チュニジアへようこそ
いきなり「ケリビア」という地名が出たところでなんのこっちゃ分からないのではと思います。
その上でまず覚えておきたいのはケリビアのあるチュニジアの位置関係です。チュニジアはかつてカルタゴ帝国を生んだ北アフリカの地中海に面する小国で、東はリビア、西はアルジェリアに挟まれています。両国ともに政情不安が指摘されていますがチュニジアはアラブの春の成功例として知られているだけあって比較的に治安は良好です。
なお、公用語はアラビア語とフランス語です。
それではケリビア(Kelibia)はチュニジアのどの部分に位地しているのでしょう?
チュニジアはどちらかというと縦長の国で、ケリビアはそんなチュニジアの北部にあるボン岬半島(カップボン半島)の南部にあります。北部とは言っても首都チュニスはそのさらに北にあるので首都からは南下することになります。なお、参考までにチュニジアで最も有名なリゾート地であるスースはチュニジアの南部にあります。
ケリビアへようこそ
先述した通り、チュニジア北部のボン岬半島(カップボン半島)の南部に位置するケリビアですが、スースやチュニスから近くて知名度も低くはないエルハマメットに比べるとリゾートとしての知名度は高いとは言えないようです。
それにしてもそもそも筆者がなぜここに来る縁をもったのかというとチュニジア人の友人が元職場だったケリビアに連れて行ってもらえたためです。筆者は2018年の2月と8月で2回訪れることができました。
一見リゾートには見えないが...
南部のスースは徹底してリゾート化されたようですがケリビアのような小中規模のリゾートと言われるようなところというのは殆どの場合、何の変哲もない普通の町であることが殆どです。
写真は2月に訪れたときのケリビア中心部の様子です。ケリビアは都会ではないにしても半島内では比較的に規模が大きい方なので中心部はとりわけ朝を中心に大変賑わいます。
公設市場になります。場内では野菜、肉、生きた家畜用動物、水産物が売られています。このような公設市場はチュニジア各地で見られます。
これは水産物区画で撮影したものになりますがいわゆる底物が目立ちます。実はケリビアはチュニジア国内では漁業で有名になっており、同国においては主に底曳網などの主要産地としての地位を持っています。フランス料理に重宝されるヨーロッパアカザエビもケリビアで豊富に漁獲されます。
実はとてもきれいなケリビアの海
2月は降水量の多い冬の終盤なのでリゾートとしての顔は見せないケリビアですが夏になると事情は大きく変わります。
町中は相変わらずいつもと変わらず商人たちの威勢のいい掛け声がとどろきますが住宅街のその先にある海岸に出るとそれはまぁ驚きの光景です。ただし、8月は暑さが熾烈を極めるので日中、特に昼から昼下がりはまともに行動することはできないと見た方がいいです。
朝、午前8時頃だったでしょうか、既に暑い時間帯を避けるためか少なからぬ海水浴客がいました。沖を見れば漁船が行き来しているところも見られます。ちなみに海水浴客というのは殆どが地元住民か休暇でチュニス方面から訪れてきた人たちで、外国人をみかけることはほぼ皆無でした。
実際に海に浸かってみるとみたこともないような透明度の高さでした。水底にいる魚も水中で見なくともすぐに種類が分かるほどの高さです。それでなおかつここはパブリックビーチなのですからとんでもない穴場リゾートです。ただ、リゾートとは言ってもリゾートホテルのようなものは殆どありません。
水中からみればなおのこと高い透明度を満喫できます。
水底をみれば白い砂(ビーチも白い砂浜です)があり、時々砂から顔を出す魚もいるので生き物探しも楽しいです。
それにしてもこの高い透明度ですがここが内湾のような地形になっていることに恵まれてベタ凪であるおかげでもあるそうです。同じ時期にエルハマメットに行ったときは確かに波でやや濁り気味だったところは否めませんでした。
ビーチの奥まったところに岩場があり、その近くで泳いでみると魚影が濃くなり、フィッシュウォッチングがさらに楽しいです。写真にはボラが映っていますが時々10~20匹ぐらいの群れで入ってくることもあるので見ごたえがありました。他にも熱帯系の魚も多かったです。
座礁船の見える海岸
ケリビアから少し外れたところに諸行無常を感じさせる砂浜があります。
砂漠を思わせる浜辺の写真右側をよく見ると傾いた船が見えます。あれが座礁船です。広々としている割には人がむしろ少ないので隠れ家ビーチとしても最適です。また、写真好きにも堪らない風景なのではないでしょうか。
なお、人は少ないとは言っても4WDなら車両の乗り入れが可能な珍しいビーチです。
実際にとても広々としているので筆者がやったような徒歩移動は想像以上に大変です(笑)。
しかも夜はそこでビールを開けながらのバーベキューだったのでなおさらでしたがここに来ている人の殆どはバーベキューをしていましたね。(チュニジアではアルコールは禁止されていませんし、飲む人も多いです)
最後に:まとめとアクセス
いかがでしたでしょうか?
一見漁業が盛んなリゾート施設の殆どない普通の町かと思えば海外リゾートが顔負けするほどの海のあるケリビアでした。ベタ凪、高い透明度、フィッシュウォッチング、そして違うビーチにいけばそこには座礁船と大変面白い穴場リゾート的なところではないでしょうか。
ただし、アクセスについては恐縮ながらバスの使い勝手があまりよくないのでタクシーをチャーターするかルアージュと呼ばれる乗合タクシーを使う、もしくは自分で運転するのが無難でしょう。