重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子～顎裂の手術（顎裂形成・顎裂部骨移植手術）②入院期間前半

小学校3年生のユウが受けた1回目の顎裂の手術。

前回の 「重度の口唇口蓋裂で生まれた我が子～顎裂の手術（顎裂形成・顎裂部骨移植手術）①入院と手術～」 の続きになります。

7:00ごろ起床。元気なし。無言。しんどいかどうか聞くと、首を振る。気持ち悪いかと聞くと「うん…」。辛そう。

8:00　少し上体を起こすことに。ベッドの傾きを1段階上げたいので、好きなアニメのＤＶＤをつける。横になったままで腕や足を使ってベッド上部までずりずりと上がってもらうが、「痛い、痛い」という。

9:00　自分で座った！「起きれたわ」と自分でも驚いたようで、少し元気が出てくる。声もはっきり出るように。

身体を動かすのを痛がるが、なんとか身体拭き、着替えもできる。寝ころがっていても、しばらくすると自分で「座る」と言ってア二メを見る。

お昼前には疲れて入眠。

午睡後、同室の子が車椅子に乗っているのをみて「乗りたい」と言う。ベッドのふちに腰掛け、数歩歩いて自分から車椅子の方に向かう。術後はじめて立ちあがった。痛むので2歩ごとに休憩。

車椅子で病棟内を散歩すると嬉しそうだった。

 

回診アリ。腰に貼っている傷口のテープが濡れて貼り替えようとするがくすぐったいのと痛いのとで大泣きで大暴れ。もう貼り替えなくていいように上から看護師さんに防水テープを貼ってもらうが、暴れすぎて半分くらいしか貼れず。点滴のシーネ取り替えが怖いのと痛いのとで震えながら泣く。

夜、抗生剤の点滴がうまく入らないのでもう一度手元のシールを貼り替えることになった。このときの担当の看護師さんが息子の意見を尊重してくれ、まったく泣かず暴れずにシール貼り替えができた！

看護師さんとの相性がいいので、腰の傷口をしっかり覆えるように防水テープも追加で貼ってもらうことに。やはりくすぐったいので「自分で貼りたい」と言い、看護師さんが手伝う形で自分で貼らせてくれた。

 

20分ほどかけてトイレまで移動。はじめて術後トイレで排尿できる。車椅子に乗りたいので移動には意欲的で、ゆっくり待てば自分で動くことができる。手伝ってほしいときは要求あり。

しかし傷口の防水テープがわずかに覆ってなかったところから濡れてしまい、また貼り替えることに。

また「イヤ、イヤ」とあばれる。「自分で剥がしたい」と言うが、この日の看護師さんは力づくで剥がそうとしてしまい「痛い」と余計に嫌がり30分以上かかる。

午後からは、いたずらが増える。意識も通常通りになってきたのにまだ思うように動けないのでモヤモヤするらしい。つい叱ってしまう・・。

親戚がお見舞いに来てくれたが、うとうとしかけたユウを起こしたり3時間経っても帰ってくれなかったりと付き添いの身としては困った。2度目にユウがうとうとしたところでそろそろ休みたいので「すみません」と言って帰ってもらう。（お見舞いに行く人は短時間にしましょう。。）この日、最大で4歩続けて歩けた！

 

 

朝、抗生剤の点滴が外れる。腕が自由になり、ベッド上で座って遊ぶ。

経鼻栄養も3日目。朝600ml、昼300ml、夜600mlで一日あたり合計1500ml（1500キロカロリー）

普段食べている量よりも多く、朝になっても「お腹へってないよお」と言うが容赦なく600ml注入。

たくさん笑い、声をあげてはしゃぐようになる。スムーズに一緒に遊べる。

トイレへ行くのに車椅子を要求してきたが、歩く練習をすすめなくてはいけないので却下する。

病室のイスからキッズルームまで歩いた！（15歩くらい？）

キッズルームでは一人で遊びたいからあっち行ってと言われ、母も楽になってくる。

看護学生さんの前でいいところを見せたいのか、もっと歩いてみせる。

ひょこひょこしているが、痛みにくい歩き方のコツをつかんだ様子。歩いて車椅子を探しに行く(笑)

好きなDVDや本を取りに行くなど、ある程度自分で動けるようになったので自由を満喫しはじめる。

経鼻栄養の影響で排尿が1時間おきにあり、ズボンの上げ下げやベッドからの靴の着脱は介助が必要。

 

この日の昼までに排便なければお薬でと言われていたが、朝になって排便あり！

学校の先生がお見舞いに来られるのをとても楽しみにしていたのに、いざ来られると照れてしまってそっけなく失礼な態度をとってしまう。

術後はじめてのシャワー。怖いのか「イヤ、イヤ」となかなか動かなかったがなんとか入れた。

私への憎まれ口も増えてきて「お母さん帰って。一人でやる。自分で。お母さんアホ。」などを繰り返す。

キッズルーム中心に過ごし、経鼻栄養がすべて落ち切ると「ご飯終わりました」と看護師さんに言いに行っている。腰の傷口テープが剥がれたときも自分で伝えに行ける。

一人で寝るようにする前段階として、この日の夜は義母さんに交代してもらう。

20時前、帰るころになって混乱した表情でいろいろなモノを渡してきたりゴネたりと引き留め動作を繰り返す。

交代したあと大泣きしていたらしい。

 

点滴の包帯をしていたところにできていた水ぶくれが酷くなっているので形成外科の先生に診てもらう。かぶれ症状なので様子見でOKとのこと。

シャワーにて、術後はじめて頭を洗う。

今日の夜は一人でお泊りだよと約束する。

歩き方はかなりスムーズになったが、姿勢によっては痛みあり。とくにトイレを促すと「でも腰が・・」と急に痛くなるらしい。

ユウ、一人でお泊り。

 

きのうの夜は泣かなかったらしい。看護師さんからも特に変わった様子なく大丈夫でしたと言ってもらい一安心する母。

腰の糸を半抜糸（半分だけ抜糸すること）する。くすぐったがるが、意外と大丈夫なようでスムーズにできた。

「テレビ観たい」というので、はじめてテレビカードを買う。（入院初期に買ってしまうとテレビばかりになりそうだったのとベッドから動きたがらなくなりそうと思い、テレビが観たくなるような状況をなるべく作らないようにしていた）

病棟内のお庭に出る。術後はじめての外。段差上り下りもスムーズにでき、走ろうとするのでこちらが止める。

少しの時間だったけどとても気持ちよさそうだった。

明日は経鼻栄養の胃管を抜く日！