「なんで自分はあの人みたいに器用にできないんだろう?」「どうして誰も理解してくれないのだろう?」
働いていて「悔しい」と思ったことはありますか?
きっと仕事に真剣に向き合う人であれば、人生で一度くらいは悔しいと思ったことはあるはずです。
実はこの感情は他人ではなく、自分へ向けられた気持ちであり、自分の才能を自分自身が活かしきれてないことへの焦りや悲しみです。
だからこそ、人は「もっとできるはずなのに・・・」と悔しくなるのではないでしょうか?
そこで今回は、職場の人間関係で悩むすべての人に読んでほしい北野唯我著の「天才を殺す凡人」という本の3つのポイントをご紹介していきます。
天才を殺す凡人 北野唯我著 Amazon.co.jp
【人間関係の謎が明らかに】
天才 vs 凡人、凡人が才能のある天才を殺す目的とは?
人の才能は3種類に分けられます。
- 独創的な考えや着眼点を持ち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる人
- 論理的に物事を考え、システムや数字、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる人
- 感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動ける人
あなたは、どれに近い人間だと思いますか?
これは、上から順番に創造性、再現性、共感性の3つの才能を表しています。
つまり、それぞれを順番に天才、秀才、凡人と分けることができます。
おそらくほとんどの人は、感情やその場の空気に流される「凡人タイプ」だと思います。
普通なら、怒るかもしれませんが、これは紛れもない事実です。
しかし、心の底では天才に憧れている人もいますよね?
気持ちは分からなくもないですが、天才はそこまで良いものでもないです。
たしかに世の中には、天才と呼ばれる人がいて、この世界を良くも悪くも前進させることが多いです。
だけど、天才は変革の途中で凡人に殺されることがあるからです。
その理由のほとんどは、「コミュニケーションの断絶」によるものです。
そして、これは「大企業がイノベーションを起こせない理由」と同じ構造なんです。
なぜ凡人が天才を殺すのか、全然意味がわからないですよね?
組織には天才が率いる時代があります。しかし、その時代が終われば、次は秀才が率いる時代が来ます。
そのとき、組織は凡人が天才を管理する時代に突入し、天才は凡人に殺され「イノベーション」を起こせなくなってしまうんです。
どうして、こういう構造になるのかを理解すること。
これこそが、才能を理解する全てのスタートです。
誰にも教えたくない!
天才・秀才・凡人の関係を理解すれば、仕事や人間関係の悩みは解消
天才を殺す凡人 北野唯我著 Amazon.co.jp
まず重要なのは、天才・秀才・凡人の関係です。
上記の写真を見て何が分かりますか?
まず、天才は秀才に対して「興味がない」。一方で、凡人に対しては意外には「理解してほしい」と思っているんです。
天才の使命とは、世界を前進させること!そして、それは凡人の協力なしには成り立ちません。
天才は幼少期から凡人によって虐げられてきたケースも多く、「理解されたい」という気持ちが根強いんです。
たしかに、アインシュタインやスティーブ・ジョブズなど、天才は多くの人から理解されなかった幼少期を送るイメージがあります。
まさに、孤独な幼少期を送る天才。
反対に、凡人が天才に対する気持ちは、冷たいもので、成果を出す前の天才を認知できないから、できるだけ否定しようとしてきます。
コミュニティや組織の和を乱す異物に見えるんです。
この天才と凡人の間にある、「コミュニケーションの断絶」こそが、天才を殺す要因です。
【天才は仕事での人間関係になじめないワケ】
凡人にとって多数決は天才を殺すジャックナイフになる
天才と秀才と凡人は、軸が違います。軸とは、その人が「価値」を判断する上で、前提となるものです。
天才は「創造性」という軸で、物事を評価し、秀才は「再現性」で、凡人は「共感性」で評価します。
つまり、天才は「世界を良くするという意味で、創造的か」で評価をとります。
一方で、凡人は「その人や考えに、共感できるか」で評価をとります。
もう気づいてると思いますが、天才と凡人では「軸」が根本的に異なるんです。
だから、理解しようとしたところで無駄だし、永遠に話が合わないんです。
もし、話し合いで解決できるなら、なんで戦争はなくならないのか?
どうして学校のいじめはなくならないのか?
話し合いで解決できるなんて大嘘です。
本来であればこの「軸」に優劣はなく、問題は人数の数にあります。
人数の数で言えば、凡人の方が天才より圧倒的に多く、数百倍近い差があります。
いくら天才でも、9割以上の人間に反対されれば敵うわけがありません。
だから、凡人がその気になれば、天才を殺すことはきわめて簡単です。
仕事や会社の職場でも、あまりに才能豊かすぎて、逆に叩かれる人はいますよね?
ビジネスの世界でもそう。
iMacやSNSなど、革新的なサービスが一番最初に生まれた時は、常に凡人によって殺されそうになることがほとんどです。
「でも、そんな簡単に天才が死ぬイメージなんてないんですが、、、」
そう思った方もいるかもですが、凡人には最強の武器があるんです。
その武器とは「多数決」です。
多数決こそ、天才を殺す最強の武器になります。
ですが、誰かが新しいことにチャレンジするときに邪魔をしたり、足を引っ張ったりする人に対して猛烈な怒りを感じます。
あなたの大切な親友が新しいことに挑戦しようとしているとき、大好きな人が新しい一歩を踏み出すとき、その先には目に見えない多くの苦悩や障害が存在しています。
もし、その挑戦を一緒に応援できる書籍やコンテンツがあったとしたら、とても素敵なことがと思いませんか?
今回は、そのためにこの記事を書きました。
もし、この記事の内容が面白ければ、あなたの周りにいる「新しい挑戦をしようとしている人」に紹介してあげてください。
それだけで救われる人がきっといるはずです。
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天才を殺す凡人 目次
はじめに
第1章 才能ってなんだろう
- アンナは終わった?
- ハチ公、語り出す
- 凡人が天才を殺す理由
- 天才・秀才・凡人の関係
- 多数決は「天才を殺すナイフ」
- 大企業でイノベーションが起きない理由
- 紛叫する経営会議
- 天才が会社を去るとき。アンナの覚悟
- アンナとの出会い
- アートとサイエンス、説明能力の違い
- 共感性は強いけれど危うい
- 天才は見えないものが見える
- 広くて浅い反発 vs 狭くて深い支持
- 共感を軸にした判断は「愚民政治」を招く
- テクノロジー・アート・ミュージアム
- ライバルは宇宙だ
- 人類の最大の敵は「飽き」
- 天才はすでに飽きている
- 配られたカードで戦え
第2章 相反する才能
- 世界の崩壊を防ぐ人たち
- 「最強の実行者」を巻き込む方法
- 異なる主語を持つ人たち
- 天才は物理で生き、秀才は法律で生きる
- 主語を変え、「最強の実行者」を巻き込む質問
- 横田だったらどうする?
- 秀才が天才に抱く「憧れと嫉妬」
- そもそも、サイエンスとは何か
- 科学の良さは失敗できること
- 社内の「サイレントキラー」を探せ
- 変更された会計基準
- もう天才はいらない
第3章 武器を選び、戦え
- 天才のダークサイド
- 共感の神=根回しおじさん
- 才能を「信じる力」
- 「自らの言葉」という最強の武器
- 他人の言葉をデトックスして、白状する
- 「僕らは」何をすべきなのか
- 武器とストッパー
- それぞれの人の中に天才がいる
- ケンとの別れ
- 事業売却
- 「お前がいたから今の自分がいる」
- 季節はめぐる