都市河川、鶴見川に潜むモンスター 釣りというものは、何も壮大で特別な自然の中でしかできないものではない。 ブラックバスのために買った頑丈なロッドやリールを、遠くの湖まで行く手間を惜しんで眠らせてはいないだろうか。 筆者の家から程ないところにある鶴見川。生活排水や下水処理場の温水が流れ込んだ、 覗き込んだってコイしか泳いでいないような都市河川だ。 そんな川の奥底から、夜になると獲物を求めて彼らはやってくる。 それが今回紹介する暗闇のモンスター、ナマズだ。 ナマズ釣りとは 日本の淡水の生態系の頂点に、ナマズは古来から君臨してきた。 食料の乏しい時代の貴重なタンパク源であったのはもちろん、 江戸時代には生きたカエルを餌にナマズを狙うゲームフィッシングが確立していたという。 おどけたような愛らしい見た目とは裏腹に、その食性は一貫して肉食であり、 動くものなら共喰いも辞さないほどのどう猛な性質を持つ。 大きいものでは70cm以上にもなるその巨体は、まさしく都市河川の闇の支配者である。 地震を素早く察知するというような、嘘か本当か分からないような不思議な力を持つとされるが、 それは次に述べる彼らの体の驚くべき秘密が深く関わって…
さて、前回の話を聞いてナマズ釣りに興味を持たれたあなたに、今回はぜひとも知ってほしい事がある。 道具のことだ。 基本的にはバス用で代用できる 前回もお話しした通り、ナマズ釣りで使う道具は基本的にはブラックバス用の道具で代用できる。 しかし、ナマズならではの特性があるがゆえ、彼らの生態と合わせて紹介していこう。 ラインを選ぼう まずは最重要であるライン(釣り糸)の話をしよう。今回はこのラインを軸として道具を選んでゆきたい。 次にあげるナマズの身体的特徴ゆえに、比較的太いラインが必要となるのだ。 というのは、ナマズの口の中には細かいトゲのような歯が無数に生えており、上下ともにヤスリのような構造になっている。 この歯で獲物をガッチリとホールドするのだが、ルアーにアタックしてきた際に結びつけたラインを噛むことが多く、 ラインの損耗が非常に激しいのだ。 ゆえに彼らの大きな体と鋭い歯に耐えられる丈夫なラインとなると、最低でも16lb(ポンド)のラインを使うようにしたい。 ほかの釣りをされる方は、あまり太い糸を使うと魚に警戒されると思われるかもしれないが、 前回お話しした通りナマズの目はほとんど見えていない。 視覚的なプレッシ…