筆者はいまだかつてクアラルンプールの記事をひとつたりとも書いていません(笑)。が、率直に申し上げてクアラルンプール観光は案外あっという間に回りつくすものですから4日でもむしろ長すぎるくらいでしょう。無論、カフェ巡りであったり、中華街で食い倒れをすれば十分に時間はつぶせますがせっかくマレーシアに来たのですからちょっとはディープな体験もしたいですよね。
ということで今回は遠くはないけど近くはない風変りな名所を紹介します。とは言っても果たして読者様がこれを名所と感じられるかどうかが正直心配な筆者です(笑)。
(なお、クアラルンプール近辺の他の名所についてはこちら(マレーシア最大のインド人街?)とこちら(クランの見所)をご参照ください)
Broga Hill Park
地図をズームアウトすればクアラルンプールからそれなりに離れていることは一目瞭然なところにあるのがよく分かるところに今回紹介するブロガ・ヒル・パークはあります。マレー語だとBukit Brogaと呼ばれており、これはつまり山です(笑)。
クアラルンプールを取り囲むようにスランゴール州が位置しており、そのさらに一番外側にあるのがブロガヒルで、最寄の町(村と言ってもよさそうな気がしますが)はブロガになります。ところがそのブロガはなんとスランゴール州から思いっきり外側です(笑)。ここまでくると何もいうことはありませんね。
要するにここはド田舎なのですが登山好きには一定の支持があるというのもまた事実です。どれくらいかというとしっかりまじめな登山ブログ(英語)にも言及されているくらいです。
アクセス(笑)
アクセスですが端的には車が一番です(笑)。が、筆者のようにそもそも運転免許すら持っていないという場合でも行こうと思えば行けるんです!
クアラルンプール市内からであればKTM Komuter(通勤列車)でKajang駅を目指します。これはメトロのようなMSBKでも行けます。ここまでは簡単で、ここからが肝です。そもそも公共交通機関がないのでここで配車サービスGrabの出番です!
あらかじめスマホにアプリをダウンロードして行き先を決めたら後は車を待って乗せてもらう、ただそれだけです。
Kajang駅からであれば片道概ね25リンギット程度ですから640~770円前後とでもいったところで、クアラルンプールからの所要時間はかかっても2時間以内です。公共交通機関がないからと言っていけないわけではないですが、帰り道で見事に大誤算をしでかす筆者でした(笑)。これは後でじっくり懺悔の念を込めて解説します。
ちなみに入山料は一人1リンギットで、駐車場に座っている女性がいたらその人に渡してください。もしいなければ下山後に見つけて払いましょう。
のんびりした眺めがいいブロガヒル
ブロガヒルには3つの尾根(1st~3rd Hill)があり、写真は2nd Hillから撮影したものです。ブロガの町を見下ろすなんとものんびりとした雰囲気で、クアラルンプールの喧騒から逃れてきたことを実感できます。熱帯での登山なので暑さが気になると思いますが、尾根は意外に風がいい具合に吹いていてむしろとても涼しく感じられるくらいでした。それにしてもこう見ると如何にド田舎まで来たかよく分かりますね。
別の角度から見下ろしてみると秩序だった段差のような構造が見えます。実はこの山一帯は農園だったようで、この段差はもともと段々畑になっていた名残です。植民地時代はここでゴムの木などを栽培していたらしいのですが今ではこの通りです。そんな段々畑の跡地の風に吹かれる草原がなかなか爽快ですよ。
それにしてもこの山、ビギナーレベルらしいのですが実際に上ってみると意外に楽ではありません。言葉では説明しにくいので写真を使いながら説明しましょう。ちなみに前半はジャングルのような森林を歩くようなイメージなのですがそれが後半になると....
このように岩石の露出したところが多くなり、しかもここはよく滑ります。斜面もやや急になっているところも多く、このような場所ではチェーンなどにつかまりながら登ることになるのですが下りに至ってはさらに大変です。よく滑るので足場にはさらに気をつけなければなりません。
久々の登山だった筆者は結局3rd Hillまではいかず、2nd Hillで引き返す(片道最速45分~)ことにしましたがそれでも長閑な眺望に惚れて2時間近くそこで黄昏ていました。
帰路の誤算(笑)
癒されてやや大変だった下山を終えると今度はなんと配車アプリ(例のGrabです)で車がいつまでたっても捕まらないというハプニングが起きました(笑)。さすがにここまでくるとタクシーすらないのですがさすがに何時間も歩くほど無謀なこともできません。
そこで、筆者はGrabの電話機能(実はSimがなくてもインターネット環境さえあればGrabからドライバーに電話できます)を使って往路で乗せてもらったドライバーにSOSコールをしました。
まさかでした、40分後にはしっかり来てくれました(笑)。幸運にも近場にいたのですぐに駆けつけてくれたのです。さすがにタダで乗せてもらうわけにもいかないので往路と同じ運賃を現金で渡しました。
ということで運転免許のある方につきましてはここはレンタカーで行って癒されるのが無難です。
結局Broga Hill Parkってどういう名所なの?
結論としてブロガヒルパークはクアラルンプールの喧騒からは逃れたいが、でも遠すぎない場所がいいという場合におすすめできる、長閑な眺めが売りの癒しスポットと言えそうです。
クアラルンプールに来て無性に山に登りたくなったという方、またはそうなりそうな方、マレーシアのド田舎を見てみたいという方、ブロガヒルパークを登ってみませんか?