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感染症予備知識と、急性期病棟の看護師による感染症予防へのアドバイス

2020/04/18
世界の人々の生活や生命を揺るがす感染症。新型コロナウイルス(Covit-19)だけではなく、様々な感染症が世界には存在しています。感染症とは環境の中にいる細菌やウイルスが体内に入ることで引き起こす疾患です。細菌やウイルスだけでなく、微生物、寄生虫なんかも感染症を引き起こすと言われています。

2020年は世界中でパンデミックを引き起こしているCovit-19が、世界を不安に悩ませ、世界中の医療従事者を悩ませています。
今回は、感染症予防に普段から病院のスタッフがどのようなことを行っているのかを解説していきたいと思います。

新型コロナウイルスについての各機関の動きはこちらから。

  • 厚生労働省
  • WHO(世界保健機関)
  • CDC(アメリカ疾病予防センター)


基本は標準予防策




標準予防策(スタンダートプリコーション)とは感染症の有無にかかわらずすべての患者のケアに関して普遍的に適応する予防策のことを言います。

その内容は、手指衛生・個人防護具の使用(手袋・ガウン・マスク・ゴーグル・アイシールド等)・患者配置・機材、器具、リネン類などの取り扱い・労働者の安全・咳エチケットや安全な手技などがこれに該当します。まさに感染予防の基本の基。

なぜ標準予防策が重要かというと、感染症は基本的に検査結果に基づいてありか、なしかを判断します。

しかし、感染症には潜伏期間が存在します。なので感染症の検査から漏れ出た未知の感染症や潜伏期間には対応できないデメリットがあります。陰性でものちの検査でやっぱり陽性であったということもあるため、自分自身や他者に感染症を罹患させないためにも重要になってくるというわけです。

血液、体液、粘膜、排泄物、創傷した皮膚を感染している可能性があるものとしてすべての患者に標準して用いられています。


感染予防で一番重要な技術とは




手指衛生は感染予防の基本であり、最も重要な技術と言われています。病原菌を防ぐ最も有効な方法であり、感染の危険がある血液や体液から自分自身を守り、患者を守る役割を果たします。

手指が目に見えて汚れている(血液や体液が付着し汚染している)場合は石鹸と流水で手を洗います。手指が汚れていない場合は消毒剤を使用し消毒をするのが基本です。


手指消毒のタイミング


手洗いや消毒のタイミングは一人の患者さんと触れ合う中でどれだけ発生するでしょうか。医療行為やオムツ交換などがあれば1患者で複数回そのタイミングは訪れます。

まずは①患者に触れる前。そして②清潔操作や無菌操作の前。③体液から暴露するリスクの後。④患者に触れた後。⑤患者の周りの環境や物品に触れた後などです。

特に看護師は1日に何十回も手を洗い、手指消毒を行っています。

消毒剤にはアルコールが使用しているため手は荒れるしアルコールが体質的に合わない人はクロルヘキシジンを使用したりしますが、ヘキシジンは消毒作用も下がるので感染リスクが上がります。また手荒れして、手に傷ができてしまってもそこから感染してしまうリスクもあり、保湿などのセルフケアも医療従事者は気を付けています。特に冬は乾燥するのでケアが間に合わず大変です。

手指の間や手首、爪の中もしっかり洗う必要があります。



感染経路

感染症の感染経路はどこからかというと、基本的には空気感染、飛沫感染、接触感染があります。

空気感染は5㎛の粒子が空気中に拡散して肺胞まで吸入することでおこります。結核などがこれにあたります。飛沫感染は5㎛以下の粒子が1m以下の距離を飛ぶことで感染するものでインフルエンザや風疹がこれに該当します。接触感染は手指を通して感染するもので薬剤耐性菌や疥癬、流行性結膜炎があたります。

これらの感染症には、標準予防策を軸とし、プラスアルファでそれぞれの感染対策を取っていきます。


空気感染予防策

患者は個室隔離をします。部屋のドアは閉めておき室内は時々窓を開けて換気をします。医療従事者はN95マスクを装着し、患者にはサージカルマスクをつけてもらいます。咳やくしゃみが出る際は飛沫が飛ばないように咳エチケットに協力してもらいます。N95マスクは非常に圧迫感があり長時間つけているのは苦痛を伴います。


飛沫感染予防策

患者と約1m以内で患者と接触する際はマスクは必ず必要になります。

患者自身にもマスクを装着してもらうよう協力をしてもらいます。飛び散った粒子が環境に付着している場合があるため、インフルエンザ等の飛沫感染患者が入院してきたり、感染症が流行っている時期は1日2回は環境周囲や病棟の手すり、ドアノブをアルコール消毒したりして感染が蔓延しないように予防します。


接触感染予防策

手や皮膚による直接接触、または汚染された物品などによる間接接触により感染する病原体、または疑いのある患者に適応されます。使用する物品は器具は専用とし、スタッフの衣服が患者や室内の設備など表面や物品に実質的な接触を持つ場合はエプロンやガウンの着用が必要になります。


ウイルスと細菌の違い




ウイルスと細菌は大きさや構造からまったく違います。

ウイルスは細菌の10分の1から100分の1程度の大きさで、細菌は顕微鏡で見えますが、ウイルスは拡大率の高い電子顕微鏡でないとみることができません。

また、増殖方法にも差異があります。細菌は自分でどんどん増殖する力がありますが、ウイルスにはありません。

ウイルスが増殖するためには、人間や動物などの細胞に侵入しその細胞が持つ道具を使う必要があります。言い換えればウイルスは生物に寄生しなければ生きていくことができないのです。

抗生物質(抗菌薬)は文字の通り、細菌の増殖を抑えたり、細菌を壊す作用があります。有名なペニシリンは耳にしたことがある人も多いと思います。抗菌薬は原因菌が特定できない場合でも、多種の菌に作用することがあります。抗菌薬は間口が広いのです。

一方ウイルスには抗ウイルス薬を使用します。

抗ウイルス薬は、抗菌薬とは違いそのウイルスにあう薬を使用しなければいけません。

例えばインフルエンザにタミフルは使えるけど、ノロウイルスには全く意味をなさないといったように。なのでウイルス感染の場合は何のウイルスに感染しているのか判断しなければ有効治療ができないということになります。

ちなみに風邪は8割程度がウイルス感染です。抗菌薬を処方してほしいという方は抗菌薬は健康な菌もやっつけてしまう恐れがあるので医師に相談しましょう。

病院では医師や看護師だけでなく多くのスタッフが感染予防に日々務めています。

ただでさえ慌ただしい現場で感染予防は時間と手間、手技も必要になりやっかいな存在です。目には見えないからこそ慢心してしまうこともありますが、目には見えないからこそ十二分に注意を払い、自分を、関わる人々を守っていく意味でも、たとえ感染症が流行していなくても感染予防を行っています。

医療者だけでなく一人一人が標準予防策を取り入れれば医療をとりまく環境も少し変わるかもしれませんね。





#感染症, #コロナウイルス, #新型コロナウイルス, #感染予防策
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