

誰もがそう思っている白鳥の湖、実はその原典をたどると悲劇の結末を迎える作品だったのです!

こちらでは、さまざまな演出方法のバレエ「白鳥の湖」を動画とともにご紹介いたします。






バレエ「白鳥の湖」


白鳥の湖は、1877年にピョートル・チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽で、物語はドイツの童話「奪われたヴェール」が元になった全4幕の作品です。

同年に初演したものの、質の悪い演奏や振り付けなどが原因となり、信じられないことに失敗してお蔵入りになるという惨たんたる結果に…。成功したのは、チャイコフスキーがこの世を去ってからのことで、マリウス・プティパの手により蘇った白鳥の湖は大好評を博したのです。

日本での初演は1946年の帝国劇場、しかも初めて全幕上演を果たした演目でした。スタッフは、上海帰りのダンサー・小牧正英が演出から振り付けのほか、悪魔ロッドバルト役で出演までこなし、著名な画家である藤田嗣治(レオナール・フジタ)が舞台美術を手がけ、舞台は大成功のロングラン公演に!

焼け野原のなか、辛うじて残った劇場で上演された幻想的かつ美しい愛の物語は、観客に夢と生きる力を与え、日本におけるバレエを芸術としての地位に押し上げたのです。


「白鳥の湖」実はオリジナルは悲劇だった!


物語は、王子・ジークフリートが母から結婚をすすめられるもののその気がなく、ふと訪れた湖で白鳥たちが月の光を浴びて人間の女性に変わる光景を目にして、一際、見目麗しく輝くような姫君・オデットにひと目で魅せられるところから始まります。

オデットは、悪魔ロッドバルトに呪いをかけられ、呪いを解くことができるのは、恋をしたことのない男性の真実の愛だけと言います。それを知って、王子はオデットに真実の愛を誓うために舞踏会に誘いました。

王子の花嫁候補として世界中の名だたる姫君が集まるなかに、悪魔の娘・オディールが現れます。オデットにそっくりの魅惑的な姫君に王子はすっかり魅せられ、その姫君に永遠の愛を誓ってしまいます。

王子は、すぐにそれが悪魔の差し金であることを知って後悔と苦しみに苛まれ、それを見ていたオデットは嘆き悲しみ湖へ、王子もオデットを追って湖に向かうと目の前に立ちはだかる悪魔に戦いを挑み、打ちのめされながらも見事勝利します。
しかし、オデットたちの呪いが解けることはなく、絶望に打ちひしがれた王子とオデットは湖にその身を投じて天上の世界で結ばれるのでした。

現在は、オデットの呪いが解けて2人は結ばれて幸せになるのがポピュラーな物語ですが、本来の結末はロミオとジュリエットの如く悲劇だったのです。


プティパ版・悲劇の「白鳥の湖」


マリウス・プティパの振り付けの公演では、初演の演出を引き継いで、オデットのあとを追って王子もともに湖に身を投じる…という結末を迎えます。少し淋しいですが、今日でも人気が高いロミオとジュリエットと同様、死して結ばれるという悲劇も人の心を魅了しますね。





メッセレル版・ハッピーエンドの「白鳥の湖」


アサフ・メッセレル(スラミフィ・メッセレルの兄)の公演では、オデットにかかった呪いが解けて、王子と幸せになり結ばれる…というハッピーエンドを迎えます。現在では、白鳥の湖の王道の演出と言えるでしょう。やはり、こうでなくては!幸せになるオデットと王子を観たいですよね。

ちなみに、名プリマであるマイヤ・プリセツカヤはメッセレルの姪にあたります。





マシュー・ボーンのLBGT版・主人公が男性の「白鳥の湖」


マシュー・ボーンの公演は、1950年代を舞台にしてオデットを女性ではなく男性に、つまりLGBTの要素を取り入れた白鳥の湖として現代的かつ大胆に改変した構成となっており、雄々しさ際立つ白鳥の湖になっています。日本で初演された時もかなりの反響を呼び、その後、映画化にもなりました。

結末は、王子もザ・スワン(オデットのこと)仲間の白鳥たちの手で殺められるという衝撃的なラストを迎えます。
モダンバレエ的な要素も含まれていますので、バレエを観たことのない方や苦手な方でもミュージカルを観る感覚で入りやすいですよ。




番外編~トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団・喜劇!コメディーの「白鳥の湖」


トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団は、男性だけのダンサーで構成されたコメディバレエの元祖と言われています。

トゥシューズにチュチュ(衣装)を身につけてはいますが、男性ですのでガタイがよく胸毛はモサモサ…滑稽に踊ったり転んだりと観客を笑いの渦に巻き込むのです。しかしながら、それができるのはきちんと身につけた技巧ならでは、そこも見逃すことはできません。

結末は、あと少しのところでオデットを連れ去られ、王子は悪魔に倒されてしまいます…なんとも言えない最後ですね。
ストレスを解消したい方にも大変おすすめ、今年は2年ぶりの公演でしたので、次はいつ来るやら…今年中に観ておくのとよいかもしれませんよ。



まとめ


さまざまな白鳥の湖、興味を持っていただけたでしょうか?ほかにも、バレエ団によって違った演出がありますのでいろいろ調べてみるのも面白いでしょう。

また、結末もさることながら、白鳥のオデットと黒鳥のオディールの正反対な性格を一人二役で演じ分けるところや、コンクールでよく使われるオディールが軸もブレず駒のように32回転する高度なテクニックなど、見どころは盛りだくさん!

余談ですが、ナタリー・ポートマン主演の映画「ブラック・スワン」にも32回転のシーンが出てきますよ。
ぜひ、DVDやCSだけではなく、機会を作って生で観て下さいね。






#バレエ, #白鳥の湖, #チャイコフスキー, #悲劇, #ハッピーエンド, #LGBT, #喜劇, #プティパ, #メッセレル, #マシューボーン, #トロカデロデモンテカルロバレエ団
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