葬儀社は自分たちで選べる? 平成31年が時を刻んでわずか3時間34分後、新しい年の日の出を見ることなく、父は他界した。年末に緊急入院、ICUに入った時点で覚悟はできていたが、年が明けてまもなく、病院から「呼吸が弱くなってきた」との連絡があり、まさに取るものももとりあえずの状態で病院に向かった。 死亡宣告が行われてすぐに看護師から葬儀社に連絡して遺体を引きとるように告げられた。時間は午前4時前。葬儀社? この時間につながる? 来てくれるの? 看護師から分厚いファイルを渡され、その中からある葬儀社に電話をした。母が以前、定期的に前金を払い込んでいた大手葬儀社のことをぎりぎり思い出したのだ。 後から聞いた話によると、葬儀社を選べるだけ幸運らしい。病院によっては、葬儀社を選ぶように言われることもなく、安置室に病院と協力関係にある葬儀社が「御愁傷様です」と迎えに来ていることも多いという。 一旦葬儀社に遺体を渡してしまえば、そこからはあちらのペース。それでなくても、家族はまあまあ頭の中は混乱した悲しみの中、もう亡くなっているのに少しでも良くしてあげたいという気持ちだけはどんどん膨らんでいく。そして、…