とある日のこと。
友人に誘われて大阪・天保山のマーケットプレイスへ遊びに行くことになった。
だが早く着きすぎてオープンまであと1時間。
どこか時間をつぶせる場所はないかと探して見つけたのが、天保山マーケットプレイス(海遊館)近くのカフェ
『Kuma Kafe』(クマカフェ)だった。
そこがなかなかニッチなおもしろい場所だったのでレポートしたい。
『Kuma Kafe』入口。
くまが出迎えてくれた
まず店内に入ると、すぐ左手の壁が動物の写真やくまのぬいぐるみなどに覆われている。
くまや動物の写真がずらり
そして店内を見渡してみると
「くま、クマ、Kuma・・・!」
くまだらけ
早朝なのに先客が
とにかくくまのぬいぐるみが大きいものから小さいものまでたくさん。
Kuma Kafeという店名も納得だ。
くまに扮するとなりの人気キャラクター
しかしくまだけを集めているのかと思いきや、壁面には先ほどのようにいろいろな動物の写真や、ほかの動物の絵なんかも飾られていた。
いったいどういうコンセプトのカフェだ・・?と謎になってくる。
疑問を抱きつつも席に着くとメニューが。
熊バーガー?熊ホットサンド!?
熊さん手作り…
「熊さんパパ直伝 パパパスタ」が気になりつつも、「熊パンケーキ」をオーダー。
ここで店員さんに聞いてみる。
「あのー・・・オーナーさんがくまをお好きなんですか?」
すると、「オーナーは動物が大好き。そしてくまが一番好きなんです」とのこと。
なるほど大の動物好きとなれば、くま以外の写真や絵が飾られているのも納得がいく。
そしてさらに興味深いエピソードを教えてくれた。
オーナーさんはもともと海外の方で、世界中を客船で回りながらパフォーマンスをするエンターテイナーだったこと。
世界中の動物たちに会うようになって、くまをはじめとする動物が好きになり、動物の絵を描き始めたこと。
飾られている絵画はオーナーさんが描いたものだった
動物の絵を描くために、動物の写真を撮りはじめたこと。
テーマパークでのパフォーマーとして大阪にやってきたのをキッカケに、すっかり大阪が気に入り日本に移住したこと。
このお店は、最初はギャラリーだったこと。
雑貨やインテリアがかわいいのはギャラリーっぽい
でも、ギャラリーのみだとなんとなく入りづらかったり、お客さんから「ドリンクはないの?」という声が挙がったりしたので、カフェにしたということだった。
なんという経緯・・・!
ちなみにオーナーさんはほとんどお店にはおらず、動物の写真を撮りに行ったりしているらしい。自由!
北海道にはくまを撮りに毎月行っているのだとか。
真ん中に映っているのがオーナーさん
世界各国のお友だちが日本に寄ったときに立ち寄ってくれるため、日本にはない珍しいくまグッズなども集まるそう。
なんとなく多国籍な雰囲気
それにしても次々とやってくるお客さんも海外の方が多いこと!
このご時世なので日本に住んでいる方かもしれないが、パッと見日本人は私と友人だけで、店内はグローバルな雰囲気だった。
モーニングメニューに当たり前のようにヴィーガンメニューがあったのも納得。
英語・日本語 両方のメニューがあった
店員さんも英語ペラペラで店内では英語が飛び交っていた。
このへんもお土産なのだろうか
謎のお札が気になっていたが、世界各国を飛び回っていたと聞いてこれも納得。
カラフルで可愛いお金が頭上に飾られている
カフェオープンに至るまでのユニークな経緯を覚えておきたくてメモしているうちに、頼んだパンケーキが運ばれてきた。
この店内の雰囲気を味わえてエピソードを聞けただけでも十分に来た価値があったというものだが、パンケーキまでついてくるんだからお得。
それがこちら・・
ジャーン!
か、可愛い・・!!
そしてデカい・・!!!
写真だとサイズ感が伝わらないのが残念だが、このパンケーキ、手の平をめいっぱい広げたよりも大きい。
くまの形にくりぬかれている部分だけで握りこぶし大なのだ。
ていうか可愛い!
チョコレートで描かれたイラストも、くまの形も全部可愛い。
生地はふわっふわ。
ああ、また食べたくなってきた・・・
ちなみにこちら、とーっても美味しかったのだけど大きすぎて食べきれず。
そしたらお持ち帰りさせてくれた!(無駄にしなくてよかった~)
今回はパンケーキを頼んだけれど、ほかのメニューも期待大。
なりゆきでカフェになったというには本格的すぎるメニューで、見たところお酒も充実していそう。
カウンターの向こうにはお酒の瓶が
美味しいカフェメニューや食事をいただきながら、向かいにはくまちゃん。
最高ではないか・・・
やあやあ隣においでよ
コーヒーも美味しいよ
のんびりしようじゃないか
もう1点ほっこりしたエピソードが。
店内の壁に所狭しと飾られていた、子どもの描いたような絵。
立派なアート
メニューを待っている間に退屈しないよう、お客さんのお子さんには紙と色鉛筆を渡して、描いたものをできる限り壁に貼っているのだとか。
壁以外にも、店内のファイルにもきれいに綴じられており、自由に閲覧できる。
ファイルいっぱいの絵
これだけくまグッズがあれば退屈はしなさそうではあるが、さらにお絵描きグッズまで提供してくれるなんて親としてはありがたすぎる神エピソード。
そして子どもが描いた絵をお店の人がこんなに大切に扱ってくれるなんて暖かすぎる・・!
大人の絵らしきものもあったが、それも大切に飾られていた。
ぬくもりを感じる壁面
時代は断捨離とかミニマムライフとかいう方向に行っていて、日本でも一昔前よりスタイリッシュなお店が増えてきているように思う。
モノをそぎ落とすことでの美しさももちろんあると思うが、人の「思い」がこもったモノを増やす美しさもあるのだな~とひしひし感じた。
大切なモノがいっぱいあるってイイよね
お店の1つ1つのグッズや写真、絵にそれぞれの思いがこもっていることが伝わってきたし、どれも大切にされているのがよくわかった。
くまちゃんも綺麗にお手入れされてにこにこ
お店にはほとんどいないながらも、店員さんの様子からはオーナーさんが愛されているのも伝わってきた。
海遊館や天保山マーケットプレイスに出向いた際は、ぜひ立ち寄りたいカフェである。
Kuma Kafe(クマカフェ)
〒552-0021 大阪府大阪市港区築港4丁目4−15
06-6572-2450
(※2021/8/2~8/31まで緊急事態宣言のため閉店中)