まだ2回しか訪れたことのない台湾ですが、筆者の大好きな旅先であることだけは断言できます。
また、生憎今は旅できないご時世ですが、もともと台湾は日本人からの支持が厚いデスティネーションでもありますからね。首都台北やその周辺でも見所や食べどころがいっぱいつまっています。
さて、以前に筆者が台北を拠点に旅していたとき、それはそれは不思議な光景に出会いました。それはとある日曜日の台北駅での出来事で、むしろインドネシアにいるのではと思うような光景でした。
台北駅は実は想像以上にディープな場所のようです。
日曜日の台北駅はインドネシア?
とある日曜日の台北駅(2019年8月撮影)
とある日曜日の台北駅の様子です。一見ただの人混みに見えますが平時はそれほど混み合うことはありません。
よく見るとカラフルなヒジャブ姿の女性が多く見えるので多くはムスリムであることが分かります。そう、彼らは在台インドネシア人です。筆者は台北を2回訪れましたが最初に訪れたときにまず目にしたのがずばりこれでした。2回目に訪れたときの日曜日も同様に同じ光景をみました。
写真は2019年1月、インドネシアでは大統領選挙が行われていた時期でした。駅の外に出てみればそこでは現職のジョコウィドド候補(2020年5月現在大統領在任中)を応援する集会が大々的に行われていました。
台北にいるというのにインドネシア語ばかり聞こえるなんとも不思議な光景でした。
この日曜日の台北駅に現れるリトルインドネシアについて、台湾とインドネシアの関係をみると事情が分かりやすいです。
台湾に住まう外国人の中で最も人口が多いのがインドネシア人で、約25万人が住んでいます。台北だけでなく、台湾各地に多く住んでおり、介護や漁業、サービス業などの分野で重要な労働力になっているようです。筆者も台湾東岸の町の漁港でインドネシア人労働者を目にしたことが記憶に新しいです。
それにしてももともと台北駅は在台インドネシア人の情報交換やコミュニケーションの場として使われていたそうで、次第に現在のようなインドネシア人コミュニティーの大規模集会のようなものへと変化していったそうです。
とは言え、コロナパンデミックの中ではこのような光景はしばらくの間みられないでしょうね。
台北駅の近くに元祖リトルインドネシア
先ほども述べたように、台湾には25万人ものインドネシア人が住んでいます。台北駅のリトルインドネシアについては先述した通りですが、実は厳密には台北駅にほど近いところに台北車站印尼街があり、それこそ元祖リトルインドネシアになります。
台北観光ではガイドブックなどでなかなか目にすることがないリトルインドネシアですが(かく言う筆者も実は行ったことがありませんが)、実はなかなか面白いスポットです。一度リトルインドネシアに入ると飛び交う会話も看板もインドネシア語ばかりで、もはや台湾にいるというよりはインドネシアにいるような感覚を味わえそうですね。
多文化空間になった台北駅
日系企業とインドネシア人の集う台北駅(2019年1月撮影)
台北駅は何とも不思議な場所です。
上の写真は2019年1月の日曜日に撮影したものですが、リトルインドネシアのようになっているだけにとどまらず、電光表示板を見ればそこには日本の企業の広告があります。さらに奥(写真中央)に視点をうつせば山形新幹線の映ったJR東日本の広告もあります。まさか海外で山形新幹線が広告に出ているとは何か縁を感じずにはいられませんね(笑)。
ともあれ、台北駅はある種の文化の十字路になっているようです。
日曜日のリトルインドネシアと言い、日本企業の広告と言い、世界中から来たバックパッカー、そしてもちろん地元の台湾人と、ここには様々なバックグラウンドを持った人が行きかっています。
まとめ
写真を見る限り3密の極まりである日曜日だけに見られる台北駅の光景でしたが、当分の間コロナ対策などの関係で見られることはないでしょう。
果たしてコロナ後でも見られるのかについても疑問です。今となっては情報交換などはネットでできる時代ですのでわざわざ台北駅に集まる理由はもうないのかもしれません。
それでは最後にポイントを改めてまとめて〆たいと思います。(また台湾に行ける日々が待ち遠しいです....)
- 在台インドネシア人の人口は約25万人
- 在台インドネシア人の情報交換やコミュニケーションの場として台北駅が選ばれた
- コロナパンデミックになるまでは毎週日曜日にインドネシア人が台北駅に集まった
- リトルインドネシアは厳密には台北駅の近くにある